巡る運命2
教会から実家へ逃げ帰ったわたしは
従姉の紹介で内定をもらった職場で働くことになっていたのだが
母が私の私物から教祖の写真と教会の本を見つけ
すべてが明るみに出る。
仕事を紹介してくれた従姉と叔父の顔をつぶしてはまずいからと
父と私は叔父の家を訪れ、事情をすべて話した。
叔父は事情を知ったうえで
予定通り働いてもらって構わないと言ってくれた。
自宅の駐車場に着くと
父は「情けない」と言って涙を流した。
父の涙を見たのはあれが最初で最後だ。
自分が入信すれば一族を救える
そう信じて取った行動が
一番喜んでほしかったはずの人を悲しませた。
私は選択を間違えてしまったのだ。
24年前に切り離した自分をむかえに行った。
わたしは 自分の選択 生き方を 尊重します
わたしは お人好しで不器用にしか生きられない自分を受容し
これからも生きていくしかないのだから。
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