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小さな命の大移動

僕は、緑が大好きだ。将来の夢の一つは、「街に緑を!」だ。
街にこそ、緑が必要だ。
「街に緑が溢れる街づくり」をやりたいと常々思っている。それは今も昔も変わらない。

さて、僕は、店の前に植えられている街路樹を「しまねとりこ」と読んでいた。「島根県のことり」??というイメージだ。
着付けの教え方にも定評がある「麻由子さん」というスタッフより、「クニさん、これ、”シマ・トネリコ”なんですよ!いつかそのことお伝えしようと思っていて!(笑)」とのことだ。

一度、「シマネトリコ」で覚えてしまったので、カタカナ苦手の僕としては、中々脳ミソに入らない。そうしたら、脳ミソに入るべく嬉しい事件が数日後に起きた。それは、店の前の空間の草むしりをして、あたりを見回していた時のことであった。

通りがかりの人々がよく腰かける長椅子のワキから、なんと小さな小さな命が生まれていたのである。驚きとともに、生命力、生きようとする力の強さに感銘を受けた。

丁度、店の前の道路脇の木が伐採され、砂をかぶせて固めてある場所がある。そこに、植えてみることにした。赤ちゃんシマトネリコの身長は、3㎝程。赤ちゃんトネリコにとっては、広すぎる敷地の真ん中に移植した。

そこは危険地帯。道路を挟んて「英進館」というエリートの学習塾もある。誰かに、無意識で踏まれる可能性もある。小さい子どもが発見したら、すぐ引き抜かれるだろう。実際、菊池公園で「紅葉の赤ちゃん」を植えてみたら、翌日は形もカケラも無かったこともあった。

翌朝、気になりつつ店に到着。無事だったので安堵した。早速、三角になるように棒をナナメに3つ刺した。目につくように、ピンクのリボンで飾りをつけた。そして根元を、ドリップ後の珈琲豆で覆った。覚醒して、その木から珈琲の香りがしたら驚くだろう。

同じ並びのテナントに、「マダム多麻伊」さんというお洒落なブティックさんがある。そこのオーナーが興味津々にお越しになった。僕は、小さな命がここにお引越したことを伝えた。「小さい!可愛らしい!ありがとうございます。」の言葉が僕の耳に届いた。

ふと目をやると、棒の先5㎝ほどのところが「トンボ」の停留所にもなっていた。

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