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頑固就活生の譲れない田舎暮らし

①私のわがまま就活について
②自己PRを通じて学んだこと

私の譲れない条件は「働き方の柔軟性」でしたが、それ以外でも、これは譲れない!という条件がある方に勇気を与えるような、寄り添えている文章になっているといいなと願っています。

私のわがまま就活について

好きなもの:文学・芸術・裁縫・植物と動物の世話
嫌いなもの:人混み
ご覧の通り、私はインドア派の極みのような人間です。大学進学をきっかけに上京しましたが、東京の人混みに肉体も精神も疲れ切ってしまい、ほとんど自分のワンルームから出ることなく4年間を過ごしました。
就活の話を友達とすると、「就職!?正社員無理でしょ〜満員電車耐えられるの〜?」と必ず言われるほど、私は世捨て人のような生活をしていました。
そんな私の中で、就活をする前から心に決めていた条件が1つありました。
「リモートワーク可能な会社に入る」

私の就活はこれに始まりこれに終わったと言っても過言ではないほど、このキーワードがあらゆる行動の軸となっていました。
なぜこのようなわがまま就活をすることになったのか、もう少し細かく説明したいと思います。
私は関東圏内の田舎で生まれ育ち、電車や人混みと縁のない生活をしてきました。よもぎを自分たちで摘んでよもぎ団子をこねたり、動物をたくさん飼ったり、湖で昼寝をしたり…こうした生活を送ってきた私にとって、将来の暮らしを考えると、子供時代に過ごしてきた生活を再現することが最も理想的であることは間違いありませんでした。そして、さらに東京で苦行の4年間を過ごした結果、こうしてぼんやりと思い描いていた理想像は、確固たるものへと変わっていきました。
就活ではよく「〇〇年後にどんな人になっていたいですか?」という質問をもとに自己分析をすることがありますが、私にとってその質問は、私を就活から最も遠い場所へと導いてしまいました。
「私の夢は、緑の濃い田舎で、小さくて可愛らしく清潔なコテージに住むことです。」
…寝言言ってんの?
とツッコまれるような夢ですが、本気です…
これに最も近い生活をするにはどうしたらいいのか?と考えた場合、田舎に住みながら働くという選択肢しか残っていませんでした!
なぜ田舎で就職しないのか?という質問が浮かぶと思いますが、実は一度地方で就活をしてみました。ですが、私が受けた企業の体制が旧態依然であり、あまりにも時代錯誤な価値観を持っていて、おまけに給与が低かったため、正直これならフリーターでアルバイトを掛け持ちしたほうがまだ良いだろうと感じてしまいました。
また、数年間都内で経験を積んで、お金を貯めて、田舎に戻るという選択もたくさんの方に提案されました。しかし、私はいつか夢を叶えるために人生の数年間を犠牲にするという選択肢はなるべく選びたくありませんでした。自分の時間や労力を使う対象について、私はとても頑固です。やりたいことをしていない時間は生きている意味がないと感じます。毎週5日間、起きている時間のほとんどを仕事に費やす生活を50年間続けると考えた場合、それを嫌いな場所でこなすことは絶対に嫌だと思いました。たとえ理想型の30%くらいでもいいから、夢を実現しながら生きていたいのです。そこで、関東圏内の地元からリモートワーク中心で働くことを計画し、本格的に就活を始めました。
inteeのメンターさんと初めてお話した時には「田舎に住みたいです!リモートワーク中心の企業を教えてください!」と正直に自分の要望をお伝えし、働き方の柔軟性がある職場としてIT系が良いのではないかと提案していただきました。IT系はリモートワークの環境整備に優先的に取り組んでいる可能性が高いためです。また、ITはそもそも無駄を軽減するために使われるアイテムなので、仕事の非効率的な作業や、理不尽なルールなどを排除する傾向がある点も、私の性質に合っていると感じました。それからは主にIT企業の説明会に参加していきました。
しかし、私のわがままはリモートワークだけにはとどまりませんでした。働く上で、もうひとつ気になることがありました。
「自分のためになる仕事内容なのか」
先ほども言った通り、正社員で働くということは、毎日太陽が出ている間の時間を全て仕事に費やすことを意味します。そう考えると、自分が全く関心のない作業のために人生を消費していくわけにはいかないと感じました。
何が自分のためになるのか、という問いの回答は人によって様々で、「ためになる」という言葉が持つ意味も人それぞれだと思います。この時の私にとっては、自分がこれまで培ってきた言語能力を維持する/伸ばすことだと考えました。なぜなら、自分が何に喜びを感じて、どんなことのために頑張れるのか、ということを振り返って自己分析した際、私は言葉にこだわりを持って地道に最適な文章を生み出すことに幸せとやる気を感じていたことに気が付いたからです。大学では英文学を勉強してきましたが、英語での読解や翻訳を通し、何度も推敲を重ねて完璧なものを作り上げる、その地道な試行錯誤の過程に喜びを感じてきました。そして、言葉を自由自在に操ることへの憧れを持っていました。そこで、こうした私の特技を、ビジネスという分野でもさらに伸ばしていくことで、お仕事を頑張るモチベーションに繋がるのではないかと考えました。こうしてIT企業の中でも、海外向けの事業を行っている企業や、国際関係のお仕事をしている企業を重点的にリサーチしていきました。就職先の絞り方は、業界、職種など人それぞれですが、私の場合は、「柔軟な働き方を認めているかどうか」、「英語を活かせるかどうか」が基準となりました。

自己PRを通じて学んだこと

面接で最初に答えることの多い「自己PR」ですが、自分の魅力を分析し、言語化するプロセスを通じて、私は自分の言語能力の未熟さを実感することとなりました。就活は辛いですが、このプロセスを体験したことによって脳みそを鍛えられたので、真面目に取り組んで良かったと今は感じています。
ここからは、実際に自分の自己PRを確立するまでに経たプロセスについて、もう少し詳しく書いていきたいと思います。

私は運動部に所属したことがなく、インターンにも参加したことがなかったので、一般的に就活で有利だと思えるような武器を持っていませんでした。したがって、そうした学生とは少し異なる方法で自分の特徴をアピールしていかなければならないと感じました。そこで、自己分析してみた結果、自分の特性は「趣味の多さ」だと考えました。少し気になるものがあれば挑戦してみて、ゆるく長く続けることで深掘りし、自分のものにしていく過程自体がとても好きで、得意であると気が付きました。
こんな甘ったれた私ですが、東京での外出が嫌いすぎたあまり、大学4年間を通じて室内で出来るあらゆる趣味を制覇していました。
たとえば、大学では服飾の学生団体でデザイナーとして服作りを学び、家でも制作を続けていました。自分の欲しい服が見つからないことに不満を感じて、大学に通いながら服飾の専門学校に通って服作りを1から学びました。今では写真を見せてもらえればその服を再現できるくらいの技術を身につけることができました。
また、自分の気になる分野の勉強は徹底的に知り尽くしたいという思いがあり、ゼミを同時に3つ並行して受けていました。外に出ない分、勉強がはかどり、日本ではまだ研究している人の少ない作家や作品を発掘することもできました。
悪く言えば、私は嫌いなものから逃げてきました…
ですが、私は自分の欲望に忠実で頑固であるゆえに、欲しいものを手に入れるためなら努力を惜しまない人間になることができました。私が培ってきた服作りの技術やお勉強の知識は、頑固さをあえて直さずしぶとく生きてきた結果手に入れたものなのです!笑
はじめはこうした自分の特徴をうまく説明できず、何度もメンターさんに相談しました。たとえば、自己PRの内容について悩み、「私はこれが得意だけど、これは不得意だ」と相談した際には「それは言い方次第だね」と仰り、巧みな言葉遣いで私の長所と短所をいい感じにまとめて、就活生の回答風に再現してくださり、その瞬発力と語彙力に何度も感動しました…
いつもなるべく正直に、真面目に面接でお話させていただく。だけど、関心を持っていただけるよう、2〜3個のツッコミどころを置いていくような感覚で、特徴的なエピソードを準備するようにしていました。
私がいつも面接の自己紹介で話していたことはこんな感じです。
「〇〇大〇〇学部の〇〇です。
私は計画的な野心家です。高い理想を持ちますが、それを必ず現実にするためにあらゆる方法を試し、試行錯誤を楽しむことができます。
大学では、勉強と趣味の両方を極めてきました。
勉強面ではゼミを3つ同時に受け、学会発表も行いました。趣味の面では、大学に通いながら服飾の専門学校に通い、服作りを1から学びました。最近は、未だ挑戦したことのなかったきのこの栽培を始めました。」
このようにエピソードを散らしておけば、「ゼミ、服作り、きのこ」などのワードが頭に残り、その中から面接官が気になったことを質問してくれるので、誰でも使えるレトリックではないかと思います。
このような感じで、わがままな条件付きの就活をしましたが、無事に希望していたIT企業から内定をいただくことができました。3つの企業で迷いましたが、最終面接や面談を通じて、「柔軟な働き方が出来るのかどうか」という点を徹底的に深掘りさせていただき、自分が続けられそうな企業を選択しました。
私は自分のこだわりを頑なに守ると決意した分、就活を一生懸命やるつもりでした。わがままを叶えるためには、それに見合う努力が必要だからです。でも、これを頑張ればわがままを叶えられる!と思えば、いくらでも努力できちゃうものです。いつも等身大でいることを大切にしつつ、面白がってもらえるような自分の中の魅力をうまく説明できるように、言葉選びを研究しました。また、嘘や矛盾がないように、何度も思考を整理していました。この過程は、論理的に考える方法や、瞬発力、相手に伝わりやすい説明の仕方など、自分に足りていなかった部分を鍛えてくれました。社会に出る前のこの時期にこの体験をすることができて、本当に良かったと感じています。そして、私のように、やりたいこととやりたくないことがはっきりしている方がいれば、その頑固さを活かして就活の研究を徹底することで、理想を叶えられるのではないかと感じます。
就活は自信をなくすことの連続かと思いますが、きちんとやればその分いつのまにか成長しているし、精一杯頑張っていればいつのまにか終わります!自分の気持ちを大切にして、無理せず頑張ってください。


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