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ふたりの社長 ふたつの会社 ふたつの未来。ベンチャーに行くなら社長の性格を見極めよう。



こんにちは。


お盆休みで期間が空きました。


言い訳ですが・・・。




今日は私が知っている二人の社長とその会社について書きます。



起業する人に向けたマガジンですが、


●自分の性格を知り経営戦略を立てるため

●起業前にベンチャーに修行に行く人のため


の記事です。


今回の最も大事なポイントは


「将来、自分がどのようにしたいか」


を若いうちに考えておくということです。





私の知り合いに二人の社長がいます。


Aさん

中規模Web制作会社でディレクターをし、

ネットワークを作ってから起業。

独立3年。クリエイティブディレクターが本職。

性格は穏やか。

とにかく周りのために、みんなで幸せになろうというスタンス。

案件紹介や顧客紹介など、自社利益を度外視して人と人をつなげる。

そのため案件は常にネットワークから紹介される。




Bさん

独立2年。

老舗印刷会社の制作ディレクターから起業。

営業としても売り上げを上げることができる。

性格的には少し子供っぽく、ワンマンよりの考え方。

Aさんと同じように、周囲を紹介していくタイプ。




これだけを見て、なかなかどっちの社長が優れているかは判断できません。

どっちもいい社長に見えます。


ちなみにAざんとBさんは、Bさんが独立する前に、

Aさんが外注先、Bさんが顧客という関係がありました。


そのときにAさんの仕事ぶりに問題があり、AさんとBさんはめちゃくちゃ関係性が悪いです。


Aさんは、顔が広いです。

有名人をアサインしたイベントなどもするのでさらに顔が広くなります。

オウンドメディアの編集長もしています。

周囲の評価は二極化しています。

Aさんを高く評価する人と非常に低く評価する人に分かれます。

Aさんはよく夢を語ります。

「あんな有名な人と何かやりたい」

「あんな有名な会社のようなことがしたい」

「地域を盛り上げたい」


一方Bさんは地域限定での有名人です。

今は営業として会社のために案件を取ってきます。

Bさんの評価は、概ね普通です。

わりと優秀だよねという評価です。

Bさんも夢を語ります。

「地域のために頑張りたい」

「社員に幸せになってほしい」

「あの人と一緒に働きたい」


一見よく似ている二人ですが、

わずか2年で会社の結果に大きな差があります。


Aさんの会社:法に則った社員0名

Bさんの会社:法に則った社員12名


もちろん会社が大きいからいい社長といういことではありません。

しかし、Aさんは残念ながら実質的に個人事業主です。


Aさんの会社経営は、石橋を叩いて渡るスタイルです。

といってもそれは、仕事に対してではなく、経営に対してです。

いい意味ではありません。

Aさんは、実質的に個人事業主ですから、

売り上げが自分の収入に直結します。


そのため、標準的な単価以上の案件は積極的に受けます。

単価が悪い仕事は断ります。

しかし、案件を受けすぎるため、常に多忙です。


その上、Aさん自体はなんの技術もありません。

そのため様々な会社やフリーの人に外注をします。


この場合、Aさんが代理店となるため、当然、その発注単価は安くなります。

一般的な企業では、Aさんの案件は安すぎて受けることはできません。


そこでAさんは、経験の浅いフリーや単価の安い独立したての人に独立した女性などに外注していきます。


もちろん、安い単価です。


でもフリーの人々は喜びます。


普通の企業からは発注をもらえない(要はクオリティがまだ低いから)のにAさんからはもらえます。


Aさんも社員を抱えるリスクを取らずに、

自社の利益をしっかりと確保できます。


ここまではいいと思います。

社長個人の考え方です。


しかし、ここからが問題です。

Aさんには、やはりプライドがあり、手堅く個人事務所でやってきましたが、そろそろ社員を雇おうと考えます。


しかし、普通に雇えば雇用保険だ社会保険だといろいろ経費がかかります。

そこでAさんは、取引先の若いフリーの人に、毎月いくら払うから、実質専属で働かないかと持ちかけます。


若いフリーは二つ返事でOKします。


が、法的に社員にはしていません。

二人で決めた月額分に近い領収書と足りない分はキャッシュで若いフリーに支払います。


これは実際のところ脱税です。


Aさんは、自分が居住する地域のために頑張っていると主張します。


しかし、地域のために納めるべき税金を

自分の利益確保のために支払っていないわけですから、これでは社会貢献でもなんでもありません。


普通に考えれば、こういう社長はマーケットですぐに干されていくであろうと。


しかし、そこはAさんの才能が活きます。


口が上手いわけです。


「事業が成功したら」

「こんな顧客があるから、安定的に」

「地域のためにみんなで」


美辞麗句を並べ立てて、フリーランスや企業を巻き込みます。


もちろん、自分のことを少しでも非難する人間がいれば、徹底的に背を向けます。


これもひとつの社長のあり方です。

Aさんは一見ワンマンに見えませんが、実は徹底的なワンマン社長です。


世の中で言われるワンマンと異なる部分は、

「自分が責任を取らなくていいように仕立てている」

ということです。




一方のBさんです。


Bさんは、一見完全なワンマン気質です。


周囲に意見を良く求めますが、

最終的にはほとんど周囲の意見は聞きません。


しかし、自分の会社に対する「覚悟」と「目指すべき将来」をしっかりと見ています。


雇用に関しては、Aさんのところでないにせよ、

安い給料です。

しかし、積極的に採用します。


給料が安い分、食事をご馳走したり、社員の誕生会を開いたりと、

精神面でのフォローはまるでサークル活動のようです。


社員の満足度はそれなりに高いです。


しかし、明確なビジョンがあるからこそ、

Bさんはよく周囲と衝突します。


その衝突の中で、自分に足りない部分をしっかりと把握します。


それから、自分に足りない部分を自分の力で埋められなければ、外の優秀な人材を採用しにいきます。


ここでAさんとは異なる大きな成長を遂げました。


なんでも自分でするのではなく、

自分の力が及ばない部分においては、

専門家を積極的に吸収していくというスタンスを身につけたわけです。


ここまでくれば、実質的にワンマンではありません。


一見すると未だ典型的なワンマン社長ですが、

組織はすでに分業化が進んでいます。


こうして、Bさんの会社は順調に成長を続けています。

Bさんは初年度は無給で会社を立ち上げました。

覚悟ある経営者です。



Aさんの会社は、相変わらずAさんが儲かるための会社です。



AさんとBさんの決定的な違いは、

「時間を俯瞰する能力」と「覚悟」でした。


Aさんは目先の利益だけを考えるワンマン経営者です。

Bさんは長い将来を考えて自分の限界を悟り、他人の力を取り込むことを知りました。


今のまま行けば、

Aさんは、60歳を超えてもあくせく働き、やっと年収1,000万。

しかも、税務署調査に怯えながら生きることになります。


Bさんは、組織の成長につれて、自分の時間が増え、


社内には優秀な後継者が育っているため、

年齢を重ねた際に仕事に生きるか、自分の余暇を充実させるかを選ぶことができます。


私はどちらかというと、Bさんと同じ気質の経営者です。


上辺だけを見れば、どちらも最近の若い方達が毛嫌いするワンマン経営者です。


しかし、そこで働く社員や経営者の未来も大きくことなります。


要は、ステレオタイプになるのではなく、

しっかりと相手の気質を見抜くということが重要だというお話です。



私は60歳で、社長の座に居て、社員を顎で使うような人生はいやです。


若いうちに人生を仕事に捧げてきました。

できるだけ早いタイミングで次の世代に経営を交代し、

余生を自分の人生や家族のために楽しんで生きたいと真剣に考えています。


そのゴールに対して、今何をするべきかを考えて日々働いています。


参考までに。









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