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幸せの形

これは私の学生時代の時の親友Aくんのお話です。

Aくんとは幼稚園の時からの付き合いで私が住んでる区は大きく二つ幼稚園があって、私立と公立の幼稚園がありました。私とAくんは二人とも私立のほうに通っていて入園料とか服とか授業料とかいくらかは知りませんが高かったと母親が言ってました。Aくんは5人家族3人兄弟、長男、次男、三男の一番下の三男で上2人は公立の幼稚園に通っていました。

幼稚園の始業は朝8時半からだったのですが私とAくんは毎日早起きして8時に幼稚園に行き砂場をスコップで掘りまくってそこに水を流しその水がどこまで流れるかという遊びを毎日していたのを覚えています。私とAくんは家が近いというのもありましたし当時流行っていたポケモンのルビーサファイアを一緒にやったり、幼稚園では給食が出るのですが二人とも野菜が嫌いなので一緒に残して先生に怒られたりと共通点や趣味があったのもありとてもウマが合ういい友達でした

そこから小学生になりそこの小学校がとても規模がでかく全校生徒は1000人ほどいました。私の学年は150人前後くらいの人数でAくんとはクラスが分かれてしまい休み時間はクラスの友達といつもドッヂボールをしていたので学校の中で会うことは少なくなったものの一緒に帰ってそのまま家でポケモンしたりたまに公園いって遊んでいたりしました。

そんなAくんが様子がおかしくなったのは中学生の頃です。私は野球部に入りAくんは卓球部に入り学校が終わった後は部活の練習があるので一緒に遊ぶことはなくなりました。Aくんとの交流は学校でたまに顔合わして軽く会話したり、休みの日に私の母親とAくんの母親がご飯にいくのでそこに一緒にいった時にご飯を食べる程度になりました。

Aくんの母親はとてもプライドの高い人間でした。

小学校の時の通知表と違い中学ではテストの成績が順位で表示され公表こそされないものの"頭のいいやつ"と"頭の悪いやつ"に分けられます。私は小中と塾に通っていてそこの先生が優秀だったこともありテスト勉強は頑張らなくてもそこそこ点数をとれました。いつも120人中20〜30位くらいで数学だけはトップクラスだったのを覚えています。Aくんも塾に通っていたのですが成績は平均くらいで悪くはなかったと思います。

その頃くらいからご飯にいくたびに成績の話になりました。

A母「森くんはいつも成績優秀ね〜、それに比べてウチの子は本当にいつも情けない成績でもっと勉強させないと。」

私はその会話がとても嫌いでした。私自身学校の成績なんて全然気にしてなかったし母親とはいえ友達であるAくんの悪口を言われた感じがして全くいい気がしませんでした。Aくんの長男と次男は同じ工業高校に進学したのですが二人のことを"失敗作"と言ってました。

中間テストや期末テストのたびに点数や成績を比べられ学年が上がるにつれ高校の入試があるので"それ"はどんどんエスカレートしていきました。Aは大好きだったゲームを取り上げられ塾の回数は増え僕と遊ぶ時間もなくなっていきました。口数も少なくなり学校の休み時間もいつも勉強をしていたのでいじめられていたわけではないですが周りからはAはいつも勉強しててあんま喋らねぇし気持ち悪いよな、そんな事を聞いてました。

私は彼を救うためその頃流行ってたガンダムのゲームを誘いました、その頃覚えた麻雀も誘いました。ダメでした

高校に入り私は市の上から4番目の成績のとこ、Aくんは3番目のとこに入りました。その頃には交流もほとんどなくなっていたのですがそれを聞いて僕は勉強の成果が出たんだなと思いホッとして嬉しかったのを覚えています。

私と違いAは高校でもまじめに勉強を続け高校での成績も悪くなかったと聞きます。しかしAは大学受験に失敗しました。

Aは母親にこっぴどく叱られ留年してもう一年頑張るかそこそこの大学に進学をするかの選択になりそこそこの大学に進学をする選択をしました。大学では友達を作れず勉強ができなくなり中退をし今では実家で仕事もせずひきこもっています。

僕は高校を卒業した後上京し雀荘を転々としながら今はたまにセット麻雀やったりポーカーで遊んだりと好きなことばかりして過ごしています。Aにも自分が好きなことを自分の意思でやれる喜びを知ってほしかったと思っています。いい高校、いい大学、いいとこに就職をして昇進し結婚して家を買って……それが"普通"の幸せなのかもしれません。でもその幸せの形っていうのは自分自身、本人自身がどう思うか感じるかが大事だと思うからもし今父親母親でそんな考えを子供に押し付けてる人がいたらもう一度考え直してほしい。そうじゃない人ももし誰かの言いなりになってる人生だったら今一度自分が何をしたいのか、自分にとっての幸せとは何なのかを思いつめてほしいです。

ありがとうございました。

当サポートは誰でもウェルカム、分け隔てなどいたしませんっ…………