●ν●たんぽぽ組2月の活動内容とねらいのご紹介●ν●

こんにちは。地域資源コーディネーターです。

成長展の作品、とても素晴らしかったですね。たんぽぽ組さんの1年を電車でたどっていくような演出のもと、たんぽぽワークで学んだ技術をいかんなく発揮して制作されたダイナミックな作品の数々。とても見応えがあり、感動しました。

さて、今月はその成長展活動においても大きく寄与していた「たんぽぽワーク」についてご紹介します。

1月の記事では、2,3月のたんぽぽワークはこれまで学んだ技術を複合的に使うワークを予定しているとお伝えしましたが、今月は急遽、絵の具の使い方を学ぶワークを行っています。
これは、成長展の制作をする子どもたちの様子を見て先生が決めたそうで、「今のたんぽぽ組なら、『色の切り替え』ができるかもしれない。そうなれば、表現の幅がもっと広がっていくはず…」という先生たちの想いがあります。

一般的に、2歳児さんは絵の具を使うとき、筆ではなくて、指や手のひらに塗ってペタペタしながら絵を描いたり、絵の具の感触・色の混ざり方を楽しむと言われています。でも成長展活動をしている時点で、たんぽぽ組のみんなはもう筆をしっかりと握れて、「色の塗り分け」もきちんとできていたそうです。

※「色の塗り分け」と「色の切り替え」の違いについて
「色の塗り分け」というのは、下記写真のように、絵の具の色に対してそれぞれ筆を変えて色を塗っていくことです。1本1本筆を変えずに、同じ筆で別の色を着色させてしまうこともあり、色の塗り分けをすることは2歳児さんでも難しい場合があります。

絵の具淡色2

絵の具淡色


対して、「色の切り替え」というのは、1本の筆で様々な色を塗っていくことです。1本の筆で塗る場合は、色を変えるたびに水で筆を洗う必要があり、水の量によって色の濃淡が異なってしまうので、筆を的確に握ることや手先の細かい動きがまだそれほどできない2歳児さんには難しい動作でもあります。

絵の具淡色3

クレヨンの他に絵の具の使い方も身につけられれば、もっと子どもたちの表現の幅が広がります。そういう狙いのもとに、今月は絵の具を題材にしたそうです。

1回目は輪郭に沿って筆を動かし、まずは1色で塗っていく練習。

おなじみの「ニワトリさんの口」のように筆を持ち、点線に沿ってなぞっていきます。クレヨンに慣れてしまうと、絵の具を塗る時も筆をぐちゃぐちゃ、と何度も往復させてしまって紙が破れることが多いそうなのですが、たんぽぽ組のみんなは破れることなく、上手に筆を走らせていましたよ。絵の具が筆に付きすぎたときは、「お口をペロペロしてね~」という先生の声かけと共に、容器のふちで余分な絵の具を取り除くこともできていました。

ワーク2回目は2色を塗り分ける練習。
赤・青・黄色の3色から2色を選び、1本の筆で塗っていきます。
さぁ、ここが今回のワークの要。
1本の筆で片面の色を塗り→筆を水で洗って→もう片面を着色するという「色の切り替え」です。
洗ったときの水をしごききれなくて色が薄まったり、逆にしごきすぎて次の色が濃くなったり、筆の洗いが足りなくて前の色が残っていたり…
水の量を調節するのはやっぱり難しそうではありましたが、でもみんな一生懸命に筆を動かしていましたよ。
また、色の濃淡や色同士が混ざっていく様子、透明だった水の色が着色されている様子など、「塗る」だけではなく、絵の具の特性そのものを楽しんでいる様子も見られました。

クレヨンにちぎり絵、ハサミで紙を切る、絵の具を使う。
この一年間のたんぽぽワークを通して、子どもたちはたくさんの表現方法を学びました。今すぐ学んできた技法を使いこなすことは難しいかもしれませんが、例えば来年・再来年、絵を描きたいと思ったとき。クレヨンだとなんだか自分のイメージ通りに描けない、となっても、絵の具を使えば繊細さを表現できるかもしれない。逆に筆を寝かして太く塗ればダイナミックな絵にできるかもしれない。
紙をちぎって貼れば、立体的な絵になるかもしれない。

表現方法をたくさん知っていれば、こんな発想に繋がります。そうして子どもたちは自分のイメージを表現する面白さを知り、どんどんやりこむことができます。

たんぽぽワークは、子どもたちの感性を伸ばす“引き出し”をたくさん身につけてきた活動だと先生は振り返ります。

さて、ワーク3回目は5色(多色)を使っての着色。グッとハードルが上がる内容ですが、子どもたちはどんな風に楽しむのでしょうか。

そしてたんぽぽ組として最後のワーク。3月はこの一年間を振り返られるようなワークをする予定とのことです。
3月も子どもたちの様子をお伝えしていきますので、お楽しみに。

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