見出し画像

【コミュ術④】質問を使い分けるコツ

コミュニケーションにおいて「質問」のもつ重要性は言うまでもないと思います。

質問力の本はたくさん出版されており、コーチング研修などでも取り上げられますが、私なりに質問についての考えを伝えておきたいと思います。

質問の目的と留意点について


表題の限定質問・拡張質問の話に入る前に、質問の目的と注意点についてまとめておきます。

質問の目的と留意点をまとめておくことで、限定質問・拡張質問をそれぞれ使用することに対する必然性を考えることができます。

質問の目的


質問の目的は、「自らの疑問を解消すること」です。

自らの疑問となることは2つに大別されます。

・操作説明や手順など、答えがすぐに一つに決まるもの
・人の気持ちや考えのようにやりとりをしていく中で徐々に明らかになったり、必ずしも一つには決まらないもの

があります。

操作説明や手順などは答えがあるため、エラーなく先に進められればいいわけで、質問の質が高くなくてもマニュアルを確認しながら試行錯誤をしていればうまくいくことが多いです。

すなわち、質問をして疑問を解消するというよりは、何を見たら、どれを参照したらいいのかというマニュアルのありかや該当ページを聞くような質問で良く、疑問の解消に直接質問が影響を及ぼしているわけではないのです。

しかし人の気持ちや考えは異なります。

質問を繰り返していかなければ、相手の気持ちや考えは明確になりません。何で?どうして?を繰り返しながら自分の疑問を解消していく必要があります。

質問をするときの留意点

一方で相手の気持ちや考えについて質問をするときには気を付けないといけないことがあります。相手の気持ちや考えは手順書やマニュアルとは異なります。
以下留意点を抜粋しております。

・相手の気持ちや考えを聞くときには尋問にならないようにすること
・相手との関係性を構築し心の距離が離れないようにすること
・勝手な決めつけを避けること
・思い込みで相手にレッテルを貼らないようにすること

といった相手に対しての配慮を欠くコミュニケーションにならないようにすることが何よりも大事です。

また、何を聞いているのか。対象を明確にすることも大事です。

よく聞き返されるという人は質問の意図が明確ではなかったり、求められている答え方が分からなかったりといったことが多いようです。

何を答えてほしいのか、どうして答えてほしいのか
それが明確ではない質問をすればするほど心の距離は離れていきます。

質問の目的と留意点を同時に実現させるためには

質問には自らの疑問を解消するという機能のほかに、質問の形で相手との距離を縮めていく機能もあります。

質問には「限定質問」と「拡張質問」があります。この2つの質問は一般的には以下のように定義されます。

「限定質問」:YESーNOで答える質問のこと。
答えやすいが正確な情報は得られにくい特徴がある。
例)肉と魚どっちが好き?→魚
じゃあ、魚が一番好きな食べ物なんだね→正確ではない情報

「拡張質問」:いわゆる5W1Hで行う質問のこと。
いつ?どこで?誰が?何を?どうして?どのように?なぜ?など
答えるのに時間がかかるため答えにくいが正確な情報になるという
特徴がある。
例)一番好きな食べ物は何?→ショートケーキ
じゃあ、ショートケーキが一番好きな食べ物なんだね→正確な情報

相手の真意をつかむためには拡張質問を使わなければなりません。
効果的に拡張質問を使わないと、相手にとって答えにくい、あるいは質問の意図が分からなかったり、答え方が不明確だったりすることがあります。

そのため、限定質問を使ってまずは答えやすい質問をしていきながら、より具体的に聞きたい言葉に対して拡張質問を使うことが大事です。

【さらに応用】小さいYESを作り続けるコミュ術

上記の通り限定質問を使って答えやすさを演出し、拡張質問で相手の使った言葉の意図や意味をはっきりさせていく

会話における質問の基本はこの通りなのですが、もう一歩進めてより関係性を重視し、心理的に答えやすくするためには小さいYESを作り続けるということを同時に行うことをお勧めします。

特に商談の時に使うコミュ術ですが、そのためには限定質問の定義を変え、新たな留意点を守る必要があります。

「限定質問」:二択・三択を提示し選んでもらう質問のこと。
「留意点」 :相手からの答えでNOが出ないように質問をしていく

限定質問の答えやすさは残しながらも、YESーNO型の質問については必ずYESの答えになる場合だけ行い、NOが返ってくる可能性がある場合には二択・三択にしておくことが大事です。

・なぜ、NOが出ないようにする必要があるのか。
・どうしてYESという答えが出るようにしていかなければならないのか。

人間はYesと言う時よりもNOという時の方がエネルギーを使います。

そのため、NOを言うたびに「この人わかっていないなあ」という印象を付けられてしまいます。

商談の際、「~ですか?」という質問に対して「いや・・・」という言葉が出れば出るほど、相手との心の距離は離れ、わかってもらえていないという空気が流れます。

そのため、小さなYESをとっていく。

具体的には「そうです。」「そうなんです。」という答えのみが返ってくるようにしておくことで、わかってもらえているという気持ちを相手に作る必要があります。(一般的にラポール形成と呼ばれています)

まとめ


このように限定質問と拡張質問を効果的に使い、小さなYESをとっていくこと、相手からの回答でNOが出ないようにし、短時間で信頼を勝ち取ることが大事です。

上質なコミュニケーションが取れれば、継続的なコミュニケーションが望めますが、利己的で自分の知りたいことだけを聞くようなコミュニケーションでは刹那的でかつ浅い理解にとどまり、一度きりのコミュニケーションで終わってしまいます。

ぜひ参考になさってください。

サイトマップはこちらから


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?