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もう茨城で生きていくと決めたから

離職当初、私は東京への未練が多すぎて、自分が住んでいる土地に目を向けることはしなかったのです。東京は眩しい。今でも都内に住んでいることはステータスだと思います。観たい美術展はたいてい都内だし、ほしい本はアマゾンしなくても即手に入ります。おまけに街を歩いているだけで、面白いもの、美しいもの、情報、勝手に目に飛び込んできます。

4年前から、茨城県の守谷市に住んでいます。それは夫の仕事が常総市内であり、当時の私の勤務先が新宿であり、始発で座って出勤できるからという極めて合理的理由であって、それ以上でもそれ以下でもありませんでした。東京の小さなコンサル会社で、書籍(参考書)や講座用の教材作成、社外向け文章のデザイン作成や校正、関係各所との連絡調整など上長の助手的な役割をしていました。

紆余曲折あり、仕事を辞め、カメラマンになることを決意しました。近くの写真事務所にお手伝いに行くようになり、働いていたときは東京と守谷の往来でしかなかったものが、1日のほとんどを守谷で過ごすようになりました。今考えると、やっと守谷に暮らし始めたという感覚です。そんな中で市内のフォトコンテストで大賞を受賞したことをきっかけに、地元で撮影のご依頼を受けることが少しずつ増えてきました。

撮影の際に手にした地元の商品がとっても美味しかったり、撮影した方のお人柄や取り組んでいる内容、なんて面白い人が多いんだろうと驚きました。

それから、暮らす中で気がつくことも沢山ありました。ぱっと見では目立たない居抜きのカレー屋さんが、芸術的でとっても美味しいカレーを出すなんてことを、一体この街に住む何人が知っているのだろう、なんて経験をしたのは、一度や二度ではありません。

2年前、私のことを知っている守谷の人は殆どいなかったと思います。ここで生きていくのは孤独で厳しいと思っていました。でもこの2年間で、ふと寂しくなったときにもふらりと立ち寄れて、世間話ができるお店ができました。自分を元気にしてくれる美味しいものも見つけられました。それは都内との往来をひたすらに続けていたら、きっと気がつかなかったことで、今の私にとっては自慢すべきものです。

だから私は、もっと地域に目を向けようと思いました。きれい事は言いません。これは自分自身のためでもあり、お節介にもこの感動を逐一、半径5メートルくらいの人に伝えたいという想いからです(一応ですが物理的ではなく心の距離が、です)。まだまだTX沿いのこと、それも表面しか知らないけれど、この「魅力度最下位」の皮をかぶった地域の本当の魅力を自分の目で見て、確かめ、記録したいと思ったのです。

上記の想いをもちまして、平塚みり、取材力向上委員会(仮)に立候補させていただきます。未経験の分野となるため、即戦力にはならないと思いますが、やる気と時間と撮影機材はたっぷりあります。ご査収のほど何卒よろしくお願い申し上げます。


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