創作世界観の性別のお話。

オリジナルの世界を作る

 突然ですが、ここ数年地道に作ってきた世界があります。実際の平安時代をモデルにした、有職の色で戦う検非違使(仮)の話。ちなみに刀剣乱舞とは何の関係もありません。
 きちんとした物語にするつもりはあまりなく、ただオリジナルの世界を作りたいという動機で考えているのでヤマもオチもありません。
 でも設定はきちんとしたいんですよね。少なくとも自分で気づく程度の矛盾は潰したい。その過程で今行き詰まっています。以下はただのメモ書きです。
 どういう問題が生じているかについて早速書きたいところですが、一旦この世界の概要を自分のためにまとめておきたいと思います。

大まかな設定

 先に述べた通り、平安時代をモデルとした、色を使って戦うお話です。戦うと言っても、肉体的なバトルだけではなく呪術的な戦いもありますし、なんなら平和なときに宮中の儀式のために力を使ったりもします。
 主要な登場人物は血統又は偶発的先天的な理由で「色持ち」となります。「色持ち」は一人一つの色を有しており、それに起因した能力で戦うことができます。
 主な任務は人の精神を蝕む「墨染」を浄化すること。「墨染」はどろどろとした実態のあるような無いような怪物です。隅っこに吹き溜まります。時々人の傍に現れて、その人間の精神を蝕みます。安直に言うと、鬱状態に引きずり込みます。
 「墨染」は人間が生むものなのですが、それはさておき、これがあまり増えるとどんどん人々の精神が侵されていくので、適宜これを排除します。これをするのが「色持ち」達です。

 「色持ち」は貴族の血統から生まれる場合と、庶民から偶発的に生まれる場合があります。主人公(仮)は後者です。
 「色持ち」達は「裏の都(仮)」に住んでいます。日本の中にあって日本の裏にある世界です。方法さえ分かれば現世と自由に行き来できます。「色持ち」について知っているのは、基本的に現世の王家と「裏の都」の人間だけです。
 貴族の「色持ち」は生まれた時点で「裏の都」に住んでいるので、すぐに能力が分かります。しかし現世に生まれた庶民の「色持ち」は、その概念が現世に知られていないがために自分の能力を知ることができません。なので「裏の都」の官人がこのような「色持ち」を「裏の都」へ連れて来ます。
 主人公は現世の庶民出身です。何も知らない彼は、14,5ぐらいのときに「裏の都」へ行くことになります。

 大体はこんな感じです。ここから問題が生じている性別についてもざっくり説明します。

性別の設定

 まず、所謂男女の概念は「裏の都」にはありません。
 理由は私が我儘だからです。単純に好みの問題で女体を登場させたくなくてこういうことになりました。そしてこの無駄なこだわりが諸問題の原因です。
 ここでの性別は「陰陽」「(六十)干支」で決まります。
・戦闘向きの色持ちである「陽」⇔呪術向きの色持ちである「陰」
・体の性別が女の「子」⇔体の性別が男の「馬」
 体の性別に関わらず、「陽」は男装、「陰」は女装をします。また、見た目が男でも「陰」なら女性に対する呼び方をします。(例:「姉さん」「妹」)
 そして干支ですが、これはグラデーション的なもので、「子」に寄るほど見た目が女性的で、「馬」に寄るほど見た目が男性的です。

性別問題

 以上の状況で生じてくるのが、干支の性別と生殖機能の問題です。
 見た目に男性寄り女性寄りがあるということは、体の構造も男性寄り女性寄りがあるということ。これをどう落とし込むかで行き詰まっています。
 いっそのこと「裏の都」で世界を完結させるなら、そういう曖昧な性別を持った新人類ということで片付けられます。
 しかし主人公はもともと現世、つまり私たちが住む世界と基本同じ構造の世界の住人です。もちろん体の性別も基本的に「男女」で分けられる世界に生きていた人間です。「裏の都」の「色持ち」の性別を主人公のような現世の「色持ち」にも適用させるとなると、彼らも曖昧な性別を持っているということになります。普通に考えて、こんな不思議な性別を持っている人間が現世で普通に生きられるはずがありません。変に浮いてしまうことになります。

 まあ、浮いてしまっても良いことには良いのです。しかし「色持ち」であることの証明が体の構造の違いになるのは嫌なんです。あくまで能力によって「色持ち」か否かを見分けることにしたい。
 そして、「裏の都」の人間がまるで宇宙人のような存在になることは避けたい。あくまで彼らも日本人です。
 どうしよ。

 今の時点で思いつくのは、
①現世にも曖昧な性別を適用させる。
②主人公を含む「色持ち」の性別が曖昧である点をゴリ押し、主人公ら現世の「色持ち」は体に違和感を覚えながら生きていることにする。
 という方法です。

 しかし①だと、物語の本質が変わってしまうような気がします。「色」が主題なのに、まるで性別が主題かのようになってしまう。だって主人公は自分が「色持ち」もしくは何らかの能力を持った人間だということよりも前に、自分の体の奇妙さに気づくでしょうから。
 「裏の都」の使者から「あなたは色持ちですよ」なんて言われたとしても、「いやそれよりもこの体の方が問題なんだよ」となりかねません。性別の方が現実的な問題ですし。

 そして②だと、理由は詳しく述べませんが現世の「色持ち」のほとんどが男性と自認することになります。
 それが悪いとは言いませんが、男に偏りすぎるのもどうなんだという気も。体と気持ちの性別が食い違うという状況は避けられません。別にジェンダーについて描きたいというわけではないので、そこに深く突っ込みたくはないのですが。

まとめ?

 でも書いているうちに②でいい気もしてきました……。というか①がなさすぎて②にならざるを得ないというか。
 どうすればいいんですか(投げやり)

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