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詩をまとめたマガジンです。
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#詩みたいなもの

筆を走らせ なんてつまらぬ文だと思うのだ 凝り固まり 時が過ぎれば面白さのかけらも 心の動き…

虎がらの蝶が 視界の隅へと 滑り込み チラチラと 鮮やかに古びていく 踵を元の位置へ 長く弧…

花がきれいだと ジョウロへ水をとばし 半歩 進む 短い影

寡黙

よくみてみよ 何をほっている 形なくまどろみたい そう願っているのだ 静かに空を呼んできて…

押し花

白く浮きでた 押し花を 崩さぬよう持ち上げ 掬えているかと 首を傾げた 畳の隅

つぶ

カタチあるようなの粒が のびた息の上に 早くなる足音の横へ 空も見えぬ 日差しの上に 雪に…

桟の小石

枠のついたガラスに 風に揺られた光が 虚い見え隠れする 右端に決してとどかず 桟に挟まった小石へと 時がふるえ 胸に拍子が溶け込むよ

ゲタ音

鯉が砂を流れるよ お前は私の鏡かも 音が爪を跳ねる 私はお前の記憶だよ フラフラ揺れて綺麗…

ゆきどけ

水面を滑るように 千切れた雪が渡る なぁ 橋が欠けるよ 湯を沸かしたかい あぁ 船が浮い…