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食道の疾患【読学 No.001】

解説の前に・・・


こんにちは。西島ゼミです。

今回、
「読んで学ぶ西島ゼミ:読学(どくがく)」
の初投稿です!!


初投稿は、
内科学テキスト「C-1:食道の疾患」です。

※テキストに関して
どう配布するか検討中です・・・
とりあえず、欲しい方はInstagramの方にDM下さい。


それでは、早速解説に移ります。
今回は「食道の疾患」についてです!

内科学 C-1:食道の疾患

動画もあります⇩



大枠を捉えよ!!

まず、学習を進めるにあたり、
西島が重要視しているテーマがあります。

「大枠を捉えよ!!」

です!!

簡単に言うと、
ポイント、ポイントで学習しても
知識はすぐに忘れてしまいます。
(⇧国試は暗記量が多いのでコレが天敵)

しかし、大枠を捉え、
いわば知識の収納場所を作っておくと、
忘れにくくなります!!


今回の場合では、
まず、国試に出題される食道の疾患は、
「食道癌」「食道静脈瘤」
「アカラシア」「逆流性食道炎」
この4つであり、

自分の頭に
「食道の疾患といえば、4つの疾患」という
大枠を作ります⇩イメージ図参照
(今、暗記してしまいましょー!!)

食道の疾患(大枠を捉えよ)


このように大枠を捉えた上で、
それぞれの知識を学習していきます!

シッカリと大枠を作る・全体を明確にする
ことで知識がゴチャゴチャにならず、
”整理された状態”になります。

大枠を作らないで学習すると、
食道癌の症状なのか、
食道静脈瘤の症状なのか、
という知識が
ゴチャゴチャになってしまいます。

なので、大枠を捉え、
整理して知識を身に付けていくことが
とても重要になります!!
【整理整頓って大事!幼稚園で習うこと!w】


❶食道癌

では、大枠を捉えた上で、
1つ目の疾患「食道癌」について
勉強していきます。

まず、発生頻度ですが、
次の疾患の「食道静脈瘤」もですが、

 発生頻度:”中下部に多い”
(中部:50% > 下部:25%)

です。

合わせて、「食道の解剖学(構造)」なんかも
復習しておくと良いですね⇩

食道の構造

詳しくは、動画見て下さい⇧



次に、

「扁平上皮癌」が多い

これについて、補足します!


癌とは、
異常に発生・増殖した細胞なわけですが、
その細胞の性質は上皮組織の種類を受け継ぐことが多いです。

なので、食道癌では
食道の上皮組織=重層扁平上皮 なので、
「扁平上皮癌」という種類が多い!
ということになります。


次に、食道癌の好発者についてです⬇︎

食道癌(好発者)


✅60歳以上の男性
✅飲酒・喫煙・熱い食物・添加物

コレを、どんな人かイメージすると…
「仕事帰りにおでんの屋台で酒呑むおじさん」
こんな感じで、
イメージで頭に入れておくと
忘れにくくなります⬇︎


また、
❌ ヘリコバクターピロリ菌
コレは、食道癌の原因にはならず、
ピロリ菌といえば
「胃の疾患」の原因になります!

ピロリ菌はなんかの疾患の原因になるものだったけど、なんだったかなぁ???
食道?胃?腸?

頭の中がこんな状態だと、
国試では間違えてしまいます。

国試では、
このように知識をごちゃ混ぜにして、
問題が作られているので、
冒頭でも述べましたが、
知識を整理して身に付けていくことが大切です。


最後に症状についてです⬇︎

食道癌の症状


癌組織が食道にできれば、
✅食道狭窄感
✅嚥下痛(飲み込んだ時痛い)

あとは、
食道の前方に位置する「声帯」も圧迫を受け
✅嗄声(かすれ声)

嚥下痛などによる食欲低下から
✅体重減少

というのは、
食道に異物が発生したことをイメージすると、
自然と思い浮かびやすいかと思います!
(何事もイメージが大事!!)


と、このような感じで、
食道の疾患4つ
食道癌・食道静脈瘤
アカラシア・逆流性食道炎
のうちの、「食道癌」についての知識を
学習しました。

まとめておきます⇩

【食道癌】
✅ 中下部に多い
✅ 扁平上皮癌が多い
✅ 好発者:仕事後に屋台で呑む中年男性
✅ 症状:食道に異物発生をイメージ

こんな感じで知識を定着させましょう!!



❷食道静脈瘤


続いて、食道静脈瘤についてです。


まず、発生部位は、食道癌と同じく

✅ 中下部に多い
です!


次に、原因として
肝硬変などで生じる「門脈圧亢進」があります。

ココが非常に重要なポイントなので、
解説していきます!!

まず、解剖学の復習です。

肝臓へ流入する「門脈」ですが、
門脈へは、どのような静脈が流れるか分かりますか???

国試頻出知識です!!
(何も見ず答えてみましょう!!)



【門脈へ流入する静脈】

✅ 左右胃静脈
✅ 脾静脈
✅ 上腸間膜静脈
✅ 下腸間膜静脈

です!!

そして、「門脈圧亢進」というのは、
簡単に言うと、門脈の通り道が流れにくくなっている状態です。

そしてそして
門脈圧亢進は以下の症状をきたします。

✅ 食道静脈瘤
✅ 脾腫
✅ 腹壁静脈怒張(メデューサの頭)
など

左右胃静脈の流れが悪くなり、
側副循環路(代わりの道)を食道へ形成し、
その影響により「食道静脈瘤」となります。

脾静脈の流れが悪くなり、
脾臓が腫れる「脾腫」となります。

静脈の流れが悪くなるので、
腹壁の静脈が怒張(メデューサの頭
となります。


このように、門脈圧亢進の症状を
門脈へ流入する静脈の流れが悪くなることを
イメージすることから
連想できるようになると良いです!!
(つまらない暗記を、連想ゲームへ)

そして、食道静脈瘤から
少し話が広がってしまいましたが

肝硬変

門脈圧亢進

食道静脈瘤

という、繋がりがあることを
理解しましょう!!

では次に、食道静脈瘤の症状についてです。

食道静脈瘤の症状

静脈瘤(静脈がコブのように膨れる)で
血管の障害なので、
出血を生じることがあり、
吐血(口から血を吐く)がみられます。

この吐血の色が国試対策的に重要で、
赤色の吐血になります。

対して、
コーヒー残渣様(コーヒーの残りカス:黒褐色)の吐血は、
胃酸の影響により血が酸化したもの”になります。

つまり、胃を通ってくる吐血なので、
胃や腸の出血が原因となります。

今回の食道静脈瘤の症状としては、

✅ 赤色の吐血

が重要なので、しっかり覚えましょう!


前術した繋がりに追加します⬇︎

肝硬変

門脈圧亢進

食道静脈瘤

赤色の吐血

この繋がりが重要ポイントになります!!

1つ例題を見てみましょう⇩
上記繋がりが見えていれば簡単です。

PTOT第50回-AM95




答えは3.食道静脈瘤です。

なかなか、普通に肝硬変の勉強をしていても、
吐血に繋がらないかと思います。
色々な知識を繋げることが、
国試の問題を解く上でも重要になります!




❸アカラシア


続いて、食道の疾患3つ目、アカラシアです。

食道の疾患3つ目!(アカラシア)


アカラシアって、
勉強していないと、何の疾患なのか
サッパリ分からないかと思います。

(食道静脈瘤とかなら、名前からイメージできます。)

正直、国試対策の重要度としては、
めちゃくちゃ低く、
誤りの選択肢の1つとして
出題された程度です。


なので、超シンプルに

✅ アカラシア=下部食道括約筋の弛緩障害

コレだけ覚える!で良いかと思います。
食道の弛緩障害、つまり嚥下障害です。

嚥下の過程の食道期といえば、
蠕動運動により食べ物を胃へ送る
役割になります。

嚥下

(嚥下について曖昧な方は復習しましょうね⬆︎  解説動画リンク

ちなみに、アカラシアという言葉は、
ギリシャ語で「弛緩することがない」
という意味になります。


そして、食道の構造ですが、
上部は骨格筋(随意筋)
下部は平滑筋(不随意筋)
という特徴も合わせてチェックしておきましょう!!⬇︎

食道の構造



色々説明しましたが、
ここではコレだけ

✅ アカラシア=下部食道括約筋の弛緩障害

まずはコレだけ覚えましょう!


❹逆流性食道炎

最後に逆流性食道炎です。


アカラシアと違って
逆流性食道炎の名前から
ある程度イメージがつくかと思います。

・逆流する
・食道が炎症をおこす

こんな感じなのは分かるかと思います。

では、逆流とは、何が逆流するのでしょう?

答えとしては、「胃酸」です!

胃酸が逆流し、胃酸は強酸なので
食道が炎症を起こします。

さらに、食道の粘膜が損傷してしまうことを、
「バレット食道」と言います。

※バレットというのはイギリスの外科医の名前
(こういう名前を覚えるのが大変ですね。)


逆流性食道炎の原因としては、
✅ 胃切除術後
✅ 胃酸の増える食生活
などがあります。

胃を切除すると、胃が小さくなり、
少し食べただけで、胃がパンパンになり、
逆流しやすくなってしまいます。


それでは、
食道の疾患についての解説は以上になります。

① 食道癌
② 食道静脈瘤
③ アカラシア
④ 逆流性食道炎

4つに分け大枠を作り、それぞれ見ないで特徴を言えるように知識をつけていきましょう!

勉強において、「見ないで言える」というのは非常に大切です。


確認問題(準備中)

PTOT第57回AM92


食道癌の問題です。
まず、食道の疾患4つに分けたウチの①ということを意識して思い出しましょう。

今回学んだ知識で、
大体は解けるかと思います。


1.女性に多い

好発者は、
✅仕事帰りに、おでんの屋台でお酒を飲む中年男性

なので、❌です。


2.腺癌が90%を占める

コレは、食道は重層扁平上皮であり、
「扁平上皮癌」が多いので、❌


3.リンパ性転移は稀である。

コレは、解説していない知識ですが、
リンパ性転移は多いので、❌


4.飲酒、喫煙は発症に関与する

コレは、屋台で酒飲む中年男性
で、関与します。コレが⭕️です。


5.中部食道よりも下部食道の発症率が高い

コレは、中下部が多いのですが、
中部50%、下部25%程度で中部の方が多いので、❌です。


ということで、答えは4.になります。




食道癌について、もう1題⬇︎

PTOT第55回AM92


・・・今後、追記していきますm(__)m


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