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状況に振り回されるな。舵を取るのは、自分だ。

長いこと音楽を仕事にしてきた。営業もあまりせず、練習や創作を何よりも優先し、あまり利益のない海外公演なども面白いと思えば自腹を切ってでも飛んで行った。よくそれで今まで生きてこれたと今更ながら驚くけれど、ピンチのたびに音楽の神様が助けてくれている実感があった。これは本当だ。

コロナ禍で仕事のクオリティー、というよりもそもそも場がなくなり、自分の努力ではどうにもならないとなった時、今まで怖いものなしで進んできた自信が何も役立たなくなった。先が見えない。恐ろしい。

今までは、例えば演奏が何かの理由でできなくなったら、そのまま死んでしまえばいい、悔いはない、と本気で思っていた。

初心に帰ろう。

ジタバタするから苦しいのだ。身をまかせ、できることをして、淡々と過ごせばいい。自分の人生の舵は、コロナの感染状況ではなく、自分が握っているのだから。

先日、詩の朗読と音楽の撮影に参加した。作者は闘病中、病の影響で言葉がうまく出てこない。必死で自分の作品を一言ずつ、読み上げていくその姿に心打たれた。言葉の世界で表現してきた人がそれをうまく現せないもどかしさ。なのに笑顔で、時には毒舌で、周囲を巻き込んでいく。力付けるつもりが、逆に勇気と覚悟を頂いた。

この美しい写真は彼女からのプレゼント。何かお気に入りの、有名な本の装丁に使われたらしいがこれも後遺症で思い出せないらしかった。

部屋の、いつも見えるところに飾った。

ありがとう。

みなさんのサポートは、音楽活動を続けるため、生きていくために、大切に使っていきます。そして私も、誰かの小さな心の支えになれますように。