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深い海の底で

満ちてゆく 夢
目を開けばそこは 青い世界


台所の床は冷たい。それなのに どうしてか、そこにずっと座ってしまう癖があった。


延々と終わらない夜が続いているような気がして、夜を繰り返さないように。そんな風に念じていたような気がする。


あの頃の私は、誰かのせいにしてばかりだったのかもしれない。今は少しだけ、私のために生きてゆけるような気がするし、深く海の底に潜って涙を流すことは少なくなったのだろう。

思い出すことは、生きていることのようだった。


…断片が続く…




話は変わり。

私の家の周りはまだ田畑が広がり、自転車で駅まで15分ほどかかる。

星の見える夜は、街灯の無い田んぼ道を星を見上げながら走っても全く怖くなかったのだ。夏になれば、そこは瞬く間に海のように、キラキラと月の光で輝く世界なのだ。

時に、「ほんとのねこ集め」と称して帰るまでに何匹のねこと出会えるかを挑戦したりもする。(最高記録は4匹だ)

泣きたい夜も、血の気の引くような悲しい気持ちになった時も。帰るべきところへ辿り着けることを知っている。




ある時。

それ、私の。という声が聞こえた。

全く意味がわからなかった。切り離せるものでも なく 独り占めするには あまりにも曖昧で。

私からは紡いできた纏ってきたものは、何も奪えないし何もあなたのものでもない。
私は私そのものだから。

だからきっとあなたも、あなたそのもので在ってね。そうやって心から願った。


随分と時が経って、今は秘密の場所は消えてゆく。深く考えて紡いだことが、ぺらぺらの紙に印刷されてはらはらと零れ落ちてゆくような感覚になることがある。

あの頃の世界だった場所からは、もう少しで逃げなければならないのかもしれない。それか、もう少し大人になって”上手”に生きてゆかねばならないのかもしれない。


皆、何処へ行ったのだろう、?

結局、そんな風に世界は消えてゆく。


だから結局は、壊れても、消えていっても…
創るしかないのだ。



こころの中に、そっと。


2018.2.1



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