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グッドパッチの公募増資について考えてみました!

こんにちは!きみちゃんです!

つい先日の2021年1月22日、グッドパッチ(7351)が公募増資を発表しました!

私自身グッドパッチのホルダーでもありますので、今回はこの公募増資について考えてみたいと思います!

1 グッドパッチってどんな会社?

グッドパッチ(証券コード:7351)は、東証マザーズに上場している会社で、UI/UXデザインなどに強みを持つデザイン会社です!

UIとは、user interfaceの略で、直訳すれば「ユーザーとの接点」といった感じです。
スマホアプリやHPをパッと見たときにどれだけわかりやすいか、見やすいか、これを考えるのがUIデザインって感じでしょうか。(間違っていたらごめんなさい)

UXは、user experienceの略で、直訳すれば「ユーザー体験」です。
これは実際にスマホアプリやHPを使ってみたことで得られる体験全てを指します。
使いやすい、また使いたくなるデザインを考えるのがUXデザインといった感じです。

グッドパッチは、いま話題のデジタルトランスフォーメーション(DX)に関連する銘柄の1つです。

これはあくまでも私の見立てですが、
今後日本を含め世界中でDXが進展していくと思います。各社がアプリ開発や自社HPに力を入れると思います。
そうなるとソフトウェア開発やITコンサルティングに目が行きがちですが、それと同じくらい重要になるのがUI/UXデザインだと思います!

その理由は、どんなに優れたアプリ等を開発したところでユーザーにとって使いやすいものでなければ、そのアプリはいずれ使われなくなると思うからです!
ユーザー視点に立ったアプリ開発は、この先必須と言っていいと思います!😤

それともう一つ注目していただきたいのが、グッドパッチの実績です!

主要取引先として、
・ソフトバンク
・ミクシィ
・LINE
・マネーフォワード
・グノシー
・ラクスル
など有名企業がたくさんあります。

グッドパッチは、これらの企業と提携してアプリなどのUI/UXデザインを考えています!
私はLINEやマネーフォワードのアプリを使っていますが、すごく使いやすいなと感じています!
このデザインを考えているのがグッドパッチなら、グッドパッチは投資先としてかなり魅力的だと思います!!

そんな考えがあって、私はグッドパッチに投資しています!

ぜひ、グッドパッチのHPも参考にしてください!
デザイン会社だけあって、HPもすごくおしゃれです!

2 今回の公募増資の内容

そんなグッドパッチが、今回公募増資の実施を発表しました!

その概要は次のとおりです。

・新株予約権を活用した資金調達
・資金使途は今後の成長投資
・今後の成長投資として、
 ・デザイン人材の獲得
 ・M&Aを通じた組織力の強化
 ・SaaSサービスの拡充
の3つを掲げている
・今回の公募増資は2段階の仕組みで、第2段階はM&Aを実施した場合に発動

グッドパッチの説明資料でわかりやすく説明されています!

実はこの公募増資ですが、1点重要なことがあります。
それは、新株の割当先(購入先)が絶対に利益をあげられる通称MSワラントという仕組みだということです。

具体的には、新株の購入者は東証終値の91%の価格でグッドパッチの株を購入できます。
ある日の終値が3000円であれば、2730円で購入できるといった感じです。

これの何が問題かというと、今現在でグッドパッチ株を持っている「既存の株主が損をする」という点です。

具体的には、2点ほどあります。

まず1点目は、1株価値の希薄化です。
増資をすることによって、発行済株式数が増加しますので1株あたりの価値はその分薄まります。
株主にとっては購入時よりも価値が減るので、当然損ですね。

2点目はMSワラントが株価下落に拍車をかけるという点です。
先程の説明のとおり、新株の購入者は市場よりも安い価格で株を購入できます。
そんな買い方をした者が、その株を長期保有すると思いますか?
当然、購入した株は速攻で売却するでしょう。

グッドパッチの発表資料によれば、購入者と買取契約を結ぶそうですが、購入者側も購入した株式は長期保有するつもりはないと言っています。

グッドパッチの株価は短期的に見れば、下落すると思います。

3 この公募増資をどう捉えるか!

上述のとおり、公募増資を行うことで既存の株主が損をします。
そんな株はみんな手放したくなるので、株価は短期的には下落します。

ただ!重要なのはそこじゃない!と私は考えています。

今回の公募増資で重要なのは、MSワラントではありません!!
重要なのは、その調達資金の使い方です!!

グッドパッチは、調達資金の使い道は成長投資に充てると発表しています。

重要なところなので、先ほどよりも詳しく説明させてください!

成長投資の目的は、
デザイン人材の獲得
M&Aを通じた組織力の強化
SaaSサービスの拡充
の3点です!

グッドパッチの事業は、デザインパートナー事業(顧客から案件を受注)とデザインプラットフォーム事業(SaaSサービスを提供)の2つがあります。

デザイン人材の獲得では、デザイナーの新規採用と同時に既存の人材層を維持することで、スキル・品質の底上げを行い、デザイン組織全体の質と人数の両面を拡充します。
これにより、より多くの案件獲得を可能にするとともに提供品質の向上を可能にします!

これは主にデザインパートナー事業およびデザインプラットフォーム事業の「Goodpatch Anywhere」の成長を企図しています。

M&Aを通じた組織力の強化では、他企業の買収を通じて、プロダクト開発やマーケティング等の領域への拡大を図り、顧客企業のDXをさらに強力にサポートします!

これはグッドパッチが単なるデザイン会社ではなく、デザインを設計するにあたって、その製品開発のかなり上流部(アプリ設計など)から関わっていることに関係していると思います。
グッドパッチは、よりよいデザインを設計するため、その対象製品にかなり深く携わります。
その理由は、デザインを製品開発の末端部(デザインは製品開発が終わった後)ではなく、製品開発の流れの一つと考えているためです!

そのために、M&Aによって組織力を強化して、デザイン設計だけでなく、プロダクト開発やマーケティングなど、デザイン以外の分野でも顧客企業を強くサポートしようといった感じです!

また、発表資料では、海外でのコンサルティング会社やIT開発企業によるデザイン会社の買収を例に挙げて、グッドパッチもデザイン分野における強みを軸にして事業成長できる!と言っています。

最後に、SaaSサービスの拡充です。
現在グッドパッチは「Strap」というSaaSサービスを提供しています。
このサービスは、「リモートコラボレーションの可能性を広げるクラウドワークスペースで、リアルタイムで図解やテキスト情報の共同編集が可能となり、個人とチームの作業・コミュニケーションの効率化を促進する」というものです。
要は、離れていてもリアルタイムでデザイン編集の仕事ができるって感じですかね。

このようなサービスを提供していくことで、デザインパートナー事業とデザインプラットフォーム事業の事業間シナジーを追求します。

また、SaaSサービスの割合を増やすことで、収益基盤を安定化させる狙いがあるみたいです。

以上のように、グッドパッチは調達資金を活用するようです。

個人的には、この資金調達を機に、グッドパッチがさらに大きな会社になる未来を予想してるのですが、みなさんはどうでしょうか?

「ここの会社は公募増資するから株主を軽視してる!売りだ!」となりますか?

もちろん投資方法の違いもあると思いますが、個人的にここで売ってしまうのはもったいないなという印象です。

ここで、ひとつ!私が過去に経験した例で、おもしろい事例があるので紹介したいと思います!

グッドパッチと同じく、東証マザーズに上場しているマネーフォワード(3994)の例です!

4 マネーフォワードの例

2018年12月、マネーフォワードは海外募集による新株発行を行う公募増資を発表しました。

当時のマネーフォワードは、前年比で50%以上の増収を続ける、まさに成長中の会社でした。(現在もそうですが…)

マネーフォワードは、顧客獲得のための先行投資として積極的な広告宣伝を実施しており、その影響で毎期とも赤字が続いています。

公募増資は、成長投資の目的もありましたが、主に今までの赤字分を埋める目的が強かったように記憶しています。

その後のマネーフォワードの株価は大きく下落。現在の上場来安値となる2600円(株式分割前)にまで下落し、ネット上では「投資家は会社の財布じゃない」「赤字続きで投資家の金を溶かすだけの会社」などと大いに批判されていました。(これは確実に覚えています!)

そんなマネーフォワードでしたが、その後も着実に成長を続け、現在の株価は当時の4倍ほどにまで上昇。株式分割前ベースで、10,000円を超えたりもしています。

今思えば、公募増資のタイミングは絶好の買い場ですね。
短期的に見れば、株式価値を希薄化して株主を軽視しているように見えますが、よく考えてみれば会社の財務基盤を健全化していますし、しかも成長投資で収益基盤を強化しているので、将来にはプラスでしかないです。

グッドパッチの増資も同様です。
しかもグッドパッチは現在黒字で、財務基盤もしっかりしています。(自己資本比率は60%超)
それでいて、調達資金を成長投資に充てるので、グッドパッチの収益基盤はさらに強固なものになるんじゃないかなと思います。

黒字で財務基盤もしっかりしているのに増資するなんて、土屋社長もめちゃくちゃ攻めるなあ笑

5 長期で見れば買い!

私個人の考えは、グッドパッチは長期で見れば「買い」です!

おそらく今がビジネスを大きくする絶好の機会で、そのための増資だと思います!

個人的には、マネーフォワードの例がちらついているので、ここで絶対に保有株は売りません。

みなさんはこの公募増資をどう考えますか??


*グッドパッチのIRを基に記事を書いています。こちらも合わせてご覧ください。

↓↓グッドパッチIR(HPから)

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