公文の推薦図書A(教材に使用されてる分全部)読んでみた

公文の推薦図書各学年50冊の中でも、教材として使用されている分である。教材中で物語の最後まで読破できることもあるが、「続きは借りて読んでね」のパターンが多いので、A教材、すなわち小学一年生レベルに使われた推薦図書は全て子どもと一緒に読んでみた。

2おやつがほーいどっさりほい 梅田俊作・佳子
キツネがおやつを食べさせてもらえると思って、ピクニックについていったら、どろだんごで作ったご飯だった話。体力はないが食欲がありあまるクソガキであるわたしだったら、絶望のあまり発狂して死んでいたかもしれない。


8しろいうさぎとくろいうさぎ ウイリアムズ まつおかきょうこ訳
謎の概念的鬱におかされたウサギが「結婚」により救われる話。何が変わったわけでもないのだが、全てが変わる。誓うことについて。


9ふしぎなたけのこ 松野正子 瀬川康夫・絵
デカいたけのこが倒れて、遠い遠い海までの道になる。
スケール感が好き。


1111ぴきのねこ 馬場のぼる
若干言葉とノリが古い。「明日まで食べずにおこう」と約束しておきながら我慢できずにみんな魚を食べちゃう。律儀に約束を守ったネコがいなくてよかった。それにしても、「たぬきのおなか」の意味が分からずに10秒悩んだ。ねこなのに。


12どうぞのいす  香山美子 柿本幸造・絵
長者にならないわらしべ長者的な話。オチを理解できると面白いが、果たして。


16くまさぶろう もりひさし ユノセイイチ・絵
どろぼうもLV.100になると菩薩化するらしい。


22ずーっとずっとだいすきだよ ウィルヘルム 久山太一・訳
犬が死ぬ話。


26しょうぼうじどうしゃじぷた 渡辺茂男 山本忠敬・絵
チビはチビなりの長所があるんだよという話。

つかえねえポンコツにも価値がある系の話だと、同じ絵の「のろまなローラー」のリズミカルなストーリー運びが私は好きだ。


28きいろいばけつ もりやまみやこ つちだよしはる

きつねの子は一人だけバケツを持っていない。(ぶたくんもだっけ。)それでも、人のものをとったりしないし、まのをとても大切にする。
「きつね」はシリーズなんだけど、少し思うところがあって、それはきつねの子が大人が理想とする子どもでしかない気がするからだ。「子どもの自我」、羨む気持ち、譲りたくない気持ち、自分だけのものにしておきたい気持ちを否定する話ばかり。もちろん、自己中心的な気持ちに伴う後ろめたさが、喜びの共有に変わる過程は丁寧にかかれているし、人はそうやって成長していくんだろう。それでも私は「譲ることのできるやさしい子」の将来を心配してしまう。優しい振る舞いは、大人になって、打算と計算の結果として行為として覚えても、社会はうまく渡っていけるんじゃないか。
「きつねくんシリーズ」は、「友だちに優しくしましょうね」「譲ってあげたら?」「仕方ないよ」「よくできたね」みたいな、大人の声が聞こえて疲れてしまうのだ。


33おかあさんだいすき フラック 光吉夏弥・訳
オチも「分かるぅ〜」ってなるのだけれど、おかあさんが「おかあさんだいすき」って本を読んだら負けだと思う。


35どんぐりかいぎ こうやすすむ 片山健・絵
ナメてかかるとやばい本である。
「どんぐりにはどうして、なり年とふなり年があるの?」という問いに答えを出すある種の科学本なのだが、気儘に繁殖し、どんぐりを食い尽くした年の冬の動物達の世界がまさしく死の世界。餓え痩せ衰え目の飛び出た動物たちが雪の中立ちすくみ、いくつかの骨も転がっている。超シビアである。「後先考えずに行動すると死ぬよ」という人生訓が得られる。(資本主義の行く末感。)


38ももの子たろう おおかわえっせい みたげんじろう・絵
超オーソドックスな展開かつクラシックな絵なので、一冊「桃太郎」を選ぶならこれがいいと思う。でもなぜか「ももの子たろう」。


41カレーライスはこわいぞ 角野栄子 佐々木洋子・絵
「おばけのアッチ」シリーズ。どいつもこいつも性格が悪い。割と取り返しのつかないような「イタズラ」が出てくるので読んでいて「クソが!」って思うことが多々ある。笑って流せる人向け。



46こまったさんのスパゲッティ 寺村輝夫 岡本颯子・絵
「スパゲッティできたよ!」って言ってもベッドから起きてこない旦那さんがいるので、多分今の時代ポリコレ的にアウトな本。こまったさんシリーズは、料理のレシピを感覚的に覚えられてよい。




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