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【私が着物の先生になったワケ②】

「それは劣等生から始まった」

 私が通っていた着物学院はマンツーマン指導でした。
「級」があって1級までいくまでにかかるお金は、うろ覚えだけど20万くらい。3級、2級、1級と試験があって、1級をとればそこの学院の先生になれました。

 私は劣等生で、2級の試験では1回落ちて、1級に関しては全然受かりません。。。

 先生志望だったので、厳しめに採点をされたというところもあるにはありましたが、それにしてもできませんでした。
 先生にさせるためにお情けで受からせてもらったような、そんな状況だったのでした。

<先生になるのに必要なのは、マインドの強さと着物を買うこと>

 これは先生になってからわかったことですが、先生になるには、1級を合格すること、というのがありましたが、それ以上に「その人」を見られていました。どんなに1級を合格して先生になりたいという希望があっても、人とうまくコミュニケーションがとれないようなタイプの人はなることができません。そりゃそうですね、マンツーマンでがっつり人と関わる仕事ですから。

 あと、マインドの強さと、『着物を買うこと』がありました。
 マインドの強さに関しては、どんな仕事でも必要なことだと思いますが、弱い人結構多かったです。
 多分、私は劣等生から始まりましたが、「マインドの強さ」があったのだと思います。
 「マインドの強さ」と「着物を買うこと」に関しては、これから書いていきますが、今日は劣等生の回なので、そちらを書きましょう。。。

 先生になってからも、【劣等生】であることはかなりの重しになっていました。これを克服したのは、この1年くらいです。

*   *   *
<直されることから一日が始まる> 


 出勤して「おはようございます」と挨拶すると、すぐにベテランの先生に引っ張られて着物を直されるというところから毎日始まっていました。
 そのたびに『あ~、またダメだったんだ~』と落ち込む(あっ、けど立ち直りがスーパー早いので大丈夫)。

 直されない日もあったけれども、基本直されていて、どれくらい続いただろう・・・。覚えていないけど、3年くらいは続いたと思います。(後半になると自分より後輩の先生が多くなっていったために直されなくなっただけで、基本は直されていたというようなイメージが自分の中にはある)
 1級をお情けで合格させてもらって先生になったわけですが、ここで終わりではなくて、その上に「高等師範科」というのと「着せ付け科」というのがありました。

 金額でいうと、「高等師範科」が25万円くらい、「着せ付け科」が30万円くらいだったと思います。
 こちらに関しては、先生になってから習うことになりました。

 劣等生の私は健在で、帯結びが本当に覚えられず、メモをとったり練習しながら写真を撮ったり、いろいろしましたが、全然覚えられませんでした。

 けど、今では学院をやめて随分経ちましたが、3級から高等師範科の数ある帯結び、全部覚えています。よくすぐにできる人は忘れるのも早いが、苦労した人は身につくと言われますが、これに関しては本当にそうだと実感しています。

 今も出張着付けに伺って突然違う帯結びをしなければいけなくなったり、生徒さんに合わせて普通と違うやり方をしなければならなくなったりした場合も、全部覚えているので、難なく対応できます。

 劣等生で苦労はしましたが、その後の講師経験の中で、今では宝になっています。

 自分で着ることを「自装」、他人に着せることを「他装」と言うのですが、どちらも苦手でした(笑)。自装は、先ほど書いたように毎日のように直されるので、本当に自信がなかったですし、他装もあるとき学院長先生に、「ここの部分が何度やってもこうなってしまうのですが、どうしてでしょう」と相談したとき、

「それはね、あなたが下手くそだからよ」

と言われて、グーの音も出ない、、、という経験をしたこともあります。

 なので、まだ始まる前の生徒さんが
「私は本当に物覚えが悪いので、先生があきれてしまうのではないかと心配です」
というようなことをおっしゃる方がいるのですが、安心してくださ~い!
全くそんなことは思いませんので。だって、私自身が劣等生でしたから。
教えながらも、生徒さんの方がうまいな~って思いながら教えることもしょっちゅうでしたもん(笑)。

 そんなこんなでスタートした着付け講師です。。。
 次回は、一番話すのに勇気がいる『着物を買うこと』について書きますね。読んでもらいたい気持ちと読んでもらいたくない気持ちとありますが、楽しみにしていてください。
 ではまた~!。

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