"PROJECT IM@S 2nd VISION"を振り返る⑩ 10周年を超えた765プロ

今回は10周年イヤーを終えたあとの765プロ(765AS・ミリオンライブ!)にフォーカスを当てて振り返ってみたい。

ミリオンライブ!の状況

初の武道館

2016年1月、ミリオンライブ!初のライブツアー「3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!」が開催された。仙台公演はアイマス初の東北地方でのライブとなり、千秋楽の幕張公演までに37名全員がライブ出演を果たした。
これまでの信号機(いちぽむ)が仕切る方式ではなく、各公演でリーダー制を設けるなど、37名一丸となってツアーを盛り上げた。
さらに、765AS楽曲のカバーコーナーも各公演で変わり、何が披露されるか分からない楽しさもこのツアーの見どころに。これは現在もミリオンのライブイベントの強みの一つだろうか。

そして、幕張公演で発表された「武道館LIVE開催決定!」にはやはり感慨深いものがあった。まさに「手作りのぶどーかん」である4thLIVEは、アイマス史上初の3days公演であるとともに、これまでのグリマスの集大成といえるライブとなった。Day3で「37名」が武道館に全員集合した姿…個人的には今でもミリオンライブ!最高の瞬間として記憶に残っている。

「グリマス」終了~ミリシタに続く

ライブイベントは盛り上がっていたものの、ゲームは中々奮わなかった。キャスティング投票イベント「THE@TER ACTIVITIES」や、狂気の塊といっていいドラマシアターコンテストの開催など、結構面白かったのだがアクティブ人数には繋がらなかった。

末期にはイベント参加人数が4桁となるなど低迷。遂には2018年3月に「グリマス」はサービス終了を遂げた。過去に「アイモバ」がサービス終了になっているが、1ブランドを構成する重要なゲームが終了したのは大きな衝撃であった。
その(実質的な)代替として登場したのが、前年の6月に登場した「ミリオンライブ!シアターデイズ」である。白石紬、桜守歌織の2人を加え、「39プロジェクト」として再始動。デレステ同様、3Dで歌って踊る姿はやはり魅力的で、今や6年以上とグリマスよりも長く続くコンテンツとなっている。

765PRO ALLSTARSの状況

気付いたら何も無い?

10周年イヤーを終えた2016年1月、765ASとしては新作ゲーム「プラチナスターズ」が発表された。PS4にアイマス新作が登場するのは実は2013年時点で発表されていたのだが、3年弱の月日を経て2016年7月に発売された。

OFAのグラフィックも秀逸だったが、プラチナスターズのグラフィックはそれを遥かに上回る出来であり、非常に期待度が高かった。しかし、蓋を開ければとんでもない虚無ゲーだったのである。翌年末には「ステラステージ」も発売されたのだが、改善は見られたもののやはりゲームとしては苦しい出来だったのは否定できない(楽曲は毎度良いだけに残念)。
ライブ面でも、これまで毎年周年ライブを開催していたのが嘘のように、2016年はまさかのライブイベントゼロである。久々に開催された大型イベント「PRODUCER MEETING 2017 765PRO ALLSTARS -Fun to the new vision!」も、企画や朗読劇は面白かったものの、「もうフルライブは無理なのかな…」という不安もあった。それはDay2の今井さんはじめ多くの皆さんが思っていたことだろう。この時期は、765ASはこのまま消滅するのではないか、というレベルで展開が少なかった。

765ASはまだやれる!

…そう思われていたのだが、2017年10月にはミリオンとの合同ライブ「HOTCHPOTCH FESTIV@L!!」に、2018年には2年半ぶりの単独フルライブとなった「初星宴舞」や「PRODUCER MEETING 2018 What is TOP!!!!!!!!!!!!!?」、さらにはMRライブと怒涛のライブ展開だった。

中でも「初星宴舞」はキャスト陣も思い出に残っているようで、2020年、765ASの単独ライブ中止の代替配信でも思い出の1曲として多くのキャストがこのライブの披露曲を挙げた。やはり765のライブはいいな…と思うとともに、この次の単独ライブがまさか4年半も後になろうとは、この時誰も思わなかっただろう。
765のライブは、プロミ2018で赤羽根さんが仰ったように「無敵感」が強く、上手い下手を超越した存在である。
765ASのアイドル達も他ブランドと変わらない1人のアイドルであることに違いは無い。ただ、アイマス、そして5ブランドを総括してくれる存在として765ASがいるのは非常に安心感がある。765ASはまだまだやっていけるという姿を3.0 VISIONでも見せて欲しいものだ。

おわりに

10周年を終えたアイマスは、この先の10年へ向けて変革を遂げようとしていた。ミリオン3rdツアー開幕となる名古屋公演の日をもって、ディレ1こと石原章弘氏はバンダイナムコを退職していることもその一つだろう。

石原氏は後にCygamesで「ウマ娘プリティーダービー」を生み、現所属のグッドスマイルカンパニーでは先日新作ゲーム「ストリームヒーロー!」を発表した。石原氏退職にあたり、上記ブログで坂上陽三総合プロデューサー(当時)も言葉を綴っているが、2023年にはその坂上氏自身も総合プロデューサーを退任。古き良き765を知る存在も僅かとなったように思うが、どのブランドも欠けることなく、「5ブランド」で3.0 VISIONを盛り上げていってもらいたい。
次回はその5ブランドの末っ子、シャニマスについて触れていく。

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