2019年声優曲kieru的BAEST10

■はじめに。
個人用メモ。これは2019年の声優曲の記憶を保存しておくメモです。
①~⑩は発売順で並べました。
楽曲の良さもあるが、個人的な記憶と深く結びついた楽曲について
言語化しておくことが重要であると考えています。

■2019年声優曲kieru的BAEST10
①土曜日のフライト/Wake Up, Girls!
②I swear/sweet ARMS
③群青インフィニティ/東山奈央
④Future Is Now!/Sphere
⑤バナナチョモランマの乱 (無修正版)/悠木碧
⑥輪!Moon!dass!cry!/田中 望(CV:赤﨑千夏)、菊池 茜(CV:戸松 遥)、鷺宮しおり(CV:豊崎愛生)
⑦幸せのかたち/高垣彩陽
⑧生きる/安野希世乃
⑨Share the light/Run Girls, Run!
⑩Revelation/芹澤優

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①土曜日のフライト/Wake Up, Girls!
発売日:2019/1/23
作詞:只野菜摘
作曲:田中秀和(MONACA)
(アルバム「Wake Up, Best! MEMORIAL」収録曲)

2019年3月8日さいたまスーパーアリーナのラストライブ
「Wake Up,Girls! FINAL LIVE~想い出のパレード~」に参加しました。
私とWUGちゃんの出会いは
劇場版『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』から始まりました。
ネット界隈で話題になっていたので劇場アニメを観に行った覚えがある。
当時は一つのアイドルアニメ映画という形でのモチベーションでした。
しかしながら「Wake Up, Girls! 青春の影 / Beyond the Bottom」を観て、
劇場で「少女交響曲」(2015年)を聴いた瞬間、脳みその構造が変わったかのような衝撃を受けた。
そこからこの楽曲は是非生歌唱を聴いてみたい、という思いが強くなり、
ライブへ行き始めたことがきっかけで、WUGのことをどんどん好きになっていった。
楽曲の繊細さや7人でのダンスパフォーマンス、
それらがすべて代用が効かない一級品のものだと感じた。
そして時は経過し、ラストライブが訪れた。
ファイナルツアーの際に披露された曲は、
どれも素晴らしい曲たちであった。
・さようならのパレード
・土曜日のフライト
・言葉の結晶
・海そしてシャッター通り
個人的に一番心を揺さぶられたのは「土曜日のフライト」である。

”忘れないででも上手に忘れて
悔しい怖い泣きたいもうそのレベルじゃない”

というフレーズが心の深くに染み渡るように感じた。
こんなにも歌詞の深度が深い曲に私は出会ったことがなかったのだろう。
そういう気持ちにさせてくれる奇跡の曲であった。
どこか儚げなシティポップっぽさなメロディからはいって
やはりどこか儚げな歌詞。
WUGが解散してしまってから次のステージを不安げに彷徨う少女たちの気持ち。
別の未来へ歩く決断や卒業、
そういったニュアンスをフライトに例えていて。
でもこのWUGで培った魂とプライドを信じて歩んでいき、
これまでの活動が意味のあるものだったことを証明しないと。
うまく言葉に出来ない別れと決意がこの歌詞にのって歌唱される。
いつ聴いても泣けてくるし、元気もでてくる。

土曜日のフライト / Wake Up, Girls!
https://www.youtube.com/watch?v=qrK28mYnyF4

②I swear/sweet ARMS
発売日:2019/1/30
作詞:渡部紫緒
作曲:坂部剛
編曲:坂部剛
(TVアニメ「デート・ア・ライブⅢ」オープニング・テーマ)

2019/03/17(日)
TVアニメ「デート・ア・ライブIII」オープニング・テーマ
「I swear」発売記念 sweet ARMSスペシャルイベント
が開催された。
03/08にWUGは解散した翌々週のイベントである。
sweet ARMSのメンバーは当初全員がプロダクション・エースに所属していたが、
現在は野水伊織を除き事務所を辞している。
佐土原かおりは声優同士で結婚をし、女児を出産して、
元気に子育てツイートをしている。
そんな声優ユニットなのだけれどCD発売記念イベントがある。
そしてその中で新曲を歌唱し、
ハイタッチお見送りイベントがあり。
いわゆる表の活動を開催してくれたのである。
これもまた一つの奇跡だったように思える。
日本コロムビアの担当者が「まだ解散させなくてよかった」
(まだデート・ア・ライブがアニメ化する人気があり、
その主題歌をお願いしたら快く四人が引き受けてくれた、という意味も含む)
というコメントを残しており、
あえて解散を宣言しなくてもよい声優ユニットのありがたさ
というのを実感したのを覚えている。
もう一度この四人の歌う姿をみれた
(これが最後かもしれないという気配も感じながら)というのがとても印象的だった。

今までのデート・ア・ライブの曲同様に、
落ち着きのある弦楽器がベースのメロディを作っているが、
ピアノにドラムにギターとバンドサウンドの面もあって、
両方の調和がまたバランスがよい。
そしてこの四人の声優のハーモニーが抜群に安定している。
ひとりひとりのソロで飛び抜けて歌唱が上手いとか、
そのソロを曲の中で魅せていくという楽曲ではない。
このハーモニーのバランスの抜群の良さは
数ある声優ユニットでもめったに聴けないように思える。

もちろん発売記念イベントで生歌唱するときは振付のパフォーマンスも込みであり、
そういう面も含めて素晴らしいイベントであった。
(2015年8月19日の「Invisible Date」
(アニメ映画『劇場版デート・ア・ライブ 万由里ジャッジメント』主題歌)
のCDを発売を最後に4年間なにも活動がなかったにも関わらず振付込みの歌唱パフォーマンスをしてくれた!!!)
しかしながら、
この「I swear」発売記念sweet ARMSスペシャルイベント
に来場していたファンたちは彼女たちの姿を待ち望んでいて、
単なるCDのリリイベがWアンコールをするまでのイベントになった。
あの場所ですごいことが行われていたという感覚。
その記憶はこの楽曲とともに記憶に留めておきたいと思う。
WUG解散ライブの後ということもあり、
コンテンツとその運命と共にある声優ユニットのそれぞれを道を垣間見たとも言える。
sweet ARMSは元々「うぽって!! 」のアニメで組まれたユニットではあるが、
「デート・ア・ライブ」の力で「デート・ア・ライブ」御用達声優ユニットになった。
そういう数奇な運命も感慨深い。

備考。
このシングルのカップリング「甘言誘惑Receptor」は
作詞を野水伊織が担当しており、
そういう声優層活動の場所、そして発表の場所を作ってくれた
日本コロンビアの担当者には感謝しかない。

sweet ARMS / I swear(TVアニメ「デート・ア・ライブIII」オープニング・テーマ)
https://www.youtube.com/watch?v=QAjpD99EhSU

③群青インフィニティ/東山奈央
発売日:2019/4/3
作詞:東山奈央
作曲:東山奈央
編曲:WEST GROUND

東山奈央の作詞作曲で
このドライブ感、疾走感ある楽曲がかけるという才能にひれ伏す。
プロの技を感じるまでの才能だと個人的には思う。
曲の構成がオタクが好きそうな構成だし、
歌詞については東山奈央ちゃんのエールが、
その真摯な言葉で綴られる。
夢を真面目に追いかけてきた東山奈央ちゃんが送る
将来の夢を追いかける人に対する
エールの歌、希望の歌というのがなんとも感慨深い。
===
贈ろう 君の胸この花束を
踏み出せないならば追い風になろうか
Take you away 飛行機雲を越してけ
掲げた夢やプライド自分の手で挫くなよ
叫ぼう 何度も何度も声が枯れても
僕ら無敵なんだ笑い会えるから
そうさ行こう one way
===
このサビの部分が本当にエモい。
夢への一歩を踏み出せないなら、
東山奈央ちゃんが追い風になろうと言っている。
一緒に笑いあえたら無敵だよね☆と言っている。
東山奈央ちゃんらしいファンへのエールの贈り方だと言える。
また、個人的には以下の歌詞部分も兎に角エモい。
===
澄み切った青空
遠く離れていくはじまりの場所
千の言葉よりも旅立ちの歌を
いつかあの夢に届くまで
===
これはファンに対しての応援という意味も含められているが、
きっと東山奈央ちゃん自身の過去の
”あの頃”に向かってエールを送っているとも捉えられる。
色んな言葉が将来の夢を目指していた自分に送ってやりたいが、
その思い浮かぶ千の言葉よりも
旅立ちの歌=この歌をあの夢に届くまで歌うことが一番効果的である、
みたいなニュアンスを感じられる。
それをファンに届けよう、
とこの歌詞を綴る東山奈央ちゃんの気持ちの強さが伝わってくる。

またMVも秀逸。
青空に青い海。
そこでバンドメンバーと共に歌唱する東山奈央ちゃん。
非常に爽快感と疾走感ある曲が流れていく。
めちゃちゃに気持ちがいいし、
サビ前にバンドメンバーと一緒にジャンプするシーンも秀逸。
(ライブでも同じようにそのタイミングでジャンプするやつも楽しい)
そして個人的に気に入っているシーンは、
(設定として)アルバイトしている喫茶店でスプーンを持って
歌を歌う練習をしている、夢をみ始めている少女のシーンがとてもいい。
アイカツ的にはおしゃもじをマイクに持ち替えて、的な演出。
将来を夢見る少女に対して、
明確な意思をもってエールを伝える、みたいなニュアンスが映像にも反映されている。
楽曲、歌詞、MVどれもが東山奈央ちゃんの伝えたいことで構成されていて、
それが気持ちよく受け取ることができる楽曲。
これがすでに完成された形で表現できている東山奈央に称賛せざるを得ない。

東山奈央「群青インフィニティ」Music Video(Short ver.)
https://www.youtube.com/watch?v=1mdHxygKEzo

④Future Is Now!/Sphere
発売日:2019/5/8
作詞:shilo
作曲:shilo
(スフィア活動10周年アルバム「10s」収録)

スフィア活動10周年記念アルバム収録曲。
スフィア1stシングル「Future Stream」を意識した楽曲。
1stシングルで夢を描いていた未来がまさに10年後の今であり、
それが楽曲の形となって表現したのがまさに「Future Is Now!」である。
===
ずっと夢見てたことだって
リアルに変わる瞬間が今ほら
Yes, future is NOW
あの時見せた涙だって
この瞬間だけを待っていたんだ
Yes, future is NOW
Yes, future is NOW
===
10周年記念アルバム収録曲の「Music Power→!!!!」
もスフィア自身のことを歌詞にしていて
10周年だからこその歌詞が心に染みてくるし、
むしろ全体の楽曲バランスで言えば「Music Power→!!!!」の方が力強い楽曲であると言える。
また「Music Power→!!!!」は
作詞:スフィア/rino
作曲:rino
でずっと裏でスフィアを支えていたrinoさんの
スフィア愛があふれる楽曲に仕上がっている。
また、それぞれのスフィアメンバーがリレー形式で歌詞を綴ってできた曲でもある。
それぞれが伝えたい言葉を歌詞につなぎ込めていくという楽曲制作のやり方は
長い充電期間があってこその力作である。
しかしながら実際にライブで観た「Future Is Now!」は涙なしで観られなかった。
生の「Future Is Now!」の体感は私の人生において素晴らしい声優体験になった。
それは「Future Is Now!」の間奏時の振付である。
過去のスフィアの曲の振付を四人が順々に披露しており、
過去のすべてのライブの記憶がフラッシュバックのように蘇って来るという体験。
この体験は他では味わうことができない声優体験であったと言える。
時間と空間を飛び越えてこの10年の軌跡が、
この楽曲と振付けと、そして歌声となって表現されている。

⑤バナナチョモランマの乱 (無修正版)/悠木碧
発売日:2019/6/12
作詞:悠木碧
作曲:山田智和
編曲:佐藤清喜
(アルバム「ボイスサンプル」収録曲)

悠木碧のハチャメチャなセンスが散りばめられたおバカ声優ソング。
一度聴いて何度もリピートしてもわけがわからない。
そもそも「ボイスサンプル」アルバムは
悠木碧が演じてきた思い入れの強い役や自身の世界観を意識した
”悠木碧の名刺代わりのアルバム”というコンセプトで仕上がっている。
※本人インタヴューいわく「よく任せていただけるラインの配役」を意識した楽曲制作だった。
個人的にそれぞれの楽曲についての所感を整理しておく。
・ランブリン ハンブリン:
 正統派恋愛シミュレーションゲームのヒロインのキャラソンみたい
・Counterattack of a wimp:
 BUMP OF CHICKEN好きそう。ちょっとpetit milady楽曲っぽさある。
・Fairy in the hurdy-gurdy:
 「プティパ」「メリバ」にみられるファンタジーな楽曲
・くれなゐ月見酒
 FGOの酒天童子曲
・永遠ラビリンス
 『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』OPテーマ
・死線上の華
 幼女戦記イメージ曲
・Carve a Life
 UNISON SQUARE GARDENの「シュガーソングとビターステップ」っぽさ!
・バナナチョモランマの乱 (無修正版)
 アホガールっぽさ!
・Logicania distance
 表題曲でMVで映像化した曲。作詞:悠木碧でもあって、
 悠木碧のダークなファンタジーなメリバな世界観っぽさ
・ふわふわらびっと
 もふもふ可愛いやつ。そういう一面もあるよね!
・帰る場所があるということ
 『ピアノの森』EDテーマ
 ※リリイベ時に少しお話した際、
  「最後にこの曲があってすごく心が落ち着くます」
  みたいな感想を述べたら、気さくに
  「この楽曲があって最後の曲として良かった。救われた」
  みたいなことを返答された記憶がある。

そんなめちゃくちゃな楽曲の振り幅があるアルバムであったが、
悠木碧本人の希望でオーケストラコンサートを開催することになった。
10/22(火・祝)悠木碧 1st Orchestra Concert「レナトス」
フルオーケストラのコンサートなんて初めて参加するし、
生のパーカッションや管絃楽器の音圧に圧倒させられた。
その中でもアンコールの後の最後の曲として
「バナナチョモランマの乱 (無修正版)」が歌唱された。
この楽曲をオーケストラでやるという破天荒さもあり、
さらにパーカッション系(あんまり演奏がない)プロの演奏家たちが
東京芸術劇場の舞台で”バナナ型のサイリウム”を振りながら
楽しんでいる図が頭に焼き付いて離れない。
これを主催している悠木碧の凄みとこの曲の破天荒さがなんとも奇妙で、
こんな奇跡声優楽曲体験は二度と訪れることはないだろうと思う。

悠木碧 / バナナチョモランマの乱(無修正版) (Official Lyric Video)
https://www.youtube.com/watch?v=G5gTd8ueS24

⑥輪!Moon!dass!cry!/田中 望(CV:赤﨑千夏)、
          菊池 茜(CV:戸松 遥)、鷺宮しおり(CV:豊崎愛生)
発売日:2019/7/24
作詞:山崎真吾
作曲:山崎真吾
(TVアニメ「女子高生の無駄づかい」オープニング)

人妻声優たちのラップソング!最高!
2019年の今、このメンツで声優楽曲のOPが歌唱されて、
それもラップ調の楽曲というのが本当にレアリティが高い。
豊崎の低音部分の声域の使い方や戸松の半ば体当たり的な声の出し方に対して、
赤﨑千夏のボケキャラキャラソン感。
この3つが奇妙に合わさっている楽曲のレアさ。
「輪!Moon!dass!cry!」がなんの意味もない言葉で
「わー無駄遣い」のことを指しているというのが、
一曲全部一周すると気がつく、みたいな体験も素敵な曲だった。
前半の「輪!Moon!dass!cry!」は”無駄使い”
を意識させないように歌唱していたが、
最後のループ部分は意識して”無駄使い”と
発声するようなディレクションがあったらしい。

そういうディレクションが効果的に効いていて、
聴いているのもに驚きを与えるのが”できている”楽曲である。
赤﨑千夏がラジオでソロアーティストやスフィアで歌唱していたり、
ライブしている二人からしたら一緒に歌唱することに引け目がある、
といったニュアンスのことを口にしていた。
だが、しかしこの楽曲は赤﨑千夏なしでは語れないものであり、
赤﨑千夏の底知れなさを感じることができた。

⑦幸せのかたち/高垣彩陽
発売日:2019/8/21
作詞:宮嶋淳子
作曲:山本玲史
編曲:籠島裕昌
(TVアニメ「戦姫絶唱シンフォギアXV」の
 エンディングテーマ「Lasting Song」のカップリング)

高垣彩陽結婚祝福ソング。
私は高垣彩陽が結婚を発表する2019年8月23日(「Lasting Song」の発売週)
の三週間前の2019年7月31日の「高垣彩陽のあしたも晴レルヤ」のラジオを聴いていた。
この放送で「Lasting Song」のカップリングである「幸せのかたち」を初解禁した。
当時のトークがすごく頭の中に残っていて、
”なんかこう色々振り返ってみたときに
 わたしなんか幸せな恋愛ソングってあんまり歌ってないんだなー
 ということに気がついたことと
 あとなんかいつも今自分が考えていることだったりというのを
 詩にしていただいたりしているんですけど
 今の自分が好きかどうかは大事なことだなって思っていて
 例えばそれは友達だったりとかパートナーだったりとか家族だったり、職場もそうですし
 今こういうことを選択している自分のことが自分が愛せるかなってことを
 一つの自分が選択する上でのヒントになってくるんじゃないかなと
 最近考えたりしているので、
 今回はじめましてで宮島さんに歌詞を書いていただいた
 大人なピアノ・ロックになっています”
と語っていた。
そしてラジオから流れる「幸せのかたち」。
===
ほんの少し前はわずかなすれ違いで
この世の終わりみたいに大騒ぎしてたっけ
今日は記念日だとかおめでとうがなかったとか
いまになって思えば本当に些細なこと

たったひとつの出会いが変えた
なにげない時間が宝物

覗き込むほどにこぼれ落ちる喜び
不安なんて無縁の毎日をくれる人
穏やかなふたりずっと寄り添っていよう
陽だまりに響くピアノ そっと耳傾けて
===
約1分15秒の1番のフレーズをわずかに聴いただけで
私はその瞬間
「あっ、豊崎、戸松に続いてそろそろ彩陽も結婚をするのだな」ということを察した。
察することができた。
この記憶は明確に覚えていて。
私は深夜の声優ラジオを録音して朝の通勤中に聴くことをライフワークとしている。
最寄り駅の駅のホームでこの「幸せのかたち」を聴いた時の
ゾクゾクとした感情と好きな声優が近々に結婚するという予感めいたもの。
そういうものをこの曲から感じ取っていた。
その時の記憶は私の中で確実に刻まれているのである。
そしてそのときの予感は見事に的中することになる。
こんな奇跡声優体験を私にもたらしてくれたこの楽曲は
私の中では2019年声優楽曲の中で間違いなく最大の声優体験をもたらしてくれたといえる。
声優たちに祝福あれ。
そしてその祝福の感情、幸せ、愛に包まれたこの声優楽曲。
高垣彩陽曲らしいピアノをメインにした楽曲。
そしてピアノ、ドラム、ギターのスリーピースバンドという飾らない構成。
優しいリズムに心地よい幸せのメロディ。
その全てが高垣彩陽自身の「しあわせの形」を表現しているようで、
もはや文句の付け所もない完璧な仕上がりを魅せている。
編曲:籠島裕昌も相まって、
声優の結婚という節目を飾るのにふさわしい声優結婚祝福ソングなのである。

⑧生きる/安野希世乃
発売日:2019/9/4
作詞:西直紀
作曲:川崎智哉
編曲:川崎智哉
(安野希世乃3rdミニアルバム「おかえり。」収録。
 TVアニメ「ソウナンですか?」のエンディングテーマ)

”この世界は残酷だけれど生きる生きるんだ夢中で”
このサビのフレーズだけで生きる気持ちが湧いてくる。
すごいこと。
怒涛の2019年にこの楽曲があって良かった。
この楽曲がなかったら、私の精神は崩壊したであろう。
そのくらいのこの歌詞と安野希世乃の優しい歌声に救われた。

遭難アニメ「ソウナンですか?」のサバイバル要素から
”生きる”というキーワードがテーマになっているのだろうが、
すべて生きる人達に送る応援ソングにもなっている。
”この世界は残酷だけれど生きる生きるんだ夢中で”
の後のフレーズとして、
”ぼくらはここにいる 叫ぼう”
というのも心に染みてくる。
一人きりで生きていくには大変で過酷な世の中であり、
社会的な人との繋がりから逃げることは更に過酷な世界で生きることになる。
だからこそ”ぼくらはここにいる”ということを叫び続けなければならない。
人が生きることに対して、壮大なエールをこの曲は送っているのである。(と感じた)

「作詞:西直紀」は
・ちいさなひとつぶ/安野希世乃
・破滅の純情/ワルキューレ
・ルンがピカッと光ったら/ワルキューレ
・いけないボーダーライン/ワルキューレ
で安野希世乃との相性は抜群で、
彼女の声の優しさや強さみたいなことを把握していたのだろう。

そういうところもあって、
”生きる”というテーマにした安野希世乃の包み込むような歌唱表現は至高だった。

この”生きる”を聴きに
安野希世乃 2nd LIVEツアー2019「〇。」神奈川県民ホール 大ホール(2019年12月8日(日))
に参加した。
1stツアーの「きっと、ふわふわとしてる。」にも参加していたのだけれど、
「おかえり。」のアルバムを一番最初に聴いた時は
今回の2ndライブツアーは不参加でもよいかな、と思っていた。
けれど、アルバムを聴き込んでいくうちに興味はどんどんと高まっていき、
劇場アニメ「冴えない彼女の育てかた Fine」を観た当日に
神奈川県民ホールのチケットを購入していた。

「〇。」はギター、ベース、ドラム、キーボードに加えて
コーラスとパーカッション&マニピュレータというバンド構成。
ミニアルバムの曲を発売順にミニアルバムでパート分けしたセトリ構成であり、
ギターは5本用意されていた。
こんな極上の音楽体験の中で「生きる」が聴けて非常に幸せな時間であった。
もう少し安野希世乃の音楽活動に注目して生きていきたい。

安野希世乃「生きる」ミュージックビデオ(Short Ver.)
https://www.youtube.com/watch?v=D2awANV74JE

⑨Share the light/Run Girls, Run!
発売日:2019/11/27
作詞・作曲:只野菜摘
編曲:田中秀和 (MONACA)
(TV「アサシンズプライド」オープニング)

2019年最もかっこいい声優曲である。
RGRちゃんのプリチャン関連の曲はアイドルアイドルしていて可愛さの曲で。
でもこれは可愛さ、幼さは声質からあるのだけれど、
ちょっと背伸びした「大人の感じ」というのがニュアンスとして含まれている。
アサシンズプライドの楽曲だけあって、
幼いながらも大人への成長を期待している主人公と重なる部分もあって。
そういうところが今までのRGRちゃんとは異なる色が私の心にすっと入ってきた。

そして曲のかっこよさ。
流石の只野菜摘×田中秀和 (MONACA)である。
不謹慎ではあるが、
私の妄想では、もしもWUGちゃんが解散していなかった場合、
この楽曲はWUGちゃんが歌唱していたのではないか、みたいなことを思ってしまった。
しかしながら、そのくらいRGRちゃんの成長を感じることができた。
この曲をここまで歌い上げることができて、
自分たちのモノにしているんだ、という納得感。

冒頭の曲の入りからの「シェアする?」は何度聴いても快感で。
そしてリズムの変調と手拍子のリズムも心地良い。
すべてが十分満ち足りた音楽。
そして声の響きがよく通るパート。またそこからの変調と手拍子。
何度聴いても飽きない恐るべき曲。

Run Girls, Run! / Share the light
https://www.youtube.com/watch?v=OugywvpUe5M

⑩Revelation/芹澤優
発売日:2019/11/27
作詞:芹澤 優
作曲:宮田’レフティ’リョウ
編曲:宮田’レフティ’リョウ
(TVアニメ「魔入りました!入間くん」ED「デビきゅー」のカップリング)

芹澤優作詞曲に宮田’レフティ’リョウの作曲編曲という声優楽曲が
この世界に爆誕するとは思ってもみなかった。
個人的に、宮田’レフティ’リョウの生の演奏、パフォーマンスに注目していた。
しかもそれは声優とは全く別のライブ現場で彼の姿を観た時からのことである。
(2016年頃から)
※調べてみたら、今流行りの髭男ライブのサポートキーボードも担当しているらしい。

2018年12月1日に開催された
「Yu Serizawa 24th Birthday Live ~Serikollection~」@品川プリンス ステラボール
で初披露した誕生日をファンのみんなとお祝いする曲「Merry Birthday!」も
宮田’レフティ’リョウが作曲したとのこと。

そしてその宮田’レフティ’リョウが芹澤優と一緒に楽曲を制作することになる。
めちゃエモエモのエモじゃん。

芹澤優の歌詞はまだまだ荒削りな部分があるように感じるが、
ちょっとしたロックテイストな歌詞に仕上がっており、
疾走感があり、バンド感があり、バンド感がすごい。
またロックンロール魂みたいな片鱗を感じる事ができる。
まーこの粗削り感もまたロックテイストっぽさもあってまー悪くはない。
以下、サビ部分の歌詞。
===
空を吸い込んだ
真っ黒な体の隅々を
もう好きにしていいかな?
僕は世界の何にも関係ない
なにもかも全部 関係ないんだ
===
この”僕は世界の何にも関係ない”というサビ部分の叫びが
なんともそれらしい孤独感を表現している。
そしてこんなBメロに続いていく。
===
マンションの玄関 ひとりきりの夜
この涙や叫びは誰もしらない
聞こえたって聞こえないふり
そんな街に安心している
===
アイドルと声優を両立させていて、
一人暮らしをしている芹澤優ちゃんの孤独な裏の感情。
そしてそんな都会の街に安心してしまっている、
というアウトサイダー感。
表現としては繰り返しになるが荒削りなのだけれど、
芹澤優ちゃん自身の言葉で語ろうとしていることは伝わってくる。

で、このBメロはゆっくりなキーボードソロから入って
後からドラムとギターが合流して、サビへテンションをジョジョにあげていく。
このエモいメロディラインと曲運びに宮田’レフティ’リョウみを感じる。

『Yu Serizawa 1st Live Tour 2019 ~ViVid(アイ)コンタクト!~』
のライブツアーでは、
宮田’レフティ’リョウをバンドマスター(ベース)迎えた生バンドライブだった。
<バンドメンバーメモ>
・バンマス/ベース:宮田’レフティ’リョウ
・ギター:香取 真人(通称、カトリーヌ)
・キーボード:北村真奈美(通称、マボちゃん)
・ドラム:WANI

この生バンド情報やバンドメンバーを知っていれば、
もう少しこの公演のツアーを回っていただろう。
私はこのツアーは12月22日(日)ファイナル公演の昼の部のみの参加となった。

「デビきゅー」に収録されている
・Revelation
・ハイハイハイハハイテンション
ともに作詞芹澤優で作曲宮田’レフティ’リョウで、
音取りもレフティ率いる今回の生バンドメンバーが担当している。
それを生バンドで演奏してくれるのだから、これほど嬉しいことはない。
※ハイハイハイハハイテンションの楽曲はめちゃくちゃライブ映えする
 文字通りハイテンションな楽曲に仕上がっている。

そして「Revelation」は2019年芹澤優ライブツアーの本編最後の曲になっている。
自身の作詞曲をラストに持っていくエモさもあるが、
芹澤優ちゃんはステージ中央に立ち、
ステージの手前には透明な幕が降りてきて、
そこに「Revelation」の歌詞が次々と映し出されていく、というような演出になっていた。

ステージに半透明な幕をおろしてそこに歌詞を表示させる演出は
「LAWSON presents 戸松遥 5th Live tour 2018 ~COLORFUL GIFT to YOU~」
で觀たことがあった。
だがしかし、観客に歌詞を投影するに当たり、
声優自身が作詞した曲でこの演出をしてくる芹澤優ちゃんの意志の強さ、我の強さに完敗してしまった。
つまり、自身の初ライブツアーラストに
その歌詞を観客たちに投影してみせながら、
自身の作詞曲を歌唱する芹澤優ちゃんという図に完敗してしまった。

そして兎に角、
『Yu Serizawa 1st Live Tour 2019 ~ViVid(アイ)コンタクト!~』
の全編生バンドかつロック調アレンジ(キャラソンもロックアレンジ)がマジで最高だった。
『上野さんは不器用』のキャラソンのラブミーサイエンス、
『犬とハサミは使いよう』秋月マキシのキャラクターソング「マジカル☆ラブ」
『魔法少女サイト』穴沢虹海キャラクターソング「 ...私だけ見てて」、「お・ぼ・え・テ・て」
この全てがロック調アレンジで冴え冴えだった。
特に魔法少女サイトのキャラソンは元々メタルっぽい曲調だったので、
この生バンドでめちゃくちゃに映えていた。
(この生バンドライブを見据えてキャラソンを用意していた感もあった)

総じて、
『Yu Serizawa 1st Live Tour 2019 ~ViVid(アイ)コンタクト!~』
は個人的にはかなり刺激的なライブとなったというのは間違いなく言える。


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