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『医療的ケア児』と『重症心身障がい児』とは

医療,福祉職以外の方,リハビリの学生さんにもわかるように,今日は,私が関わっている子どもたちについて書きます.

「医療的ケア児」とは

痰の吸引や経管栄養,在宅酸素療法,必要に応じた人工呼吸器や胃ろうからの栄養補給(お腹に穴をあけ,直接胃の中に栄養をいれること)などの医療的ケアが日常的に必要な子どもたちのことを「医療的ケア児」といいます.

「重症心身障がい児」とは

肢体不自由(運動障がい)と知的障がいがともに重度で重複している障がいをもつ子どもたちのことを「重症心身障がい児」といいます.

そして,重症心身障がい児(者)という言葉は,児童福祉法第43条の4に規定されている行政用語であり,医学的診断名ではありません.

そのため,世界共通の呼び方ではなく,日本特有の名称です.

重症心身障害を英語に直すと,

「severe motor and intellectual disabilities:SMID」となり,

直訳では,

「重度の運動と知的能力の障がい」という表現となります.

2016年の厚生労働科学研究班の報告によると,我が国の医療的ケア児は約1.7万人(推計)であり,医学的進歩により,年々その数は右肩上がりで増えています(図).

重い障がいをもつ子ども達,医療的ケアを必要とする子ども達は増えていますが,実際に,その支援には,専門的な知識と技術,設備が必要なため,必要な時にすぐあずけられる環境がないということがおこっています.

在宅で暮らしている場合には,ご家族,そして御きょうだい児の抱える問題も多いとお聞きします.

この事実が,当事者,ご家族,関係者以外の方々にも広く知ってもらえると嬉しいです.

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