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【書評】投資の大原則 第2版

著者:バートン・マルキール チャールズ・エリス

本の概要

インデックス運用の信奉者である、「ウォール街のランダムウォーカー」と「敗者のゲーム」の著者2人の共著。あまりにも有名な2冊のエッセンスを分かりやすく、簡潔にまとめられた一冊となっており、永久保存版の一冊。

上記2冊を読むのに時間が無い、あるいはそのボリューム感に読むのを躊躇する場合は、まずこの1冊から目を通しても良いと思う。

この本は、長期投資で成功するための以下の4つのカギを分かりやすく教えてくれる。

①分散投資
②リバランス
③ドル・コスト平均法
④インデックス・ファンド

これらの具体的な手法や考え方を約200ページ、2時間程度で読破できる1冊の本にまとめられている。

重要センテンスの抜粋

プロのマネージャーは市場には勝てない。なぜなら、彼ら自身が市場だからである(P68)

プロのマネージャーは全体として、自分の運用手数料と売買コスト分だけ市場に勝てない(P68)

アクティブ運用がインデックスファンドと同じ投資効果を上げるには、市場よりも年間4.3%も上回るリターンを上げなければならない(P77)

毎年少しずつ積み立てる個人年金用口座の場合には、ETFよりも経費の安いインデックスファンドがいい。(P80)

ラッセル3000インデックス・ファンドやダウ・ジョーンズ・ウィルシャー5000インデックスファンドも視野に入れるべきだ。(P80)

S&P500大企業インデックス・ファンドのような投資先を限定したファンドは勧めない。S&P500は、アメリカで取引される株全体の70%を占めるだけだからだ。30%を占める残りの中小企業の多くは積極経営の活力に富み、急成長する可能性が高い。(P158)

リバランスしたからと言って、いつもリターンが増えるわけではない。しかし、リバランスによりリスクを減らせ、自分のニーズと性格にあった資産配分比率を維持することができる。(P104)

成功の鍵は忍耐力、努力の継続、そしてミスを最小限にすること。(P112)

株価の動きを予想することは、他の投資家が全力を尽くして今立てている予想が、いかに変化するかを言い当てることだ。(P114)

資産配分の基準:
 自分の年齢とその年齢による市場リスクの許容範囲に従って、賢く資産配 
 分を変えること。(P148)

資産は全世界に分散投資することを勧める。アメリカの経済は全世界の経済活動と株式市場の規模から考えると半分以下でしかないからだ。債権については、アメリカ債券市場全体を対象とするインデックス・ファンドを選択すると良い。(P153)

リバランスにより、15年間の平均リターンはなんと年率1.5%上昇する。さらに、年度ごとの変動幅は縮まっている。なぜか。その答えは、リバランスにより、値上がりしたものを売り、安くなったものを買っているからだ。(P178)

個人は言うまでもなく、どんなプロでも、プロの総意である市場価格以上の判断、例えば価格は割安だといった判断をし続けることは、ほとんど不可能に近い。(P182)





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