松下洸平RandMEツアー2024記録⑥東京2days&総括:7000人が酔いしれたファイナル
1,はじめに
松下洸平さんの全国ライブツアー「KOUHEI MATSUSHITA LIVE TOUR 2024~R&ME(松下洸平RandMEツアー2024)」は3月14日、ついにファイナルを迎えた。1月の神奈川公演を皮切りにこれまでで最大規模となる12カ所計14公演を行い、最後の会場は7000人規模の東京ガーデンシアターで2dayで、両日とも満員となった。
約40000人を動員した今回のライブツアー。アルバム「R&ME」をひっさげて洸平さんのルーツであるR&Bの世界を美しい歌声やパフォーマンスで存分に披露し、アーティスト松下洸平として、R&Bシンガーとして、多くの音楽関係者にも伝えることができたであろうし、次の音楽活動につながることは間違いないだろう。何よりも、40000人動員のツアーを成功裏に収めたことは洸平さん自身の自信になっただろう。
また今回は、コロナ禍以降はじめてライブでの声出しがOKとなり、コール&レスポンスが可能となったツアーだった。多くの観客の「声を聴かせて」と願ってきた洸平さんは、再メジャーデビュー後はじめて、観客の声を聴き、一緒に歌うことが叶った。本当に嬉しそうに幸せそうにステージに立っていた。
洸平さんのライブの様子はWEB記事に詳しく掲載されるようになった。それでも私が記録を残すのは、これまでのライブの軌跡や今回の選曲の理由の推理、洸平さんの反応の意味、会場の様子など、ファンだからこそわかり、書ける部分があると思っているからだ。
私は初日とファイナルを含む8公演に参加した。ここではまず、8公演を見た感想・総括を記す。
次にファイナルでのトピックを記録しておく。ファイナルは配信されアーカイブもあり、おそらくライブディスクとして発売されるだろうから、詳細な記録はここには掲載しない(もしディスク販売がないという事態になれば、改めて加筆しようと思う)。
最後に、東京day1のトピックを記す。
※いつもながら超長いので、読みたい部分に目次から飛んでください
※他の6公演の記録も含めKiki’s Roomのマガジンにまとめてあります ↓↓
2,ライブ総括
〇40000人動員までの軌跡
洸平さんは2008年に「洸平」名義でシンガーソングライターとしてデビューした後、俳優業に専念していた約10年間も、ほぼ年に1回ペースでファンを対象とした小規模のライブを続けていた。その音楽活動が一気に拡大したのは、2019年から2020年にかけて放送された朝ドラ「スカーレット」でお茶の間に広く知られるようになった後だ。2020年に「HEART」というライブを東京と大阪で計4公演企画しチケットは即完売だったが、コロナ禍により中止となった。その翌年の2021年、ライブツアー「HEART TO HEART」(東京、大阪、名古屋)を開催。その初日である東京・品川公演では、キャパ700人のところをコロナ禍による50%収容制限のため約300人の観客を前に歌った。それでも当時は、(単独公演では)それまでで一番多くの人の前で歌ったわけで、洸平さんはとても幸せそうで、相棒のカンちゃん(カンノケンタロウさん)とのトークでその感動を語っていた。このツアーのファイナルで洸平さんは再メジャーデビューを報告し、翌年から毎年ライブツアーを敢行。年々、会場は大きく公演数は多くなっていった。
※Kiki’s Room松下洸平ライブHEARTtoHEART2021全記録 参照 ↓↓
今回のツアー日程が昨年夏に発表されたとき、福岡から北海道まで全国12カ所を回ることに多くのファンが歓喜したと同時に、東京ガーデンシアターのキャパを知って震えたのは私だけではなかっただろう。埋まるのだろうかと少し心配する人もいたようが私は埋まると信じていた。これだけドラマや映画、雑誌等に出ていて、招待すべき人だけでも軽く数百人はいるだろう。東京ならば埋まるという確信があった。結果、チケットは全公演ソールドアウトとなった。
〇尽きぬ音楽への思い
2022年冬に発売した初アルバム「POINT TO POINT」(PⅡP)も、R&Bのテイストを十分に盛り込んでいて、そのライブツアーも素晴らしかった。私自身が書いたnoteのライブ記録を読み返すと改めて感動でいっぱいとなる。ステージ演出も華やかでお金もかかっていると感じた。セットリストも秀逸で、これを超えていくというのは今後が大変そうだと感じるほどだった。いまやりたい音楽は出し切った感もあり、新曲リリースまでは少し時間がかかるのではないかと私は思っていた。
ところが洸平さんは、そのPⅡPツアーの余韻もまだ残る2023年5月、3rdシングル「ノンフィクション」のリリースを発表した。そして、音楽活動の「第2章のスタート」と自身のインスタグラムでつづったのだ。↓↓
https://www.instagram.com/p/Cs3WicXRqqW/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
2021年夏に1stシングル「つよがり」で再メジャーデビューしてからわずか2年だったが、PⅡPで、一通りやりたかったことは実現したという達成感があったのだろう。歌詞にも「今これから」を大切にしていきたいとの思いが描かれていた。
そして7月のCD「ノンフィクション」発売の前に、今回のライブツアーを発表した。ファンに息をつかせる間もなく音楽活動はどんどん進んでいた。もちろんその間、洸平さんは休む間もなくドラマにも出続けていた。
そして12月に発売されたアルバム「R&ME」。
R&Bど真ん中のスウィートな曲やソウル、ヒップポップ。さらにレゲトン、ブレイクビーツも織り交ぜ、「まだやっていないことにトライしていく」とセルフライナーノーツでも語っているように、洸平さんのイメージを変える新しいカラーのアルバムが出来上がった。
※R&MEセルフライナーノーツ ↓↓
〇「アーティスト松下洸平」として
そのアルバムをひっさげ立ち止まることなく前に進んでいく洸平さんのR&MEライブツアーを端的に表現するならば、「より歌を聴かせるステージにした」ということだろう。
スクリーン映像など全体的な演出は前回よりも抑えめであった。MCも控えめだった。地方公演ではマスコミも来ない束の間のリラックスムードのなかで軽快なトークも展開されていたが、神奈川での初日公演や東京2daysでは抑え目だった。
「松下洸平の声を聴かせたい。知ってもらいたい」と洸平さんはツアー中に何度も言っていた。歌が上手くても良い歌を歌っても、それは「聴いてくれる人がいてこそ」であることを、最初のデビューのときから思い知っているからだろう。
だから、「R&ME」というR&Bをリスペクトしたタイトルのアルバムであるにもかかわらず、リード曲とラストの曲を「君を想う」と「たんぽぽ」というバラードで「声を聴かせる」ことに決め、視聴層を広く取り込む工夫もしたのだろうし、全国各地を回って一人でも多くの人に声を届けることを心掛けたのだろう。
コロナ禍で苦労が絶えなかった前回ツアーと異なり、今回は延期もなく全公演滞りなく開催された。これが当たり前ではなく洸平さんをはじめとする全関係者の努力と、天候や自然災害や感染症等に妨げられなかった奇跡によって可能となったのだと私たちは知っている。
だからこそ、ファイナルで満員の7000人もの観客を前に歌う洸平さんはとても幸せそうだったし、私たちも幸せだった。
「たんぽぽ」は、ライブではアンコールの1曲目に歌われているが、そのときのMCで、「たんぽぽの綿毛のようにふっと息を吹きかけて歌を精一杯届けて、あなたのそばでそっと咲くので抱きしめてほしい」との旨を毎回話していた。「たんぽぽ」は洸平さんらしい優しい表現で胸がじんわり温かくなる。7000人の前でも、決して偉ぶることなく、300人の前で歌っているときと変わらない態度で、しっかりと私たちに届けようとしてくれていた。
ツアーで計40000人動員。繰り返し参加する一部ファン(私もそうであるが)を除いても、今回ツアーはより多くの人に洸平さんの歌を届けることができたと思う。数え切れないほどのたんぽぽの花が次々と咲くことだろう。
3月末から音楽番組「withMUSIC」のアーティストナビゲーターを務めたり、4月5月は3カ所の音楽フェスに参加したり、今年はこれまでよりも音楽活動に比重を置いて活動していくのだろう。
前回までのライブツアーのMCで、「僕が歌っているということを知らない人も多いだろうけど・・・」など、俳優が音楽もかじっていると思われているのだろうなと謙虚に話すことが多かったのだが、今回はそうしたことは一切話さなかった。
まさに音楽活動第2章のスタートだ。「俳優が歌っている」のではない。「アーティスト松下洸平」として堂々とステージに立ち、自分の声を、歌を信じることができるようになったのだろう。
アルバム「R&ME」の特典映像についているメイキング動画で、洸平さんが1音1音にこだわって歌い制作している姿が垣間見られて胸が熱くなった。この動画はライブに参加した人にはぜひ見ていただきたい。アーティスト松下洸平の真摯な姿に胸を打たれることと思う。
※「R&ME」初回特典AにメイキングのDVDがついています ↓↓
3,魅惑のセットリスト~R&MEオリジナルストーリー
〇はじまりから心をつかむ5曲
R&MEライブツアーのセットリストは完璧な物語になっていると私は思う。
冒頭、ステージ上のスクリーン映像と連動し、白いクラシックカーに洸平さんが乗り込んでエンジンキーを回し発進する映像と同時に、「All Day Long」の演奏をバンドメンバーが始める。
洸平さんはステージに登場すると、観客に「一緒に歌おう!」とシンガロングを呼びかける。
いきなりトップスピードでライブが始まってHEART BEET!
まるで、洸平さんが運転する車に私たちを乗せて長いドライブに連れていってくれるかのようなはじまりだった。
続いてラップも軽快な「Magical Hour」で観客と一緒にピースサインをして完全に一体化。
おまけに地方公演のいくつかでは
「最近どうなの そっちは?」の歌詞を、
「最近どうなの オオサカ?」
のように地名に変えて地元ファンの心を鷲掴みにするにくい演出。
PⅡPライブではオーラスだった洸平さんの代表曲のひとつ「MUSIC WONDER」を惜しげもなく3曲目で披露。ここでも観客と一緒に歌い、一緒に踊り、「フェイクの王子様」は美しいフェイクをこれでもかと披露した。
この3曲であっという間に会場は洸平ワールドになった。観客のほぼすべてが引き込まれたことだろう。
しかしまだ序の口。洸平さんの本領発揮は次のR&Bの2曲にあった。甘く切なく大人の色香が漂う曲を、心震えるように歌った。
「This is my love」はサビをオールファルセットで歌い上げ、関係者など初めてこの歌を聴いた人は度肝を抜かれたことだろう。
そしてどこまでもスウィートな歌詞。「『愛してる』だけじゃ足りないくらい」なら、なんて言えばいい?もっと洸平さんの愛の歌が聴きたくなる。
「You&Me」は一転してビターな終わりかけの恋の物語。ピアノだけのイントロ、その最初から歌い始めまで、洸平さんはずっとずっとフェイクをピアノのメロディに乗せて自在に奏でていた。
歌声を聴いていると、つい終わらない期待をしたくなってしまう。この人と別れられるわけない、そんな気がしてくる。罪な愛の歌だ。
この2曲は、洸平さんがR&Bシンガーであることを世に知らしめるには十分だっただろう。
これでライブが終了してもミニステージとして十分満足してしまうくらいの魅惑の5曲、ボリューム感だった。
〇ブルーノート級のクワトロセッション
しかし、R&Bテイストはさらに続く。
前回までのライブでは盟友カンちゃんと2人でアコースティックタイムを設けて数曲歌っていたが、今回はウッドベース(永井隆康さん)とパーカッション(海老原諒さん)も含めた4人によるクワトロセッションで3曲歌った。
ジャジーでグルーヴ感に富み、このままブルーノートで演奏してほしいと思うほどのクオリティだった。
「リズム」の原曲はタイトル通りリズミカルで疾走感にあふれている曲。それをアコースティックに大胆にアレンジした。この難しいアレンジを歌いこなせていたので、洸平さんはどんな曲でも歌えるのではないかと思った。
「BET」はR&B全開で洸平さんお気に入りの曲。
「FLY&FLOW」もアコースティックバージョンで、洸平さんがキーボードでセッション。キーボードソロもあり、ファンには嬉しい見せ場のひとつ。
アコースティックの大人っぽい演奏とは裏腹に、このコーナーでは洸平さんがバンドメンバーと自由におしゃべりをしたり、会場のフリフラを点灯させるときに呪文を唱えて観客と遊んだりする楽しいチルタイムでもあった。
歌も演奏も見た目もかっこいいのだが同時に面白くてかわいい、洸平さんたちの魅力が炸裂するサービスタイムだ。
これでやっと前半が終了。初めてライブに参加した人でも洸平さんの魅力から逃れられなくなっているだろう。
〇アップビートで最高潮、そして終演
ここからは一転してアップビートな曲が5曲続く。
「Way You Are」も洸平さんの代表曲のひとつ。多幸感あふれるイントロの「フッフフー」が聴こえてくると、これまでと雰囲気が切り替わったことを知らせてくれる。私は懐かしさを感じて安堵したほどだ。
続く「KISS」はライブの中では一番昔に作られたファンにはおなじみの曲。今回はSam Ock Remixで、イントロで「キッス・・・」と気だるい声でタイトルコールしてから切なげに歌うが、後半でどんどんビートが激しくなるアレンジで、疾走したまま終了する。
この勢いのまま、「漂流」に突入。レーザービームが炸裂するなか、ESME MORIマジックで縦ノリビートに切り替わり、ライブがぶち上がっていく契機となっている。
「Wake」はギターソロが見せ場のひとつになっていて、洸平さんがカンちゃんに向かって「ケンタローッ」と毎回呼びかけるのもエモく、この掛け声とともにライブは絶頂を迎える準備が完了。
そして、「FLYFLY」で最高潮を迎える。洸平さんの会場への掛け声「跳ねろ!」で皆がジャンプする。
ここまで一気だ。
そして暗転とともにラストの曲となり、また世界観が変わる。
「君を想う」はMCとともに洸平さんの美しい「声」をしっかり届けてくれる曲。わかりやすいメロディ、共感を呼ぶ歌詞。そして最後のロングトーンを気持ち良さそうに客席に届けて終演。
〇思いが届いたアンコール
アンコールでは、1曲目に「たんぽぽ」をピアノ1本でしっとり歌った。
MCで、「たんぽぽの綿毛のようにそっと歌をみんなに届ける、あなたのそばでぽっと咲くので抱きしめてほしい」と、今後も歌を、いや歌だけでなくドラマなど洸平さんが作り出す作品すべてをみなに届ける決意表明をした。
アンコール2曲目は、「STEP!」。
コール&レスポンスありきの曲だが、初披露してくれたライブHEART TO HEARTではコロナ禍のため声出し不可で、レスポンス部分はバンメンが担ってくれていた。それを思い出すので私は毎公演ここで泣いてしまう。
「それがいい!」「みんないい!」
今回初めて、やっと自分の声で言うことができた。
でも私たちのこの声を聴いて、一番感無量だったのは洸平さんだっただろう・・・
オーラスは「ノンフィクション」。
長く楽しいドライブもこの曲で終わり。洸平さんが作り出してくれたオリジナルストーリーは終わり、私たちそれぞれのノンフィクション・現実に戻ってくるとわかっているのに、多幸感でいっぱいになる。
ダメな部分も肯定しつつ前に進んでいく底抜けに明るい歌詞とメロディは、超前向きな洸平さんのライブの締め括りにぴったりだ。「僕はここにいるってシャウト」という言葉に洸平さんの今の思いが集約されているように感じる。
ファイナルでは、洸平さんがまるで歌い終わるのが嫌かのように最後までフェイクでずっと声を奏でていたのが感涙だった。
4,選曲の理由は?
セットリスト17曲は、アルバム「R&ME」の全10曲に7曲が加えられていた。
7曲の内訳は、前アルバム「PⅡP」から5曲。「MUSIC WONDER」「リズム」「BET」「Way You Are」「KISS」
それにプラスして、「FLY&FLOW(Acoustic ver.)」と「STEP!」だった。
「FLY&FLOW」は元々2021年のミニアルバム「あなた」収録曲で、Acoustic ver.は2022年のシングル「Way You Are」のボーナストラックとして収録された。
また、「KISS」は、「PⅡP」収録曲だが、ライブで歌ったのは2023年のシングル「ノンフィクション」のボーナストラックに収録されたSam Ock Remix バージョンだ。
「KISS」は、再メジャーデビュー直前の2021年ライブHEART TO HEARTから毎回歌い続けている唯一の曲だ。2015年にファンクラブサイトの動画にアップされた原曲はしっとりとしたバラードだった。それをカンちゃんがダンスチューンにアレンジして2021ライブで初披露。さらに2022年シングルとしてデジタルリリース。そして2023年のシングル「ノンフィクション」のボーナストラックとして、Sam Ock Remix バージョンが収録された。
「FLY&FLOW」も「KISS」も洸平さんの自作曲。アレンジバージョンを新たに収録して音源として残すことで、ライブでまた披露することができる。つまりできるだけ長く歌い続けるための工夫をしているのだろう。それに気付いたときに胸が熱くなった。
また、「STEP!」は、2021年のデビューシングル「つよがり」のカップリングで自作曲。2021年ライブHEART TO HEARTで初披露。コール&レスポンスの曲として洸平さんが再メジャーデビュー前に作った曲なので、声出し解禁となった今回は絶対に歌うと思っていた。前回のPⅡPライブで歌わなかったことが不思議だったのだが、おそらく声出し解禁となる今回まで温存していたのだろう。
「R&ME」以外の7曲のうち、6曲が自作曲である。このこだわりは当然だろう。
一方、2023年に「みんなのうた」で採用された自作曲「さよならの向こうに」が、アルバム「R&ME」に入らなかったことも、ライブで歌わなかったことも私は驚いた。
「たんぽぽ」という名曲が作れてしまったので、バラードが多くなってしまってもといったバランスではずしたのか。あるいは、「R&ME」は愛がテーマの曲が多いのではずしたのか。いずれにしてもなんと贅沢な選択だったろう。
ところで、「リズム」をソウルフルなアレンジにして歌ったことが、今回のセトリで私は一番意外だった。
原曲がアップビートな「リズム」のアレンジは難しそうで、ライブを重ねるごとにアレンジを変えていたが、大阪公演あたりでスタイルが固まったように思い、最終的にとても心地よく仕上がっていた。
とはいえ、ソウルフルな歌であれば、「エンドレス」や「旅路」という洸平さん自作の名曲がある。
「エンドレス」は再デビュー前に作って「KISS」とともにファンクラブサイトで披露していたファンには大切な曲。そして「旅路」は洸平さんのテーマソングのように感じていた曲、前回ライブでラストを飾った曲だ。
そして再デビュー曲「つよがり」も今回セトリからはずした。
洸平さんにとってはこうした曲の数々も、もはや「過去」なのかもしれない。
「ノンフィクション」で、洸平さんが「第2章のスタート」と語っているように、常に前に進み、ステージをひとつ上がったということなのだろう。
洸平さんはいつも前を見ている。もっと上を目指している。
それを感じるセットリストだった。
5,音楽への愛を感じる声と歌い方
今回のツアーすべての公演で、洸平さんはものすごくノリが良かった。
「歌を歌う」というより、「声を奏でる」という風に感じた。その声に歌詞が乗って歌になっているような不思議な感覚。まるで声が楽器のようだと感じた。
バンド演奏に身をゆだね、グルーヴに揺られ、自由にフェイクを奏でていた。
ファルセットもこれまで以上に自由自在だ。
洸平さんはセルフライナーノーツで、「ファルセットの王子様」と呼ばれているロビン・シックが大好きで、「This is my love」ではロビンばりのファルセットナンバーにしようと歌詞を書いたそうだ。
ライブでは洸平さんのファルセットの魅力が存分に発揮されているが、フェイクも負けず劣らず素晴らしい。
ロビン・シックがファルセットの王子様ならば、洸平さんはさながら「フェイクの王子様」だと思う。
さらに、アドリブ(ヒップポップの合いの手)も多用していて、大阪公演とファイナルが特に多いと感じた。
「エィッ」「ホゥッ」などは以前からよく使い、CD音源にも入っているが、今回のライブでは特に多く、「エーイヨッ」「ッアー」など、バンド演奏に合わせて自然に声が発せられている感じだった。
ファイナルでは、「フーッ!プルプルッ!」というアドリブも飛び出した。
特筆すべきは「This is my love」と「You&Me」。
チルいバンド演奏に声をそのまま乗せるかのように、イントロから演奏に合わせてフェイクをずっと奏でていた。
また、R&Bテイスト全開でしっとり切なげに歌っている最中に、「ッアー」というアドリブが両曲とも入り、ライブ会場では軽く驚いたのだが、ファイナル後にドラムのエビちゃんがインスタライブで、「(洸平さんが)そこでフーッとかアーッとか入れるんだ?と思うようなときは、バンドの音に合わせて言っているときもある」と解説してくれていて、理解が深まった。
エビちゃんによると、バンメンもそれぞれ演奏をアドリブで変えるときがあるそうで、その日のセッションはその日だけのもの、というノリで、洸平さんも心地よくて身をゆだねてしまうのかもしれない。
アーカイブで聴いてみると、確かに演奏に合わせて洸平さんのアドリブは発せられていて、それは歌っているというよりも、体の内から自然に湧き上がってきた声という感じだった。
キース・ジャレットの「ザ・ケルン・コンサート」というジャズの名盤があり、キースが即興でピアノを弾いているときに、思わず声が何度も出ていてエモいライブ感を感じるのだが、それを私は思い出してしまった。
洸平さんはさながら楽器の音と化したような素敵な声と歌い方で、バンメンとセッションを楽しんでいたのだなと思った。
かと思うと、ファイナルでは、「ノンフィクション」のサビで思いっきりこぶしを効かせて歌い、そのパンチに驚いた。あのこぶしも、狙ったものではなく、あの瞬間、体の内から湧き出てきたものではないかと思う。
洸平さんは歌が上手い。上手いだけでなく、こうしたテクニックがすごい。テクニックではなく音楽を愛する気持ちが内から湧き上がってくるのかもしれない。
音楽を愛する洸平さん。声質もあるのだろうが、R&Bの歌い方は洸平さんにとても合っているのだろう。この2曲は私がアルバムの中で一番好きな曲であるが、もっとこうした曲を歌ってほしいと強く思った。
6,ファイナルトピック
〇会場BGM
毎公演ライブ会場で開演前に流れているBGM。これまでのライブでは洸平さんが選んでいたが、今回はバンドメンバーにゴスペル縛りで募集してプレイリストを作って流していたそう。テンションが自然に上がるゴスペルナンバーはとても心地よかった。
(会場BGMは毎公演同じなのだが、記載する機会がなかったので今回記した)
※ハート柄の衣装 ↑↑
〇衣装
3種類ある衣装のうち、ファイナルはどれにするのだろうと思っていたら、ハート柄だった。配信アーカイブ映像でよく見ると、ハート柄はプリントではなくワッペン様になっていて、とても可愛かった。後ろ身頃の右下には大きいハートがひとつついていた。
ハートのジャケットの下にはオレンジ色のシャツ。グリーンのパンツを合わせてR&MEカラーの衣装だ。
初日が赤いジャケットだったのでそれとは違う衣装だろうと思っていた。もうひとつは白いフーディで、洸平さん自身もパーカーが大好きだしファンには根強い人気があるのだが、フーディは東京day1で着用した。ファイナルがホワイトデーに開催されることもあり、ここはハート柄でくるのだろうと思っていた。
とはいえ、ライブ当日は、ホワイトデーということを洸平さんがすっかり忘れていたのか、MCでは触れることはなかった。日程を決めたときはきっと幾日かの候補のなかからホワイトデーという日を選んだのではないかと思うのだが。
ライブ後に放送された洸平さんのJWAVEのラジオ番組「WEAKEND LIVING」で、「ホワイトデーらしいことを何もせずにすみませんでした」と優しく謝り、「KISS」を流してくれた。
〇関係者・招待客が続々
東京day1もファイナルも、多くの音楽関係者、アーティスト、俳優仲間など芸能関係者が訪れていたようで、多くの方のSNSに洸平さんのライブのことが載っていた。とても嬉しい内容のものばかりだった。
今後の音楽活動に必ずつながっていくに違いない。
〇MCなどライブの様子
★最初のMC
・配信してるちょい太
最初のMCで、「配信してるみなさまー(と言いながら、ん?という表情)。あ、違う。配信してるのは僕らですね。配信をご覧になっているみなさまー。Hey! What’s up!」とすぐに気付いて言い直した。
「70万人くらいの方が・・・(カンちゃんを見て)あ、90いった?(会場、驚きのワーっという声。カンちゃんが腕で顔を隠す)今ものすごく胸が痛いよ。なぜなら大嘘ついたから。ごめん。そんなに見てないと思う。ごめんね」と可愛い冗談も最初からかましてました。
・ひらべったい人たち
会場が大きくて、1階席はアリーナ、2階席は1階バルコニーなど呼称がわかりにくいので、
「一回整理しますね。このひらべったい人たちですね(会場、笑)
ひらべったーい人たちは、アリーナです。アリーナ!(アリーナの観客、イェーッ)
そしてその上ですね、バルコニー席、これ2階席って呼んでます。2階席!(2階席の観客、イェーッ)」
・・・と4階席まで確認し、
「ガーデンシアター、盛り上がる準備出来てますか!?」に呼応して会場からイェーッと割れんばかりの声が挙がると、
「サイコーかよ!サイコーだよ!」と噛み締めるように。
★チルタイム
・4階席の一番奥まで俺らが届けるから
洸平さん「ガーデンシアター、楽しんでますか! 2階席大丈夫ですか! 3階席大丈夫ですか! 4階席大丈夫ですか!
4階席のさ、一番後ろに座っている人たちのところまで俺らが絶対に届けるから、心配しないで楽しんでいってください」
いつもの洸平さんらしい優しさ。「僕ら」ではなくここでは「俺ら」と言うあたりにキュンとする。
洸平さん「ここまでやってこれたのは、本当にみなさんのおかげということでね。特にカンノケンタロウ君なんかは学生時代からの友達で、お客さんいないところとか路上ライブとかから始まって・・・ごらんよ。すごくない?こんなにたくさんの人の前でやるって、あのとき我々は思ってましたか?」
カンちゃん「無理、無理。毎日やりません?これ」
洸平さん「いやいやいや(笑いながら。会場はワーっと大歓声)ガーデンシアターさんはいろんな人のライブとかあるから毎日はできないけど。本当に信じられない光景が広がっていて、みなさんには感謝ですね」
・順位はつけたくない!
洸平さん「ここフリータイムなんですよ。これまでなんかしら話すことを決めてたんですけど今日はもうファイナルということで、なんにも決めておまへん!」
カンちゃん「おまへん!(笑)」
洸平さん「なので旅の思い出をだらだらと・・・配信もあるから」
カンちゃん「いいんですか」
洸平さん「ここで退場する人もいるでしょう(笑)。こいつら旅の思い出をだらだら話すだけやんて。まあでも最後までお付き合いください。結構いろんなとこに行きましたよね。印象深いところでいうと、どこですか?」
カンちゃん「印象深い?」
洸平さん「おもろかったところとか・・・」
カンちゃん「あんま順位とかつけたくないなあ」
洸平さん、がっくし体を折って笑う。エビちゃん、タカさんも会場も大爆笑。
洸平さん「順位つけろと言うてるわけじゃないんですよね。ね、いろいろあったじゃないですか。たとえば北海道大雪事件とかね。(バンメン笑う)すごかったですよ。帯広ってところでR&MEツアーやらせてもらったんですけどね。雪がすごくてね、めちゃくちゃすごくてね、足の踏み場もないくらい・・・」
カンちゃん「足の踏み場・・・(冷静に)」
洸平さん「足の踏み場はあるか・・。今日はひどいねー(笑)」
カンちゃん「うーん、いや、もうそのままいこ!」
洸平さん「そのままいくわ。すごい雪でね」
カンちゃん「雪はほんとすごかった」
洸平さん「吹雪いてましたね。あとは、岡山とかも行きましたね。きびだんご事件!」
エビちゃん「事件w」
洸平さん「ご存じない方もいらっしゃると思いますけど、僕きびだんごが大好きということでね。きびだんごひとつずつ目の前に置かれたら僕ひとつずつ取っていって最後にはガシャン!みたいな感じで(動物用のワナがかかる感じを両手で表現しつつ)ガシャンて」
カンちゃん「ステージでもそんな感じになってましたよね」
洸平さん「あとどうですか。いろいろ行きましたけどね」
カンちゃん「エビちゃんどうですか」
エビちゃん「やっぱ福岡とかね」
洸平さん「福岡サイコーでしたね。福岡のときだけ、まぁだけ、じゃないんだろけど・・・」
カンちゃん「順位はつけちゃいけない・・・」(会場大爆笑)
エビちゃん「戻ってきちゃった話が(笑)」
洸平さんめげずに「特に福岡。なんであんなに食べちゃうんでしょうね。自分の胃袋がどうなっちゃったんだろっていうくらいね、食べますねー」
と、洸平さんが言ってから、一瞬間が空いた。そして次の瞬間、洸平さんはハハハッと大声で笑い、バンメンも会場も大爆笑。カンちゃんはのけぞり、洸平さんは突っ伏して笑った。
エビちゃん「こりゃまずいぞー」
洸平さん「こりゃまずいぞ。オーラスなのに、この"間"はまずいぞー」
・・・楽しいおしゃべりは続いた。
・エビちゃん泣かそう大作戦
エビちゃんが昨日のガーデン初日からツアーが終わるのを寂しがっていた、と洸平さんが話し、エビちゃんにわざと話しかけて泣かせようとした。
エビちゃんは洸平さんだけでなく昨日からいろんな人に同様のことを言われ続けたため、「逆に(涙が)ひっこんじゃった」と。
エビちゃんはこの日もナイスな突っ込みを随所で行っていた。
・フリフラは東京カラーで呪文もかっこよく
呪文は「つけてください!「消してください!」
緑色の背景に東京タワーの模様が浮かんだ。
呪文については、かっこよく言うのがポイントだと洸平さんが言い、
「消してください!」と洸平さんが言うとエビちゃんが即座に「かっこいー」と。それに洸平さんもつられて「かっこいー」と言ってしまい、すかさずカンちゃん「かっこいーって自分で言うスタイル?」と突っ込み。
エビちゃんや会場がフーッフーッと囃し立て、
洸平さん「フーやめて、フー。いじられてるー」と笑いながら。
その後のフリフラ点灯では、会場にたくさん来ている関係者にも、
洸平さん「(左手を前に出して頭をガバッと下げ)関係者の人たちもやってほしい・・・すみません。ほんと忙しいなか来てくださったのに、みなさんの協力が必要なのでご協力いただいて・・・すみません(謝りまくる)」
そしてフリフラは、2階席と4階席が、緑の地に「KOUHEI MATSUSHITA」と白い文字が浮かんだ。
アリーナと3階席はオレンジの地に 「 R&ME」と緑の文字が。
一旦消してまたつけるときに、会場に一緒に言いましょうと促し
「コツ言うね。ちょっと斜に構えて。え、怒ってらっしゃいますぅ?って感じで。こう、目をね(動かす)二重にする感じ(と言いながら目を上に何度も動かす)」と顔芸を披露し、バンメンも会場も大爆笑した。
★後半
・煽る洸平さん
「Wake」から一気に盛り上がるシーン。
最後のギターソロで、洸平さんが「ケンターロッ」と呼びかけカンちゃんのギターがグイーンと鳴ってラスト。
その後の間奏で、洸平さん
「ガーデンシアター、フーッ!プルプルッ!(初出のアドリブ!)
でもまだこんなもんじゃないですよね。まだまだいけますよね。
歌って踊れる準備がいいですか!」
ここのバンド演奏タイムで、洸平さんは軽く踊った(1日目はもっと踊っていた)。
「今日はファイナルですよ、みなさん。今日しかできないパフォーマンスがあるんです。それには、みなさんの声が必要なんです。みんな一緒にフライフライする準備はいいですか!Let’s go!」
・・・と盛り上げ、続く「FLYFLY」では、
恒例の「跳ねろ!」だけでなく、
ウォウウォオーウ♪と会場に歌うことを求める場面で、
「いまんとこ歌える奴、どんだけいるんだ?!」と煽る感じで言った。会場は、ウワーッと大歓声。
・「君を想う」の前に
「終わる頃にやっと、なんか楽しいな、とか、音楽ってやっぱりいいなって気付くんですよ。これっていっつもそうで、終わりかけくらいで気付くんですよ。いっぱい考えたり悩んだりしながら進んでいきますから、やっと、ああ音楽ってこいういうことか。歌うってこうことなのかな。お客さんと一緒にライブするってこういうことなのかなってわかってきた頃に終わっちゃうんで、なかなかやめられないです。
今日はじめてライブに来てくれた人たち、本当にありがとうございます。僕たちは、今日でツアーは終わりますけど、そこからさらにまた次のステージ、次の景色を見に船に乗って航海するような気持ちで前に進んでいきます。その船にみなさんを乗せてまた前に進んでいきたいと思っていますので、また必ず一緒に遊びましょう、ね。
最後だからさ、ちょっと長くなるかもしれないけど。この最後の方に気付くってのはね、何やっててもそうなんですよ。芝居しててもそうですし、なんか終わりかけでやっと気付く。何かのインタビューでも僕話したことあるんですけど、舞台やっててさ、全部の公演終わってさ、最後新幹線に乗って帰ってるとき、『いや待てよ。違う。あのセリフ、ああいう言い方じゃないな』とか気付くわけですよ。でも明日やろうと思っても、もうない。だから、やめられないし。音楽も同じだと思いました。
今日のツアーで、初めて声出しOKになって、みんなの声が聴こえて、最初はなんだろ・・みんなの声に負けないように僕らもパフォーマンスしなきゃと思ってましたけど、いつしか一体化して、ひとつになっているって実感しました。それが実感出来た頃に終わっちゃうからねー(芝居がかった泣きそうな声で、会場笑い)
でも、この思い出と経験を胸にまた我々は進んでいきましょう。
今日来てくださったみなさま一人ひとりに感謝しています。(深々とお辞儀)」
★アンコール
・「たんぽぽ」の綿毛のように
「『たんぽぽ』ってタイトルは一番最後にできた名前なんですけど、たんぽぽの綿毛は咲く場所を選べない。だけど必ずふっと吹けば飛んでいって誰かの元へ届いて、その人のそばでぽっと咲くことができます。ぼくたちの曲作りとか、音楽作りに似ているなと思いました。
誰に届くかわかんないけど一生懸命作ってふって綿毛を飛ばすような思いで、届けって思いで、息を吹きかけて、それがみなさんのそばにふっと落ちたらいいなって思います。そして、ぽっとたんぽぽの花のように、小さな花ですけど咲いてくれるといいなと思っています」
「あ、なんか飛んできたなと思ったら、ペコってやってこうひゅうってやって(綿毛を指でつまんで土に埋める仕草、会場笑い)お水ふぁーってやって、そしたら咲きますから、そっと抱きしめてあげてください」(会場、拍手)
・賢明さんからの賛辞
バンドメンバー紹介のとき、マニピュレーターの足立賢明さんが「みなさんもサイコーでしたが、松下洸平もサイコーでした!」と言ってくれたのが個人的にはすごく嬉しかった。賢明さんは担当している他の大物アーティストのツアーと日程が丸被りだったのだが、その間隙を縫って行ける新潟公演と東京2daysに参加。
花井さんという素敵な後輩を紹介してくれたので、全ステージを花井さんに任せることもできたのだろうが、大きな会場である東京は自分がやってあげたいな、など考えたのではないかなあと思った。
賢明さんほどのベテランがそう思ってくれたことがとても嬉しかったし誇らしかった。2人がガシッと抱き合った姿にも胸が熱くなった。
・グッズ紹介で「消せえねぇメモリー」
グッズは「すべて売り切れた!」とカンちゃんより報告があり驚き喜ぶ洸平さん。カンちゃんが拍手しながら洸平さんから離れようとすると、「行かないで!やめて、ここにいて」と洸平さんが引き留めると、カンちゃんは戻ってきて、洸平さんの肩をがしっと組み、同時に洸平さんはカンちゃんの腰に手を回す。会場キャー・・・
カンちゃん「あのさあ、この思い出、消せる?」「消せねえっしょ」「消せねえメモリーっしょ」と畳みかける。
洸平さん「やめろー。俺がAスタジオのときに出てた、高校生のときにラップしてたリリックじゃねえかよ。消せねえメモリー、やめろ!」と2人でじゃれあい。
そして代わりにアフターパンフレットを2人で紹介した。
「昨晩ですけど、表紙を解禁いたしまして、こちら!(カンちゃんが表紙をかかげる)このアンニュイ平ですね(自分で言っちゃうスタイルw)
これパンフレットと言ってますけど、マジでもう本。マジ本!超本!すごい、本なんですよー(分厚いと言いたいのだろうw)中身はリハーサルの模様だったりとか、北海道でもこのパンフレットのためだけに撮り下ろした写真が・・ほぼ写真集。はははっ(照れ隠しだろうw)」
・ファンはわかっている
「初めてライブに来てくれた人はわからないだろうから・・・」と、カンちゃんとの関係やグッズ販売のことなどを丁寧に説明する洸平さん。
これは言い換えると、「これまでライブに来たことがあるファンはわかってるよね」という洸平さんからの暗黙のメッセージ。洸平さんは、これまでのファンの支えがあってこその今だということをわかったうえで言ってくれているのだ。
「はい、わかってますよー」と笑顔になれる、ファンにとっては嬉しい言葉なのだった。
・会場とともに笑顔で記念撮影「ミー!」
オーラスのノンフィクションを歌い終わり、バンメンといつものように手をつないで挨拶をしようとしたとき、洸平さんはツアーを支えてくれたもう1人のマニピュレーター花井諒さんをステージに迎え入れ一緒に並んで挨拶した。花井さんは招待されて関係者席で見ていたそう。
そしてみんなで挨拶のあと、会場のみんなとともに記念写真を撮った。
掛け声は、洸平さんが「アールアンド」というと、「ミー」と私たち会場が言うスタイル。
「ミーがちょうどいい笑顔になるから」と、洸平さんらしい素敵なアイデア。
7,東京day1トピック
※ファイナルと異なっていた部分のみ
〇衣装
ファンが大好きな白フーディ平だった。
〇MCなどライブの様子
・最初のMCで
東京ガーデンシアターというキャパ7000人の洸平さん史上最大の会場での記念すべき第一夜。
満員になった会場を見渡して洸平さんは語った。
「記憶と伝説に残る一夜にしたいです」
「一番大きい東京でしか見られない景色を見せてほしいな」
・「愛してる」より強い愛の言葉は・・・
「This is my love」はアルバム「R&ME」で私が一番好きな曲。
目をときどきつむって声を出す。ファルセットのみのサビ。ライブでもとびっきりスウィートだった。
「日曜日なのに2人してLazy」のとき、ステージスクリーンの画像が枕ふたつ並んだベッド。So sweet!
「『愛してる』だけじゃ足りないくらい」なら、なんて言えばいい?いつもそんなことを考えながら聴いているのだが、この日、洸平さんは歌い終わったあとに、「ただいま」とささやいたように私には聴こえて仰天した。つぶやく口元も見ていた。しっかりメモった。
「愛してる」よりも強い愛の言葉は、もしかしたら「ただいま」かもしれない。
そう思って頭の中をぐるぐるしていたけれど、ファイナルでは「ありがと」とささやいていた(配信でも確認した)。初日も「ありがと」だったのかもしれない。
「ただいま」は私も空耳だったとしても、それは素敵なアンサーだなと思い、この言葉をこっそり胸にしまっておこうと思っている。
・ガーデンシアターでしたかった話!
チルタイムで。
洸平さん「すごい人数が来てくれているみたいですけど本当にありがとう。感謝です。ありがとう、ありがとう。6000人とか7000人とか、僕たちは学生時代から一緒にやっていて、路上ライブで5人とか・・・」
カンちゃん「ゼロのときもあったよ」
洸平さん「みてこの景色・・・」と感慨深そうに。
洸平さん「こんな大舞台でアレですけど」
カンちゃん「アレ?」
洸平さん「不思議だなーと思うことがあって。お茶っ葉をね。お茶のペットボトル買うの申し訳ないから、お茶のティーパックを3つくらい入れて・・・」
カンちゃん「多いよね」
洸平さん「多い?こんな高いのだよ」
と、ボトルの高さがあると手で表現。つまり麦茶などを作る1リットルくらいのタンブラーと思われる。自分で作るって律儀だな、さすが洸平さんと思っていると・・・
洸平さん「あれガラスなのに、お湯入れても割れないんだよね!」
カンちゃん「あー・・・耐熱・・・それガーデンシアターでする話?!」
苦笑しながら困ったような言い方。
洸平さん「ガーデンシアターでする話か!?をやりたかったんです!」
わが意を得たりの笑顔で言った!
洸平さん「最近どーですか」
カンちゃん「断食終えたんです。ファスティング。昨日から回復食」
洸平さん「えらいタイミングでしたんですねー(ファイナル前に、ということだろう)」
カンちゃん「今日みなさんに会う前にシュッとしたかったのね」
エビちゃん「それガーデンシアターでする話ですか?」
一同大笑い
・泣きそうなエビちゃん
「BET」を歌い終わった後、
洸平さん「楽しんでますか? これ今モニターに映ってるんですかね(とステージ前ギリギリまで出てきてモニターをのぞき込み)ちょっと見えないんですよね・・・(と言ってソファに戻る)」
カンちゃん「あのー、すごい言おうか迷ってるんですけど」
洸平さん「どしたの?(いつもの優しい言い方)」
カンちゃん「13公演目で、いろんな思いでやってきて。僕の左にいる人が、もう泣きそうなんですよ」
エビちゃん「泣いてないし!」
洸平さん「あのさ、ツアー中ずっとあなたたちに言いたかったんだけど、この先ずっと会えないわけじゃないからね。フェスやら・・・」
エビちゃん「それはわかってるんですけど、やっぱりツアーは終わるってなると・・・ぼく今、全然しゃべれないんです」
洸平さん「うれしいよね。おじさんが涙腺バカになってるの。でも明日もあるからね」
と、この話を終えてフリフラへ。ここからは2日目とほぼ同じ。
チルタイムが終わり・・・
「いつまで座ってんだ!立ち上がれ!今日という1日は今日とww・・・(噛む!そして笑いながら)
ちょっとわかんないですよね」と。
・KISSで!!
2番の歌詞が始まってステージを歩き回りながら歌っているので、お、もしかしたら久しぶりにライトに触れるかな?と思いながら見ていると、なんと下手のステージ前ギリギリまで行って座り込んだ!足を投げ出してブラブラ。これは近い。下手前方の観客の方々うらやましい!
舞台ではこういう演出がたまにある。洸平さんは舞台に慣れているからステージを端から端まで余すことなく使う。嬉しい。
・踊る洸平さん
「Wake」と「FRYFRY」の間のバンド演奏タイム。
洸平さんは結構踊った。両手を開いて音楽に合わせてステップを踏む。くるくる回る。ファイナルよりも全然踊っていた。私が参加した公演のなかでは、仙台がかなり本気で踊っていたのだけど、それに次ぐくらいのダンスパフォーマンスだった。
・「君を想う」の前に
「ツアー終わっちゃうけど、でも終わりではないです。明日終わってもそれは僕たちの新しいスタートラインです。どこまで続いているかわからないけど、いけるところまでいきたいと思っています。
デビューして何年・・? 3年くらいかな。みなさんをひとつの大きな船に乗せていくから、みなさん降りないで。新しい景色を見にいきましょう」
今回のツアーでは、「みんなを船に乗せて」というフレーズを全く言わなかった。
冒頭のスクリーン映像が車でドライブ仕様だし、今回は船ではなく車なのかな?とも思っていたのだが、東京day1ではじめて「大きな船」と言った。ファイナルでも同じ表現をしていた。ちょっと嬉しかった。
・「たんぽぽ」の後に
「初めて自分ひとりで曲を作ったとき、19歳のときのことを思い出しました。そのときと同じやり方でスタジオで作ったんです。今は不器用なピアノをちょっと弾けますけど、久しぶりに鼻歌で作りました。
あの頃の僕に伝えたい。こんなに沢山の人の前で歌えているんだよって」
この後、「たんぽぽの綿毛のように」という内容はファイナルとほぼ同じ。
・KenTと互いにハピバ!
バンメン紹介でKenTをステージに呼び込んだとき、
ケンティ「直接言われんやってんけど、誕生日おめでとう!」と洸平さんに。
洸平さん「ケンティも誕生日おめでとう! ケンティは10日、僕は6日が誕生日でした」とニコニコ。
札幌公演が3月3日で洸平さんの誕生日に近く、楽屋には大きな誕生ケーキが用意してあったようで、ライブ後にバンメンのインスタやストーリーズで、2人分の名前を書いた大きなケーキと一緒にみんなで撮った写真が次々とアップされていた。
洸平さん自身も誕生日の3月6日のインスタで、同じ写真をアップしている(インスタ2枚目の写真)。
本当は札幌公演のライブ中にバースデイをやるつもりだったのかもしれない。ただこの日は、北海道の有志ファンによるテレビ塔の点灯というサプライズプレゼントがあったので、ライブ時間を延長することができず、ステージではなく公演後にバンメンやスタッフと一緒にお祝いしたのかもしれない。
その一端をこの日にちゃんと言語化してくれて、KenTさんに感謝である。
https://www.instagram.com/p/C42wCQTxd-K/?igsh=MWNoMDhlajV0ZjdoZg==
8,セットリスト&バンドメンバー
〇セットリスト全17曲
(カッコ内は収録CD。R&ME→R、PⅡP→P)
前半
1,All Day Long(R)
2,Magical Hour(R)
3,MUSIC WONDER(P)
4,This is my love(R)
5,You&Me(R)
クワトロセッション
6,リズム(P)
7,BET(P)
8,FLY&FLOW(原曲は「あなた」収録、ライブはAcoustic ver. :Way You Are)
後半
9,Way You Are(P)
10,KISS(原曲はP収録、ライブはSam Ock Remix :ノンフィクション)
11,漂流(R)
12,Wake(R)
13,FLYFLY(R)
14,君を想う(R)
アンコール
15,たんぽぽ(R)
16,STEP!(つよがり)
17,ノンフィクション(R)
〇バンドメンバー
ギター&バンドマスター カンノケンタロウ
キーボード 平野晋介
ベース 永井隆泰
ドラムス 海老原諒
サックス KenT
マニピュレーター 足立賢明(花井諒と2人体制)
9,東京ガーデンシアター概要
2024年3月13日 開場17時30分 開演18時40分~20時32分
3月14日 開場17時30分 開演18時35分~20時35分
東京ガーデンシアター 約7000席
10,バンドメンバーなどのSNS
https://www.instagram.com/p/C4ihS0vyHC5/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
https://www.instagram.com/p/C4kTDT8yUPG/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
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