在宅勤務と洋服の話

3月になって、世界は様変わりした。

新型コロナウイルス感染拡大防止のために、在宅勤務や時差出勤が推奨された。通勤で乗る満員電車も、毎日の生活も、未知の恐怖に、不安でいっぱいだった。

会社の方針で会食や歓送迎会が禁止される直前に「最後の晩餐かもしれないね」と言いながら開催したささやかな送別会は、本当に最後の晩餐になった。その翌週から原則在宅勤務になって、もう3ヶ月も経つ。

結論から言うと、在宅勤務はやってみたら大きな問題はなかった。ミーティングはウェブで事足りるし、元々ペーパーレスだから不便はなかった。

でも、不安とともに毎日家から出ない生活になって、メイクをしない、髪も切りに行けない、一日中部屋着で過ごしたら、働くモチベーションの一部が失われた。

なければないで面倒がなくていいんだけど、新しい服を買ったり、オシャレをするということは、意外にも大切なことだったらしい。日常生活の厚みを増してくれる大切な要素だった。「この服買ったから仕事頑張ろう!」といいお洋服が仕事へのはずみにもなっていた。

今はそれがない分、内面を磨いたり、部屋をオシャレに整えたり、料理に時間をかけたり。自宅での可処分時間が増えたことは、間違いなく自分の生活の幅を広げてくれたのだけど、服はユニクロの部屋着しか増えていない。

季節は春を飛び越えて夏になったけど、夏のお洋服の買い物にいっても、まだ手が伸びない。着るかな?と思って買うのを躊躇してしまう。

今年の夏物は着る機会が少ないかもしれないから、吟味して、いいものだけを買おうかな。


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