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エスプール②ー企業と障害者が双方ともwin-winな理由ー

初めまして。くまのこ堂です。
エスプールの障害者雇用支援サービスの事業継続性を判断するため、報道でいったい何を問題として指摘されたか、また事業環境とリスクをまとめていきます。

まとめていく中で、下記の疑問点に答えていきます。
①障害者雇用"代行"サービスは問題なの?
②農作業で企業と障害者が双方ともwin-winな理由
③エスプールの事業は国に目を付けられてしまい、投資すると危ないの?

今回は②農作業で企業と障害者が双方ともwin-winな理由 についてまとめていきます。

これは事業の継続性を確認するためです。
障害者にとってデメリットが大きい労働条件・環境であれば厚生労働省が指摘する事項として懸念され、指摘事項によっては収益性に影響が出ます。
一方企業側の視点でも、エスプールの事業に問題や懸念点があれば利用してくれなくなるため、確認が必要です。

※注意
本記事は情報提供のみを目的としており、投資活動の勧誘や特定の銘柄への推奨などを目的としたものではありません。また、情報に基づいて生じる一切の損害についても責任を負担しません。


障害者側はエスプールの農園での労働に満足している

エスプールの農園で働いている障害者の多くはこの労働環境に満足していると考えております。それは障害者の定着率92%以上から説明できます。私は、これは一般企業と比べて驚くほど高い数字なのです。IRでも数字を何度も言っているのですが、一般企業と比べてどれだけすごいのかという視点でのアピールが足りないと思ったので、まずこの点を書いていきます。

こちらが比較対象とする「一般企業に就職した障害者の定着率」のデータです。左に示す折れ線グラフは、就職してから1年間辞めずに働き続けた障害者の割合を1ヶ月ごとに示したものです。右に示す棒グラフは各障害特性の人数の比率などを示すのですが、今回は割愛します(後で説明)。

一般企業に就職した障害者における障害別の職場定着率の推移と構成割合(定着期間不明を除く)
障害者職業総合センター 調査研究報告書 No.137 障害者の就業状況等に関する調査研究

こちらのグラフをみてわかる通り、一般企業における1年後の定着率は約65%と、低い水準です。理由は様々であるかと思いますが、障害者はせっかく入った企業を1年たたずで辞めてしまって入れ替わりが非常に激しいのです。このことには企業の人事担当者も頭を悩ませていることでしょう。

一方、先ほどお話ししたようにエスプールの定着率は92%であり、一般企業より27%も定着率が高いです。ちなみに、エスプールのいう92%は1年間の数字です。よってエスプールの農園での労働は一般的な企業での労働に比べ、障害者の満足度が非常に高いと考えられます。

それでは、なぜエスプールの農園は障害者の満足度が高いのでしょうか?この要因として、下記3点が考えられます。

①最低賃金以上の給与を保証
②障害特性に応じた業務分担
③障害者に配慮された労働環境

これらをひとつひとつ説明していきます。

①最低賃金以上の給与

まず初めに、エスプールの農園で働く就業者の障害特性の比率を確認しておきます。

エスプールの農園で働く就業者の障害特性比率

有価証券報告書でも知的障害者の支援に力を入れていると明言している通り、農園で働く就業者のうち知的障害者が最も多く、7割を占めています。

当社グループの提供する障がい者雇用支援サービスは、知的障がい者の就労機会の創出と経済的自立の支援を目指して当社グループが独自に開発したビジネスモデルであります。

エスプール 有価証券報告書, 2019年2月28日

一般に、知的障害者が企業に勤めた場合、最低賃金以上をもらえる方の割合は2%と、非常に低い給与水準であるのが現状です(参照:BizPrime11月号)。これは一般的な企業だと、知的障害者ができる仕事が軽作業など単純な仕事に限られてしまい、低単価な仕事および業務時間が短いためと考えられます。これだと、企業に勤めることができても経済的に非常に苦しい状態がずっと続きます。
また知的障害者に限らず障害者全般に言えることと考えられ、障害者の離職理由No.1が「労働条件が合わない」という調査結果があります
一方、エスプールを通じて農園で働けば、より高い給与が期待できます。実際に記事執筆時点での求人を確認すると、月額約13万円で最低賃金990円が保障されています。

【わーくはぴねす農園 さいたま入間】求人広告 (執筆時点)

月額13万円でもまだ経済的に安心できる水準にはまだ足りないとも言えますが、求人の中ではかなり高い給与水準であると考えられます。

②障害特性に応じた業務分担

障害者には障害特性ごとに不向きまたはできない作業があると考えられます。よって理想的には障害特性に応じた得意・可能な業務を任せるべきです。
しかし、採用時の面接で企業側と障害者との間でうまくコミュニケーションが取れず、障害特性を企業側に正しく理解してもらえないまま採用された場合、障害者に合わない業務が振られることになります。特に身体障害者や精神障害者は障害者求人ではなく一般求人障害非開示で申し込み、障害特性を隠して採用されるケースが多々あるため企業側が任せようと思ってる業務と障害者ができる業務とのミスマッチが発生しやすくなると考えられます。このことは先ほど示した図を見ればわかる通り、身体障害者と精神障害者がほかの障害特性の方より定着率が低い要因にもなっていると考えられます(図再掲)。

(再掲)一般企業に就職した障害者における障害別の職場定着率の推移と構成割合
障害者職業総合センター 調査研究報告書 No.137 障害者の就業状況等に関する調査研究

よって、障害特性に合わない業務で障害者がストレスを抱えて辞めてしまうケースが多々あると考えられます。実際、障害者の離職理由のNo.2が「業務遂行上の問題あり」という調査結果があります。一方、配慮して単純すぎる作業を任せても、障害者のスキル向上にはつながらず、またやりがいを感じることができません。

一方
またエスプールの農園では、エスプール社側が各障害特性のバランスを考慮した障害者を選定し、農園ごとに3人1組のチームを組みます。これにより、それぞれが得意な業務を実施し、障害特性ごとにできない・不得手な業務を別の得意な障害者が肩代わりするなど、協力・助け合いながら仕事を遂行することで、個々人の能力を発揮してやりがいを感じることができるような仕組みとなっていると考えられます。

実際、エスプールの農園で働いている方の中から声を挙げて、より良い農作物を作ろうとファームのバージョンアップを行うなど、自発的に行動する方も出ています。

このことから、農園での仕事を活き活きとこなしてやりがいを感じていらっしゃると思いますし、そういった一つ一つの自発的な改善で得た経験がスキルとして身に付くと思います。また障害者の方々がいつか農園を離れ別の仕事に挑戦したいと考えた場合でも、その経験で得たスキルが活き、自信になると思います。

③障害者に配慮された労働環境

②につながる話ですが、

執筆中です。ちょっとずつ書き足していきます。

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