0804｜小さなお店｜その１

2021年8月4日 23:18

神戸の花隈、JR神戸線のすぐ北側の通りで元町駅と神戸駅の間くらいにカフェハルという喫茶店がある。

間口は小さめで奥に長く、一階に少し高めのカウンター、選べるコーヒーカップがずらっと棚に並ぶ。奥にあるやや急な階段を上がったお二階は窓辺のテーブル席。ちょっぴりレトロなこのお店はオーナー千穂ちゃんのお祖母さんが昔、美容室をしていた場所だったそう。

六甲山の麓に住んで、商都大阪で堺商人の下で働いてた頃、ふと通りかかって、そのうち通うようになったお店。わたしは当時、珈琲はほぼ飲めなくてごくたまに、大抵はチャイか紅茶か。場の雰囲気や関西弁の気軽さも手伝って、同い年のオーナーや、カウンターに居合わせた神戸ローカルの方々とのおしゃべりが楽しかった。

あるとき、そのカフェに占い師だったか見える人が来ることがあって、観てもらうことにした。何をメインで訊いたかはとうに忘れた。ただ、最後に付け加える感じで「カフェとかお店とかやってみたいんですよね」と尋ねた。「うん、できると思う。木の感じで、ここみたいにあんまり流行ってないかんじのお店」っておいおいw

そんなことさえ忘れた頃に小さなお店をする機会がやってきた。

（つづく）

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