30日完成小論文ドリル（看護医療編）
使い方・特徴
まったく小論文に触れていない状態からはじめて、大学入試の小論文試験に対応できるだけの力を30日でつけるためのドリルです。
対象は高校3年生を想定していますが、高校2年生、1年生、もしくは中学生から始めても全く問題ありません、
対応する問題形式は、テーマ型・課題文型・図表型です。理数系の問題を含む総合問題には対応していないのでご注意ください。
入試形式としては、一般入試はもとより、学校推薦型選抜および総合型選抜に対応しています。
PDFファイルをダウンロードしたうえで印刷し、ご使用ください。サイズはB5が最適です。
第1章「小論文」をはじめよう
テーマ1 「小論文」を考えよう
問1 次の課題文を読んで、あとの設問に答えなさい。
［課題文］
医療従事者のケアにはいくつかの問題点が存在します。まず、時間とリソースの制約があることが挙げられます。医療現場では、忙しいスケジュールや多くの患者への対応が求められるため、個々の患者に十分な時間と注意を向けることが難しいことがあります。これにより、患者のニーズを見落としてしまったり、感情的なサポートが不足したりする可能性があります。
さらに、医療従事者自身の負担やストレスも問題となります。医療現場では、高い責任やプレッシャーがかかり、長時間の勤務や過労が起こることがあります。これにより、医療従事者のケアの在り方に影響が及び、疲弊や倦怠感が生じる可能性があります。自己ケアやメンタルヘルスのサポートが不十分な場合、医療従事者のパフォーマンスや意欲が低下し、ケアの質に影響が出ることが懸念されます。
最後に、文化や言語の違いによるコミュニケーションの困難さも問題となります。多文化社会では、患者や家族の文化的な背景や言語の違いが存在します。これにより、適切なコミュニケーションや文化的な配慮が求められますが、医療従事者がそれに対応する準備やトレーニングを受けていない場合、コミュニケーションの障壁が生じ、ケアの質が低下することがあります。
［設問］
課題文に示されている「医療従事者のケア」に関わる問題について、解決策を200字程度で述べなさい。
▶類題：群馬大・東京医科歯科大
➡ ×NG答案
❶問題点を解決するには、医療従事者のケアの在り方に関する継続的な教育とトレーニングを提供する。❷また、医療現場での負担を軽減し、効果的なチームワークやサポートシステムを構築することと、文化的な敏感さと多様性に対する理解を高めるための取り組みも重要だ。❸医療従事者のケアの在り方の向上が、患者の満足度や安全性の向上で繋がり、より良い医療を提供する。（173字）
まずは［×NG答案］の間違いがあるか探してみましょう！！すべて挙げてください。
😥NGポイント
❶「問題点を解決するには…トレーニングを提供する。」とありますが、「誰が（何が）トレーニングを提供する」のかが不明です。これを「主語・述語の不一致」と呼びます。
❸「医療従事者のケアの在り方の向上が…医療を提供します。」とありますが、これも「主語・述語の不一致」です。主体を明確に示すことが小論文では重要です。
➡ ○改善答案
問題点を解決するためには、組織や教育機関が医療従事者のケアの在り方に関する継続的な教育とトレーニングを提供することが重要である。また、医療現場での負担を軽減し、効果的なチームワークやサポートシステムを構築することも求められる。さらに、文化的な敏感さと多様性に対する理解を高めるための取り組みも重要だ。医療従事者のケアの在り方の向上は、患者の満足度や安全性の向上に繋がり、より良い医療を提供するための重要な要素となる。（208字）
😮今日の豆知識
医療従事者に求められるケアの在り方は、患者の健康と福祉を最優先に考え、個別のニーズに応じた総合的な支援を提供することです。患者を尊重し、信頼関係を築きながら、感情的なサポートや情報の提供を行うことが重要です。また、コミュニケーションスキルや共感力を駆使し、患者と家族との協力関係を構築することも求められます。
✅今日のポイント
主体を明確に示すことが小論文では重要
皆さまのサポートで、古今東西の書物を読み、よりよい菊池になりたいと思っております。