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レンズ分解清掃にチャレンジ SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC HSM

Kマウント用SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC HSMを落札


※落札トラブルの記事を飛ばしたい方は、目次「カビ玉レンズの扱い」まで飛んでください。

PENTAX K30とK-S2には単焦点で21mm,35mm,50mmを揃えたのですが、やはり明るいズームレンズが欲しいところです。そこでヤフオク!でサーチをしたところ一円スタートでそこそ良品っぽいSIGMA 17-50mm F2.8 EX DC HSM があったので、出品終了間際に入札し落札しました。

説明では 
状態 目立った汚れ傷なし
AF可能、レンズはきれいに見えます
中古品のため、傷や汚れがある場合があります、写真をみて判断してください
ノークレーム、ノーリターン、返品、返金は一切受け付けない

とのことで、この出品者はそれなりにカメラ関連を扱っており、写真からはレンズに傷やコーティングの剥がれ、カビが生えていることは確認できなかったので、落札したのですが開封一番、「前玉内部にカビ生えているじゃん!」とはっきり目視できるものが送られてきました。そのほかは特に問題はなかったのですがねえ。

説明文と異なりカビが生えていた!


いくら、ノークレーム・ノーリターンと謳っていても、説明内容と異なる品質のものだったので、取引連絡で返品が可能か連絡をとりました。

中心から下に糸屑状のものが見えます

レンズ内の埃やチリ程度なら我慢できますが、カビはレンズの品質を下げるものですからね。取引連絡するも、10日間全く返信なし。ヤフオクカスタマーセンターに問い合わせたところ、先方に連絡を促したらしく返答は来たのですが、「送った時カビは生えていなかった、返品・返金には応じない!」とのこと。

人によって、カビは傷や汚れ程度と考えている人もいますが、出品者はカビは無かったとの返答で、本当に確認ミスで出品しているのならこちらの指摘を確認するため、取引連絡に応じても良いはずです。また、初心者であれば「すみませんでした」と返品に応じると思うのですが、転売目的か、故意にカビがついていたものを分かっていても説明文に記載せず出品、落札逃げ切りを狙ったとしか思えません。落札後、受け取り連絡しなくても二週間ぐらいで自動入金されるシステムなので、しらばっくれて逃げ切りを狙っていたのかもしれません。評価も過去に3件ばかり悪いがありましたが、連絡に応じない、記載されているものと異なった品質という感じでした。致し方なく、商品受け取りし相手に評価悪いをつけたら、相手は私に非常に悪いと付けてきましたがね!

商品満足サポート


ヤフオクには商品満足サポートというものがあり、送られてきたものが破損している、品質が異なるなどあった場合、Paypayポイント1万Pを上限にお見舞いPが付与されるシステムがあります。今回申請して受理されたのですが、その申請は本人確認できているか、かんたん決済で取引されているか、現物はあるかなどの要件を満たし、単純に取引IDと申請理由を選ぶ5項目と写真を一枚貼るだけの簡単なも。逆に詳細に申請理由を伝えたい場合、問題箇所の写真を数枚貼りたいということができないのが「本当にこれで審査可能なの?」と考えてしました。今回はレンズ内のカビが生えている写真をしっかり撮影できたのだけど、写真一枚じゃうまく問題点を伝えられないんじゃないかな?
受理されると、相手にも通達がいくので、公式的に「あなたの出品は説明文と送った物は品質は異なるものでしたよ!」と連絡が行ったわけです。まあ、反省はしていないようで転売的なことを続けているようです。

オークション・中古品の個人取引は注意が必要


まあ、これからはノークレーム・ノーリターンと記載している出品者は注意しないといけませんね。であればジャンクと記載、しっかりと「レンズ内にカビが生えています」「後ろ玉に傷があります」とマイナスポイントを記載されている方の方が安心できます。私が出品する時は基本、初期不良のみ返品可能、問題がある時は受領前に連絡をしてください、と明記しています。

カビ玉レンズの扱い


さあて、カビ玉SIGMA 17-50mmをどうするか?レンズモーター音も静かで写りも良さそうなので、活用したいところです。ダメ元で分解清掃ができないか試みることにしました。たいていポピュラーなレンズの分解洗浄方法はブログや動画でアップされているのですが、こちらのレンズは見当たらない、、、。他の似たようなレンズの記事を参考に前玉分解清掃スタートしました。

第一歩はレンズシールリングを剥がすこと

レンズを取り巻く縁は、両面テープで貼っているようなプラのシールです。

まずレンズを縁取るシール部分ですが、ピンセットや精密マイナスドライバーで持ち上げ、両面テープで貼られているものを剥がしていきました。ただし最初引き上げたところはブチ!っと切れてしまいました。

メーカーに修理を出す時は、こちらは交換されるんでしょうね。

実はマイナスドライバーを入れることができる溝部分があったのですが、見逃してしまいました。このレンズシールリングはもう再利用できないでしょうね。

シールを無理やり精密ドライバーで繰り出して剥がした。

作業中、ドライバーなどで全玉を傷つけたら元もこうもありませんから、慎重に行いました。

ネジを取り外す


開けると、ネジ留め箇所が6個ありました。

2つは短いネジで外しやすかったのですが、残りの4つは長く外しにくかったです。あまり精度のよくないプラスドライバーで回していたら、ネジがなめてきてしまいました。そこで、無水アルコールをシリンジ入れ、

少量かけてネジ周りがよくして、ドライバーも新調したものを使用してなんとか取りはずことができました。ネジを外すごとに写真を撮っておきました。後で取り付ける時に長短ネジの位置を間違えないようにです。

すると、プラリングカバーが外れ、

前玉がずん!と鎮座しているユニットがあらわになりました。

これ以上外れないのかな?と思いましたが、横からマイナスドライバーで押し上げると、クイっと外れました。

ユニットと鏡体の間にはプラスチックの薄いリングが2枚重ねてありました。部品の汎用性・型合わせに使っているのでしょうかね。

前玉、カビの除去


前玉の内側を見ると、はっきりとカビちゃんがいるのを確認できました!

無水アルコールで洗浄、シルボン紙で拭き取り、最後はメガネ用クロスで丁寧に拭き取りました。合わせてほこりも吹き飛ばしきれいにしました。

元に戻す


あとは、分解の逆を辿って薄いリング、前玉、プラリングをつけねじ止めです。ただし、写真を見ながらでもなかなかネジ穴を全て合わせることができず試行錯誤して、

その間レンズが一回手を滑らせて落下するアクシデントもあり、ヒヤヒヤ。

正面から見るとレンズ名が記載されたシールリングがないため無骨になってしまいましたが、まあ撮影には問題がないので、よしとしましょう。

プロテクターをつければ問題なし。

今回は前玉だったので、なんとかなりましたが、中玉、後ろ玉の場合、さらに分解、電子接点のあるレンズは配線や基盤を考慮して対応する必要があるため、より慎重に扱う必要がありますね。私は電子接点付きのレンズを分解して2個ダメにした失敗があります・・・。

せっかく直したので、活用していきましょうね!



少しでもお役に立てられ、気に入っていただければありがたいです!