人工知能の定義
学習目標
人工知能や機械学習の定義を理解する。
人工知能とは何か
人工知能の大まかな分類
AI効果
人工知能とロボットの違い
キーワード:推論、認識、判断、エージェント、古典的な人工知能、機械学習、ディープラーニング
人工知能とは何か
人工知能という言葉は何年にどこで初めて使われた?
1956年にアメリカのダートマス大学に在籍していたジョン・マッカーシーが主催したダートマス会議の提案書において、人類史上初めて「人工知能(Artificial Intelligence)」という用語が使われたとされる。
会議は一ヶ月に及ぶもので、基本的にブレインストーミングの場であった。
関連記事:
人工知能とは何かについて、専門家の間で共有されている定義は何?
専門家によって意見や解釈が異なり共通の定義はない。
知性や知能の定義そのものがないので人工の知性・知能も定義できない。
推論、認識、判断などができる情報処理システムという見解に反対する研究者はあまりいないと思われるが、これだと定義の幅がかなり広くなり色々なものを人工知能と呼べてしまう。(現状、ビジネスなどでそうなっている)
人工知能の大まかな分類
書籍「エージェントアプローチ人工知能」はどのような視点で書かれている?
原題「Artifcial Intelligence – A Modern Approach」で、翻訳するとしたら「人工知能ーモダンなアプローチ」といった意味。Peter NorvigとStuart Russellによって書かれた。
日本語訳では「エージェントアプローチ人工知能」となっているのは、原書の帯に「The Intelligent Agent Book」とあり、全体が「エージェント」の観点から書かれているからだそう。
周りの状況を入力として処理し、行動を出力するプログラム(エージェント)という視点から人工知能を捉えている。
公式テキストにおける人工知能の4つのレベルを説明せよ
レベル1:単純な制御プログラム(行動や出力が決まっているもの)
レベル2:古典的な人工知能(探索・推論・知識データを利用する。広く実用化されている)
レベル3:機械学習(ビッグデータを利用し入力と出力の関係を学習する)
レベル4:深層学習(ディープラーニングで特徴量をデータから学習する)
レベル1の人工知能の例をあげよ
洗濯機の水量調整(あらかじめ行動が決まっている)
レベル2の人工知能の例をあげよ
診断プログラム(知識データと探索・推論を利用する)
レベル3の人工知能の例をあげよ
検索エンジンや交通渋滞予測など(多くのサンプルデータをもとに入力と出力の関係を学習)
レベル4の人工知能の例をあげよ
画像認識、音声認識、自動翻訳、ゲーム(将棋、囲碁、他)など。
レベル4は、画像認識、音声認識、自動翻訳などなどで応用されている。強化学習と組み合わせてプロの囲碁士に勝利するなど、近年発達が著しくAIの第3次ブームを引き起こす原因となった。
人工知能のレベル分類は全ての研究者に支持せれているか?
いいえ。人工知能の定義が研究者によって異なるので全ての研究者共通ではありません。
公式テキストによると、このレベル分けは「エージェントアプローチ人工知能」の視点を参考にした大まかな分類です。
また、知的エージェントの分類の仕方には様々なものが存在します。
レベル3とレベル4の違いを説明せよ
レベル3はパターン認識という研究をもとにしている。データから学習するが特徴量の計算の仕方などは人間が指定したものを使う(例えば、線形回帰など関数は決められたものを使う)。
レベル4は特徴量の計算の仕方そのものをデータから学ぶことができる。例えば、画像から犬や猫を識別する際に必要な情報を得る関数は人間によって与えられず、学習過程でデータから自動的に習得する。
AI効果
AI効果を説明せよ
人工知能として新しいことが実現されると、「それは自動化であって知能ではない」と結論する人間の心理的な効果。
AI効果で人工知能の貢献が少なく見積もられると主張する研究者がいる理由を説明せよ
人工知能が進化して実現されたものは、もはや知能ではないと受け止めれれるので、人工知能が進化するほど、求められるレベルが高くなるため。
人工知能とロボットの違い
ロボットの脳を研究するのが人工知能の研究ですか?理由を説明せよ。
それも含まれますが、物理的な身体がある必要はなく、人工的に思考したり判断したりすることを研究する。
人工知能の定義が一つに定まっていないので、研究者によって意見は異なるが、ロボットの脳を研究するだけに止まらないことは確か。また、ロボットの研究ではロボットの脳以外の部分(操作、移動など)を研究する。
以上。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?