10年越しのフェルマーの最終定理
「何時にどこ集合にしようか。」
「20時30分、宇都宮東口しよう。」
「うん。わかった~。」
「久しぶりだね。〇〇くん、元気だった?」
「うん。元気だったよ。」
「到着は22時半くらいかな~。」
「うん、そうだね。」
当時、私は入社1年目か2年目で、宇都宮に住んでいた。
大学生まで関西だったので、まさか、新幹線から新幹線を乗り継いで実家に帰る場所で働くなんて思ってもみなかった。
その日は、社外の”友達”である”彼”と、共通の友人に会いに行く日だった。
数学好きな彼。
話し方は、いつも、いつだって、ちょっぴしモゾモゾしてた。
複数人で遊んでいても、決して目立つわけじゃなく、
いつも、いつだって、控えめだった。そして、穏やかだった。
彼との会話のスタートを切るのは、いつも、いつだって、私だった。
宇都宮を出発して、高速にすぐのり、暗い道のりが続く中、
最近の近況を報告しあったり、
それはもう思い出せないくらい、たわいも無い、話をしてた。
だけど、ひとつだけ、鮮明に、覚えている話がある。
「フェルマーの最終定理って知ってる?」
彼との会話のスタートを切るのは、いつも、いつだって私だった。
その日だって、そうだった。
だけど「フェルマーの最終定理」は違ってた。
口数少ない彼が、控えめだけど、それは、いつもより確実に控えめじゃないトーンで、フェルマーの最終定理について、たくさんたくさん話してくれた。
フェルマーの定理を解く為に人生を費やした数学者たちの物語。
ずっと、聞いていたいと思うくらい、
終わらないで欲しいと思うくらい、
本当に、本当に、彼の話を聞いているのが楽しかった。
「次の信号を曲がると、もう着くね」
「お家ついたら、話の続き聞かせて」
「全部事つぶさに話しちゃうと、本読んだとき面白くないよ。どうする?」
「じゃぁ、続きは、本買って読むね。」
と言って、気づいたら10年が過ぎ、外出自粛中、ようやく手に取り一気に読み終えたのが、今日。
感想は。
数学者は、
愛すべき変態で、
ちょいちょい性格悪くて、
でも、めっちゃ最高!
でした。以上。
えっ、それだけ?
ってか、前半部分、いる?
最後の4行だけで良くない?
いやいやいやいや、、、、、違うねん、違うねん、違うねん。
私にとって、フェルマーの最終定理数学ロマンは、
彼との入り口含めなんです!
そこんとこ、宜しく\(^o^)/
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