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Spoonで音楽活動を始めたい人へ①【導入編】

コロナ禍でライブハウスやコンサート会場などの音楽をする場が次々と利用を制限される中、音楽活動をする場を求めて配信アプリを始めたという人も少なくないだろう。かく言う僕もそのひとりだった。

今回の記事は、そういったもともと音楽活動をしていた人たちがSpoonというアプリにうまくアジャストできるように、Spoonには独特の文化や風潮があることを予め理解してもらうためのまとめのようなものなので、「本当にこのアプリでいいのか?」といったところも含めて検討の参考にしてもらいたい。

Spoonをインストールする前に

まず最初の大前提として、Spoonは配信アプリというよりも音声配信機能の備わったSNSという側面が強いということだ。Spoonは匿名での参加ができない。いや、厳密にいうとできないわけではないのだが、ほとんどのユーザーがスマホから利用しているので、ほぼアカウント制といって差し支えない。

つまり、DJやリスナーを問わず、SpoonというSNSのユーザーという意味でそれぞれにアイデンティティがある存在なのだ。そうなってくると、当然横のつながりも増えていく。配信そのものよりも、人とのコミュニケーションを求めてSpoonが自分の居場所になっている人もかなりいる。

何が言いたいのかというと、純粋に音楽活動だけをしたい人にとっては向かないアプリだということだ。人と人との繋がりが強いぶん、それだけ人間関係の面倒臭さやトラブルはつきものだ。DJがどんなに気をつけていても、リスナー同士がお気に入りのDJを巡って争いになってしまうこともある。

もちろん、人間関係を割り切って活動していくことも不可能ではないが、もしそういうことがストレスに感じるようであれば、悪い事は言わない。今のうちにSpoonは選択肢から外しておいた方がいい。

もう一度言う。SpoonはSNSである。

インストールしたらやるべきこと

SpoonはSNSであるという前提を知った上で、それでもインストールしたというならそういった人間関係のストレスを受け入れる覚悟があるということだろう。おめでとう、これであなたも晴れてひとりのスプナーだ。

期待に胸を膨らませながらLIVE配信を開始してみたものの、待てど暮らせどリスナーは来ない。10分、20分と経つうちにだいたいの人が30分くらいで心が折れ二度とSpoonを開きたいと思わなくなるだろう。

よくよく考えてみて欲しい。あなたが今までどれだけ熱心に音楽活動をしてきたとしても、Spoonではただの新規ユーザーだ。FANだってほとんどいない状況で見ず知らずの人の弾き語りや演奏を聴きにきてくれるような物好きはいない。とくにSpoonはDJの格差が大きく、有名なDJの配信に人が集まりやすい仕組みになっている。

あなたが超絶イケメンor美人だったりするなら話は別だ。自信のある自撮り画像をアイコンと背景にすれば、Spoonを始めたてでも(少なくとも異性の)リスナーが配信に押し寄せることだろう。ただそこまでビジュアルに自信があるなら、あなたはSpoonをやるべきではないし、そもそも音声配信アプリを選んだ時点でそういうことなんだろうと拝察する。

LIVE配信に人が来て欲しいと思うなら、まずはあなたが配信をしているということを知ってもらわないといけないのだ。そのためにもLIVE配信をする前に下準備をしておく必要がある。それは、CASTに自分の音源を投稿することと、他のDJの配信を聴きにいくことだ。

CASTに自分の音源を投稿する

SpoonにはLIVEの他にCASTやTALKという配信スタイルがある。簡単に説明すると、LIVEは生放送、CASTは録音、TALKは短めのセリフ投稿向きといったところだ。音源を投稿するならCASTが向いている。

CASTのいいところは、投稿さえしておけば時間帯問わずに聞いてもらえるということだ。LIVE配信は長くても2時間が限度だ。1日24時間の中で自分が配信している2時間のうちに、他にもたくさん配信があるにも関わらず、たまたま自分の演奏や弾き語りを良いと思って聴きに来てくれる人がいる確率は極めて低いだろう。

その点CASTは投稿しておけば自分が削除しない限り残り続けるし、その分聴いてもらえるチャンスが多い。CASTを聴いてくれる人の中で良いなと思ってくれた人がFANとなって、いざLIVE配信をした時に聴きに来てくれるのだ。

他のDJの配信を聴きにいく

Spoonには“♫弾き語り/歌”という配信カテゴリがある。そこで他のDJのLIVE配信に何度か入室して自分を知ってもらえば、そこのDJやリスナー達と繋がりができて自分のLIVE配信を聴きに来てくれる確率が高くなる。先に述べたCASTがあれば、自己紹介もスムーズだろう。ここでポイントは、アクティブリスナー数が5〜10名以下の配信を選ぶことだ。

アクティブの多い配信だとDJが配信を回すのに手一杯で自分を知ってもらうどころか相手さえしてもらえないことが多い。面倒臭い信者のようなリスナーがいることも多く、その人たちを差し置いて自己紹介しようものなら目をつけられて後々面倒なことになりかねない。逆にアクティブ数が少なすぎると、DJと常連との結びつきが強くて会話に入りづらかったり、好みでない音楽だった時に抜けたくても抜けにくくなる。

もちろん最初から宣伝する気満々で入室するのはマナー違反だ。そのDJの配信にちょくちょく通うことを考えると、ある程度自分と音楽の趣味が合う配信を選んで入室した方がいいのは言うまでもない。ステルス機能を駆使してそういう配信を見つけると良いだろう。

また、Spoonでは有志のユーザーが運営しているオープンマイクがある。コラボ機能を利用して自分の演奏や弾き語りを他のリスナーに聴いてもらえるし、横の繋がりも作りやすい。誰でも参加できるので、Spoonで音楽活動を始めた人はオープンマイクに積極的に参加してみるのも良いだろう。

導入編のまとめ

ここまで述べてきた中で、Spoonで活動していくには人との繋がりを構築しないといけないのは理解してもらえただろう。そのためにやるべきことは、自分が配信をすることよりも、人の配信に興味を持つことの方が大切だ。なぜなら、人は自分に興味を持ってくれる人に良い印象を持つという傾向があるからだ。特にSpoonのユーザーは他のアプリに比べてそういう傾向が強い。なぜならば…

SpoonはSNSだからだ。

次回以降このシリーズでは、Spoonの弾き語りカテゴリのリスナーの傾向や、マネージャーという文化、リレーに対する考え方なども述べていこうと思う。

<次章>

Spoonで音楽活動を始めたい人へ②〜リスナー編〜

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