タルコフ懐古厨の鳴き声

Escape From Tarkovというシューティングゲームをご存知だろうか。
遊べば遊ぶほどにステータスが上がり、強い装備が使えるようになるのが特徴のゲームだ。それをチーターが摘み取る。
そんなTarkovを久しぶりにプレイしてみて驚いたのは、強い装備に対する締め付けの強化と、それによるRatの増加だ。
Tarkovはある程度(現在はレベル15)進めることでフリーマーケットという機能が開放され、トレーダー(ショップ)での取引だけでなく、プレイヤー間での取引ができるようになる。
それによって、かつてのTarkovは金さえあればどんな装備でも作れる、というのが特徴だった。フリーマーケットさえ開放すれば、最高クラスであるクラス6のアーマーに、そのクラス6アーマーを貫通する弾薬を使えた。
そして、当時の初心者はクラス2のPACAアーマーに、クラス4アーマーにも対応できないM855弾のような装備で立ち向かうしかなかったのだ。
それでは、現在のTarkovはどうだろうか。
まず、フリーマーケットを開放しても強い装備は買えない。アーマー、弾薬ともに、クラス4程度までしか出品できなくなったからだ。それどころかM855ですら入手困難になった。
つまり、トレーダー機能の重要性が増し、『トレーダーから買うとお得』ではなく、『トレーダーからしか買えない』という状態になった。強い装備を買うには、ゲーム内でタスク(ミッション)を進めてレベルを上げ、トレーダーと友好的な関係を築く必要がある。
これは一見すると初心者に有利な調整に思えるが、実際は違う。初心者はそのタスクのやり方も分からなければ、広大なマップを歩く土地勘も無いのだ。
そして、タスクは進められないが強力な装備が欲しい、そんな時に行われるのが『Rat』と呼ばれるプレイスタイルだ。
Ratは武器一本で下剋上を狙うプレイスタイルで、『MP-153』という安価なセミオートショットガンがよく用いられる。かつては『KS-23M』が定番だったが、これも出品不可になった。
Tarkovはシステム上、ショットガンが有利である。1発あたりの総ダメージが多く、広範囲にダメージを与えるからである。そしてRatはアーマーを装備できない脚を撃ち、体力を削り切る『足撃ち』戦法が主体、だった。
装備が規制され、Piranha弾が登場するまでは。
PiranhaはJaegarの信頼度2、つまりフリーマーケットが開放される15レベルから使える。そして250という足撃ち2発で敵を倒せるダメージと、柔らかいアーマーなら即死部位を狙える24の貫通を持つ。
つまり、当たれば勝てる。
それまでもFlechetteという似た性能の弾薬は存在したが、2発で倒せるダメージは無く、トレーダーでの開放も遅かった。
そんな『高貫通ショットガン』が容易になった現在の環境はといえば、近距離戦マップであり、初心者向けタスクも多い『Factory』には、PiranhaのRatが3割ほど居る。残りは猛者とチーターだ。
この状況は確かに初心者が『Tarkov』の醍醐味である理不尽な死を体験しやすいが、それと同時に初心者のハードルを上げているようにも思える。買い切りのゲームだから売れた時点で勝ちと言われればそれまでだが。
そしてTarkovには、こんな文句を垂れながらも遊んでしまう魅力がある。


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