5年間の努力も実らず、俳優活動の夢を諦めました
はじめまして、胡蝶(こちょう)です🦋
この記事では、僕が19歳~23歳まで俳優活動を行っていた5年間の出来事を書いていきたいと思います。(現在は29歳です)
チャンスは行動を伴って初めて訪れる(19歳~20歳)
岡山県の高校を卒業後、俳優になるために1年間アルバイトでお金を貯め19歳で上京→東京での一人暮らしが始まりました。
初めての一人暮らしの家は、家賃約6万円のアパート。
ユニットバスでしたが、家具家電付きで初めての一人暮らしには十分な物件でした。
芸能事務所に所属するためにオーディションを受けるも全く受からず、実績や経験が足りないのだと思い、自主制作の映画撮影に参加したり、演技レッスンも兼ねて色々な高校に行き、生徒の前で「高校生活で注意すること」をテーマとした演劇を行っていました。
日中は撮影やオーディションが入る事があるので、支障が出ないようホテルや商業施設の夜間清掃のバイトを行っていました。
何も結果が残せない状態のまま2年が経過した頃、初めての大きなチャンスが巡ってきました。
とある大きな作品のオーディションで一次審査を通過し、二次審査に進める事が出来たのです。
このオーディションは二次審査が最終審査だったため、これに受かれば僕の俳優活動に大きな転機が訪れる可能性がある非常に重要なものでした。
~事前に伝えられていた最終審査の内容は以下の2つ~
①台本読み
②制限時間2分間の特技披露
「どうすれば目立てるのか」「どうすれば自分の魅力を伝えられるのか」
周りのライバルは事務所に所属し演技経験も豊富な人が多い。
当然芝居も僕より上手な人が沢山いる。
外見も僕より優れている人も恐らく多いだろう、、
今の僕が勝つには「特技」で魅せるしかない
特にアイドル好きでは無かったのですが、遊びで「オタ芸」をやった事がキッカケで、いつかオーディションで使えるかもと思い、定期的にオタ芸を練習していました。
今回のオーディション用に千本桜や創世のアクエリオンなど複数の曲を自分で組み合わせ振り付けも決め、この特技で勝負の場に挑みました。
そして迎えたオーディション当日、台本読みとオタ芸をやり切り審査員から一言。
オタ芸は面白いけど、制限時間超えてるね
え??
言われて初めて気づいたのですが、制限時間2分以内にも関わらず、3分と勘違いをして1分もオーバーしていました。
どういう勘違いをすれば制限時間を間違えるのか自分でも分かりませんが、台本読みの技術や特技以前に「決められたルールすら守れない」人間が当然オーディションに受かるはずはありません。
今回はダメだった、また次頑張ろう。
気持ちを切り替えて過ごしていた所、オーディションの結果発表通知の封筒が届き、結果はなんと合格。
凄く嬉しかったのですが、なぜ合格したのかが気になり理由を聞いてみたところ、「オーディション参加者の中でオタ芸を披露した人が僕しかいなかった。そして、制限時間をオーバーした人も僕しかおらず印象に残っていた」との事でした。
自分から見たら失敗だと思う事であっても、結果良い方向に働く事がある
2年間の努力が初めて報われ、チャレンジする事・行動する事の大切さを改めて実感しました。
この作品に携われた約2か月間は、初めて俳優活動だけで食べていける金額のギャラをいただく事ができました。
この作品がキッカケで、小さい事務所ですが所属する事ができ、僕の俳優人生のスタートをようやく切る事ができたのです。
風呂無しアパート。電気も止まり、ご飯もロクに食べれなかった日々(21歳~23歳)
どんどん仕事を取りまくって有名になる!
事務所に所属することができ、こう意気込んでいたのですが現実はそう甘くはありませんでした。
今は段々と変化していると思いますが、事務所の力は大きく、大手か中堅事務所ではない限り、小さい事務所だと俳優業にパイプを持っていないと仕事を勝ち取る事はかなり難しい業界です。
もちろん目を引くものや才能があれば話は変わってきますが、極一部の人しか活躍できない非常に厳しい世界です。
僕の所属した事務所は小さく俳優業にパイプも持っていなかったので、初めはエキストラなどの小さな仕事から初めて、演技レッスンも並行し、オーディションがあれば参加するというサイクルを繰り返していました。
これだけ毎日努力しているんだからいつかは報われる。
以前オタ芸を披露して合格した時のように僕の事を面白いと思って使ってくれる人がいる。
そう自分に言い聞かせ、毎日自分にできる最大限の努力を行っていたつもりです。
そんな中、僕の身体と気持ちは限界に近づいていました。
演技レッスンや撮影・オーディションが急に入ることが多いので、基本的に固定シフトのバイトはできません。
夜勤のバイトを行い、寝ずに撮影やオーディションに行く事は避けたかったので、予定が無い日に前日でも応募可能な単発バイトをやっていました。
単発バイトだと時給が低いものが多く、貯金は早い段階で底をつきました。
貯金が底をつき両親にお金の面で頼っていましたが、「もうこれ以上は貸せない」と言われ、とうとう6万の家賃を払えることができなくなりました。
そして家賃を下げるために引っ越しを決意。
〇〇荘と言われる古い形式の物件。風呂無し家賃2.8万の家に引っ越しをしました。
お風呂は最寄り駅近くの24h空いているスポーツジムのシャワーを使っていました。
ご飯代にかけるお金も無かったため、毎日うまい棒だけの食事で乗り切る事もしばしばありました。 (朝3本、昼3本、夜4本とかの配分で合計100円)
そのような食生活をしていると当然身体にガタは来るもので、ある日栄養失調で倒れた事により、バイトも余計にできずにお金は減り、電気代が払えずに家の電気が止まりました。
ここまで来ると「もうこの話をネタにできるじゃん!」と思い、2か月位は電気無しの生活を送っていました。
スマホの充電ができない事が一番大変でした。(当時は最寄り駅近くのカフェで毎日充電していました)
当時の僕は、マズローの欲求5段階説でいう所の最下層「生存欲求」すら十分に満たせていなかった状況だと思います。
人間、何か一つでも日常で喜びを感じる事があれば頑張れる生き物だと思いますが、逆に何一つ喜びを感じる事ができなければ頑張れない生き物なんだなと思いました。
そのような事もあり、自分の実力不足は重々承知だったのですが、俳優業に強い事務所で少しでも売れる可能性を増やすために、退所後半年間の芸能活動禁止の契約を条件に1年半所属した事務所を退所しました。
ここまでかなり長文になってしまったため、残りは簡潔に記載できたらなと思います。
芸能活動禁止の半年間で必死にバイトを行い、生活面を何とか立て直す事ができました。
その後、凄く有名ではないものの、俳優業で活躍している人がいる事務所に所属でき約1年間活動したものの、やはり自分の実力不足で俳優の道を諦める事を決意。
こうして、僕の5年間の俳優活動は幕を閉じました。
大変な事の方が多く、辛い状況に陥る事も沢山ありましたが、
普通の生活を送っていては出来ない経験を沢山でき、その時知り合った友達とは今でも仲良くしており一生の宝です。
僕自身精一杯できる事をやって夢が叶わなかったと思えるので、その点は後悔していないのですが、唯一後悔している事があります。
「お疲れさま。人生何年無駄にしたの?」
唯一の後悔は、当時のバイト先の社員さんに俳優活動を辞めた報告をした所、このような言葉を吐かれた事です。
その当時は、「そうですね~、約5年ですかね(笑)」 と変に明るく返す事しかできませんでしたが、「こいつ絶対いつか見返してやる」と強く思った記憶は今でも鮮明に覚えています。口悪くてすみません(笑)
最後に
僕は今普通に仕事もしていて、生活もできているのでご安心ください。
両親から借りたお金も全額返金できています。
2ヶ月に1回は食べ物を送ったり必要であればお金も渡せているので、今まで迷惑をかけた分、親孝行を沢山していきたいと思っています。
また、俳優を辞めて現在に至るまで時間はかかりましたが、
NFTという本気でやりたい事にも出会えたので、今は「NFTを通じて実現したい事」の目標を達成するために頑張っています。
「NFTを通じて実現したい事」の詳細は、近いうちに記載させていただきます。
時間をかけて読んで下さりありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?