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ベリンジャー覚醒の裏側

2017年からドジャースでいきなり主力として彗星の如く現れ2019年シーズンはそれまでのハイレベルな成績を更に数段階上げた成績でMVPを獲得するまで成長したベリンジャー

彼が覚醒した要因はなんなのでしょうか
見ていきましょう

1基礎的なデータから

まずはどのような成長を遂げたのかを確認しましょう以下に示すのはベリンジャーの2017年から2019年にかけてのMLBでの基本的な成績を示したものです

まず大まかな傾向として2017年から2018年にかけて成績を大きく落とし2018年から2019年にかけてほぼ全ての部門に置いて飛躍的に数字を伸ばしたという流れが掴めます

特にコンタクト面の上昇が著しいですね




球種別のwOBAですが直球、変化球共に対応が上がってます

次に全体、対右、対左のwOBAの推移です














2017から2018にかけて対左の成績が悪化してるのが見て取れます
2018から2019にかけては左右ともに上昇してますが対左の上昇率はかなり大きいですし

2018年に苦戦した対左の克服がベリンジャーの2019年シーズンを迎える上でのテーマだったのかも知れません

では次にもう少し細かいデータを使って見ていきましょう

2アプローチ面

まずはスイング率から見ていきましょう



全体としては2017年から2018年にかけて大きく上昇し2019年に少し低下するという傾向が掴めます

ちなみにMLBの2019シーズンの平均は47%ですので全体的では待球型と言えそうです

対右を見ていきましょう

対右は変化の傾向は全体の傾向と余り変わりません
また、全体よりも対右はどの年度もベリンジャーにしてはスイング率は高く積極的にアプローチしてると言えるでしょう

次に対左を見ていきましょう

対左は2017年は平均よりやや積極的に手を出していたようですが2018年、2019年と全体の傾向とは外れて一貫してswing%は低下し、平均よりかなり消極的なアプローチとなっています

BB%は全体の傾向と同様の変化をしていますから2018年から2019年にかけて待球型への変化が四球率の向上に寄与したのは間違えないでしょう

また、球種別のSwing%を見ていくと

こうして見ると2017から2018にかけてのSwing%の上昇はオブスピードボール、つまり、スプリットやチェンジアップ、フォーク、スクリューと言った縦変化のボールに積極的に手を出すようになった結果だと分かります

また、対右と対左では推移の傾向が全く異なることも分かると思います

次に空振り率を見ていきます




全体的にかなりの改良が見られます
ちなみに2019のMLB平均は26.4%ですから2017、2018と空振り率が平均より高かったのが2019年に一気に改良され空振りを平均よりもしなくなったようです

K%やBB%が改善されたの先ほどのSwing%とあわせてボールをよく見極めるようになり尚且つスイングしても空振りしなくなったという部分が大きいのでしょう

また、対右、対左では2019年に関しては大きな差はありませんが2018年は大きく異なっています

次に球種別で見ていきましょう

球種別で見ると速球系と横変化のボールに対しては空振りが減っている一方で縦変化のボールに対しては対右、左共にやや悪化しています

空振り率の低下は速球系と横変化へのコンタクト力の向上によってもたらされたようです

次にボールゾーンスイング率を見ていきます







全体としてはボール球に手を出すことは減っていますが左右でかなり大きく差がついています

対左ではボールゾーンの見極めは上昇してますが対右においてはむしろ悪化傾向にあります

また、全体的にも対左の方がストライクとボールの見極めに関しては出来ているようです


以上のようなアプローチ面での変化が四球率の上昇と空振り率の低下をもたらしたものと思われます

また、最初に見たように長打力の向上によってバッテリー心理としてストライクゾーンに投げにくくなったのかボールゾーンへの投球割合が増えています

上記のようにボールゾーンの見極めも全体的に向上してますし四球率の上昇の一つの要因でしょう

3打球面

次は打球面での変化を見ていきましょう
まずは打球角度からです




全体的には2018で少し角度が下がって2019で元に戻すと言った傾向です(グラフが少し大袈裟ですが2017から2018でも下がったのは一度だしそんな変わってない)

ですが対右と左でかなり差が出てます
対右は横ばいですが対左に関しては2017から2018の下がりぐらいも2018から2019の上がり具合もそれなりにあります

対左において打球角度が上がったことが対左の成績向上に繋がったのではないでしょうか

また、球種別の打球角度は次のようになっています

直球はやや打球角度を下げ、変化球は打球角度を上げているようです
特に横変化のボールに対しては角度をかなりあげてますね
ただ、球種別の長打率を見てみてもあまり縦変化のボールに比べて横変化の方が長打力の向上がめざましいと言うわけでもないので長打力の向上に大きくは繋がらなかったのかも知れませんね

さあそして打球速度を見ていきます






こちらは全体的に年々上昇傾向ですが対左では2018年に落ち込んでますが2019年に振り返すという形になってますね

これが対左の成績が向上した要因のようです

3コース別

ここからは投球コースからいろいろ見ていきましょう
以下に示すのはコース別被投球割合です
上から2017、2018、2019です

ゾーン内の攻め方はあまり変化はないようですが左下のボールゾーンへの投球割合がかなり増えてます

先ほどの述べたように長打力の向上により厳しいコースをつこうとしてボールゾーンへの投球が増えてるのではないでしょうか

次はコース別の打率です


2017から2018にかけて2017のウィークポイントだったアウトハイが克服されてる代わりに

内角真ん中、内角低めの成績が大きく下がってますね

そして2019年は2018年に弱点だった内角を克服しているどころかストロングポイントにしています

一方で2017、2018と得意ゾーンだった外角低めの成績が低下しています

打席の立ち位置はそこまで変化してないようなので意識の問題でしょうか



2018年は長打が打てるコースと打てないコースがハッキリしていましたが2019年は軒並み底値を上げることで長打が少ないコースを少なくすることにも成功しています

投手からすれば長打が少ないコースに投げ込みたいと思うでしょうからその点では2018年はかなり、攻めやすかったでしょう

一方で上記のようにアウトロー、アウトはいい以外軒並み長打があり得るようになったのでそこに厳しく投げ込むような攻め方をバッテリーはしてきたと思います

アウトロー付近のボール球が増えたのはそのためでしょう


4まとめ

長々しく見ていきましたがまとめの一言はベリンジャーは神
それで十分です(まとめまでしっかり書く気力がなくなった)

データ出典
baseballsavant

https://baseballsavant.mlb.com/savant-player/cody-bellinger-641355?stats=career-r-hitting-mlb

fangraphs

https://www.fangraphs.com/

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