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「着眼点」が企画の始まり

今日は「企画を生み出すのに必要な力」の「Innovationスキル」の中でも「着眼点」についてご説明したいと思います。

ありきたりな企画を考えたくない方には絶対に必要なのが「着眼点」だと思います。

「着眼点」とは次の問いに答えるものです。

「世界に関する命題のうち、多くの人が真ではないとしているが、君が真だと考えているものは何か?」

例えば「通勤電車での問題を解決する企画を考えてください」と言われた時に、あなたならどんな「問題」に焦点を当てるでしょうか?

● 駆け込み乗車
● ヘッドフォンの音漏れ
● 優先席を陣取る若者
● 床に座り込む酔っ払い
● 冬の暑い車内の気温

「なるほど、うまいね!」と言われるためには、以下のどちらかの要素が含まれてないといけません。

● 「多くの人が気づいていない(諦めてる)問題」に気づく
● 「多くの人が思いつかない方法」で解決する

ありきたりじゃない企画を思いつくには、「多くの人が気づいていない(諦めてる)問題」に気づく必要があって、さっき挙げたような問題ってみんな気づいてる問題だから、あんまり面白くないと思うんです。

例えば

網棚に大きな荷物を載せる時に、吊り革が荷物に巻き込まれて網棚方面に引っ張られ、荷物を載せきった後に額に向けてすごいスピードで落ちてきて事件が起きる問題
見るつもりないんだけど、目の前の人のスマホ画面が目に入ってきちゃってLINEのやり取りとか一瞬見えちゃって、すごく真面目そうな人なのにLINEでの文体がめちゃめちゃフランクで笑っちゃう(みたいに自分の画面も後ろの人に見られてる可能性があることに気づかない)問題
お婆さんに席を譲って立ってたんだけど、すぐ目の前で座ってた人(お婆さんの隣)が駅で降りて席が空いて、さっきお婆さんに席を譲りたての自分はその席に座るわけにはいかないんだけど、明らかに自分はその空席の目の前に立ってて、他の人が空席に座ろうにも邪魔な状態というシチュエーション問題

とか、そういう問題に普段から気付いているかどうかが結構大事だと思うんです。

他にも、例えば「転職サイト」って呼びますけど、あれって新卒の学生向けのサイトが「就職サイト」だから、それとの対比というか識別のために「転職サイト」って呼ぶんでしょうけど、実際には、今現在、離職中の人からしたら「転職サイト」じゃなくて「就職サイト」なんですよね。

「転職サイト」という言葉自体に「今働いている人向け」というニュアンスが入っていて、一番必死に仕事を探している離職中の方々にとってはどこか排他的な感じがする、という問題に気づいているか、というお話です。

こういうことに気づけるかどうかは、普段から人々の「ニーズ」に着目してるのか「インサイト」に着目してるのかで差が出ると思います。

ここでいう「ニーズ」とは「人が自分で気づいている解決したい問題」のことです。一方で「インサイト」は「人がはっきりとは気づいていない問題」のことです。

どういうことか。
僕が一番好きな例えが「ディズニーのDVDを親が買う理由」です。

ディズニーDVDを買ったお母さんに「どうしてこのDVDを買ったんですか?」と聞くと、「子供をディズニーのファンタジーの世界に触れさせてあげたい」みたいな理由が出てくるのですが、それは「ニーズ」レベルの話で、「インサイト」というのは「自分が忙しい時間に一定期間子供をテレビに釘づけにしておきたい」というレベルの話です。

お母さんは、自分のその問題の解決のためにディズニーDVDを採用していることに気付いてすらいない可能性がある。本人すら気付いてないかもしれない問題のことをあなたが気付けているか?という問いです。

この力を試すためには簡単な方法があります。前に紹介した「人志松本のゆるせない話」の真似をすればいいんです。

「あなたの許せない話を教えてください」って問われて、瞬発力でどれだけの数と質が出るか。まさかそこで誰もが許せない当たり前な話してもつまらないでしょう。どれだけ、普通の人が気付かない、あるいは見逃している問題を捉えながら生きているか。それが問われます。

最後に、「ビジネスデベロップメント(事業開発)」の力をチェックするチカラのチェックシートを付けておきますので、セルフチェックしてみてください。

ビジネスデベロップメント22のスキル

22のチカラについて①から⑥までのレベルチェックが可能です。自分がお仕事で企画に携わってる人向けの内容ですので学生の皆さんからすると少しピンと来ないものもあるかもしれませんが、まあ雰囲気は分かっていただけると思います。また、事業の特性上、BtoBの方からしたら「カスタマーインサイト」は不用かもしれませんし、BtoCの方は「クライアントインサイト」は不用かもしれません。ご自分の事業に当てはめてチェックしてみてください。

実社会で活躍するレベルはオール④以上ぐらいが目安かもしれません。私的にはオール⑥を目指して精進したいものです。まだまだ日々修行です。

今回も読んでいただきありがとうございました^^

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