インスタの投稿は日本人向けではない
私はインスタグラムで投稿することが苦手だ。
インスタグラム自体は、様々な情報に視覚的に触れることができ便利で楽しく愛用しているものの、自分も投稿するとなるとどうも自分自身の幸せを切り出して自慢する行為に思えて躊躇ってしまう。
インスタグラムが得意な知り合いの投稿を見ていると、ある共通点が見えてきた。それは「自己開示への抵抗のなさ」と、「こんな自慢に思われる投稿をしたら顰蹙を買わないか?という発想がないこと」の2つである。
彼ら彼女らのインスタグラム投稿の多くは、日常の中のお洒落な風景や料理、プレゼントされた高級品、素敵な旅行の写真、集団でワイワイしている写真などで構成されていて、それらを載せては大量の「いいね!」とフォロワーを稼いでいる。
彼ら彼女らがそれらの投稿を繰り返すモチベーション、意図はなんなのだろう?自慢したい、見栄を張りたい、羨ましがられたい、幸せな思い出を視覚的に綺麗に表現するのが好き、のいずれかなのだろうか。
そして驚くのが、そうした投稿の数々を、案外周囲がすんなりと受け入れていることだ。「嫌味な投稿!」と眉をひそめるのではなく、「わ~すご~い」と特に疑いもなくそのまま受け入れ、投稿が見せる世界観に憧れ、いいね!を押して肯定しているように見える。
そもそも、そうした投稿が自慢に見える層は淘汰されていく世界なのかもしれない。
割と多くの日本人は、インスタグラムに投稿することが苦手な気がする。
なぜなら日本人は伝統的に人目を気にして、集団の中の調和を重んじる人種だからだ。目立つことを恐れ、「こんなことをしたら顰蹙を買わないか?」ということを気にして、無難に謙虚に振る舞う傾向にある。
「インスタ、食べ物かペットしか投稿することない」なんて声が私の周りでは聞かれることもあるが、日本人的な感性を持っている人は、実際そのように『誰から見ても無難で楽しいコンテンツ』の発信に留まる傾向にあるような気がする。(※商業利用ではなく、インスタを個人が利用する場合)
インスタグラム自体、海外のSNSということもあり「自分の幸せを躊躇いなく人様に公開でき、尚且つ他人の投稿も邪推することなく表面そのままを受け止め面白がる感性を持った人」にしか向いていない気がする。
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