絶望というより希望~さとなおリレー塾第三期1回目~

自分の持っているブログにいきなり受講している講座の学びをアップし始めるのも気持ち悪いので、noteを使って書いてみることにしたら、なんだこの書き易さは。。。noteすごい。。。

いきなりnoteへの感動を書いていますが、この記事では「noteのようなサービスを使う自分みたいなユーザーには全然情報は伝わらない」という話と、「noteを知らないような人達は自分と全然違う環境にいる」ということについて書いていきます。

さて、タイトルにある通り「さとなおリレー塾第三期」という講座を2016年1月19日から受講し始めました。資料の転載はNGなのですが、聞いた内容を整理しないまま次の講座を受けるのも勿体無いので、学んだ内容についてまとめていくことにしました。

なお、質疑応答の際に「すぐに応用や例外を考えずに、学んだことをまずはそのまま受け入れる方が良い」というお話があり、あまり学んだ内容を自分なりに解釈し過ぎないように気をつけて書いていこうと思います。

前置きが長くなりました。最初の三回はさとなおさんの講義、第一回目は「オリエンと現実把握」というテーマでした。「オリエン」は、さとなおさんの自己紹介、講座の説明、そして目的の確認。そして「現実把握」は、大きく分けて2つの厳しい現実を突き付けられる内容でした。

厳しい現実のひとつは、「大多数の日本人は、インターネットをそれほど活用していない」こと。もうひとつは、「インターネットを駆使している人にとって、発信者の情報はすぐ消費され、ほぼ見向きもされない」ことです。

おそらく講座参加者の多くは後者の人たちでしょう。peatixで申し込みしているのなら100%と言っても良いかもしれません。今回、その自分のような人間はマイノリティであるということを、クド~く説明されました。

インターネットユーザーは驚くほど少ない

僕はインターネットを使いすぎている気がしますが、多くの人は予想以上にインターネットを使っていないようです。アプリを使っていても、全然検索をしていません

・平成25年にインターネットを一度も利用しなかった人は2112万人。(平成25年総務省通信利用動向調査)

・2014年のインターネット利用者数は52,068,000人。(2014年ニールセン調査)

・Facebookの国内ユーザー数は2,400万人。(2014年11月 セレージャテクノロジー調査)

・Yahoo検索の月間利用者は4658万人、Google検索の月間利用者は3324万人。(2013年 ネットレイティングス調査)

日本の人口を考えると、インターネットを活用している人は少数派のようです。(でも講座から一週間経って改めて数字を見てみると、結構利用されている気もしてきました…笑)

上記の数字に加えて、下のようなエピソードも。

そんな彼が使っているスマホはiPhone6(の128GBらしい)。
年末の帰省のために航空券を買いたいのだけどチケットショップに行ったらエラい高かったというので、ご自慢のiPhoneで格安チケット探してみなよ、と言ったところ、「いや、俺iPhoneはLINEとYouTubeと通話しか使わないんで…。」とか言い出して、その場にいた全員が「!?」ってなった、よね。
学生の頃にインターネットが普及して新しい世界への扉をくぐる体験をした人間と、自分の力(と金)でツールを自由に調達できるようになった時には既にスマホが当たり前だった人間とではこうも違うのか…。
最近の新卒の子は意外とPCを使えないとは聞くけど、リアルにそんなヤツに遭遇したのは初めてだったので衝撃的だった。
「パールをこぼしにハイウェイに飛び乗る by Nicky_69 | ShortNote」

このような情報を30分ほどバシバシ叩きつけ続けられ、僕たちがしている「毎日SNSにアクセスして、発信して、検索を一日何十回も使っている」という行為は、どうやらそれほど普通のことではないらしい、ということを受け入れざるをえなくなりました。

いままで、そのような状況は僕にとってアウェー過ぎてちゃんと考えることさえ避けていた気がします。

彼らのような人達とコミュニケーションするには旧来のマスアプローチ、もしくは行動経路/特性に合わせたアプローチが有効とのこと。ただし、ソーシャルメディアを活用するような長期的な関係は築きにくいとのことでした。

では、自分のようなユーザーとは、どうやってコミュニケーションするのか

一方で、講座の前日にあったSMAP騒動、その前の週のデビッド・ボウイの訃報を例に、自分がいかに毎日の情報をスルーしているかを実感させられました。確かに、堀北真希がいつ結婚したのか、検索しないと思い出せません。

自分のような人がユーザー側だと想定すると、

・まず、ユーザーに見つけてもらうことが難しい

・見つかっても、発信者の意図を伝えることが難しい

・伝わっても、覚えてもらうことが難しい

・さらに、ユーザーの選択肢は数えきれないほどある

・そして、世の中のことよりも、仲間の話の方が重視して聞く

・また、ユーザーの周りにはエンタメが溢れている。ちょっとした面白さ程度には反応しない

…情報を当てるのは簡単かもしれない。でも、そんな相手(というか自分)にメッセージを受け取ってもらうのは簡単なはずがない。それなのに、自分が新しいサービスを使っていたり、たくさん情報に触れていたりすると、ついユーザーをナメて(=提供者都合で)プランを作ってしまう。

上記のような「超アゲンスト」の状態から関係を作るという前提でコミュニケーションを考える必要があります。

改めてまとめると、そもそも検索どころかインターネットを使っていない大多数の相手には、アウェーを前提にコミュニケーションを考えなければいけない。また、僕のようなインターネットのアクティブユーザー相手には情報をちゃんと受け取ってもらうのは至難の業ということでした。

そもそもなぜコミュニケーションするのか

そんな挫けそうな状況の中でも、そもそも僕らはなぜコミュニケーションをしようとするのでしょう。僕らはなぜコミュニケーションに携わる必要があるのでしょうか。

この講座では、「伝えたい相手を笑顔にし、社会をちょっといい場所にするため」だと話されていました。この言葉には納得感をいだくとともに、今までのいくつかの経験の反省が頭の中を駆け巡りました。

さらに、「コミュニケーションも大切な過程」というコメントは目から鱗の言葉でした。たとえば、「あーいい情報を知った」「この情報を知れてよかった」「誰かに教えてあげよう」と思ってもらうなど、「コミュニケーションで幸せにする」というのもアリだということです。

どうしてもサービス開発者や営業が主役だと考えがちだですが、「コミュニケーション担当者だからこそできること」について立ち止まって考えられたのは非常に有意義でした。

本当に「圧倒的絶望」なのか?

さて、超アウェーもしくは超アゲンストの状況から、この目的を達成するためのコミュニケーションを考えなければいけないわけです。

今回の講座では、過去のリレー塾参加者の圧倒的絶望から始めよう!という言葉を紹介し、この厳しい状況をスタートラインと設定されました。

確かに、厳しい状況であるのは間違いないのです。しかし、僕は第一回の講座を通じて、過去にうまくいかなかった理由や、もう一度やるならどうするだろうかということを、今までよりも広い視野をもって振り返ることができました。講義の間、応用アイデアが溢れてきて、ノートに書き留め続けていました。

僕にとっては、この厳しい現実が絶望というより、むしろ希望を持つきっかけになったのです。

今回の参加者、とくに自分のWebサービスを持っている人や過去に身につけた手法、流行の手法にとらわれがちになっていた人にとっても、考え方を大きく広げられる良い機会になったのではないでしょうか。

相手がそもそもネットを普段使っていないから届かないのであれば、入り口を作る方法を考える。相手がネットを使いすぎてて届かないのであれば、相手の笑顔や喜びに向かい合って考え直す必要がある。そのような整理ができるだけでも大きな進歩だと感じました。

言うほど簡単ではないことは分かっています。しかし、少なくともウェブを活用している多くが、さとなお塾のようなオフラインイベントに喜んでお金を払い、毎週2時間も拘束され、その結果、僕を含め記事を書くような人もいるわけです。この場自体にも沢山のヒントを見つけられる気がしています。

次回(というか今日)からは、実際にどのようにアプローチしていくかの講座になるのですが、これは明らかに絶望ではなく、希望への一歩になる予感があります。

予想以上に長くなったので、一回目について書くはこれくらいにして、今日の講座の会場に向かおうと思います。

・参考:第一回の参考文献

「明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法」 (アスキー新書)佐藤 尚之

「明日のコミュニケーション 「関与する生活者」に愛される方法」(アスキー新書) 佐藤尚之

「明日のプランニング 伝わらない時代の「伝わる」方法」 (講談社現代新書)佐藤 尚之

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