●ν●旧たんぽぽ組3月の活動内容とねらいのご紹介●ν●

こんにちは。地域資源コーディネーターです。

進級を目前に控えているたんぽぽ組さん。この3月の様子を先生に聞くと、以前にも増して『自立』している姿が見られるそうです。

例えば身の回りのことについて。
たんぽぽ組になりたての頃は、シャツの着方やたたみ方、手の洗い方などについて、先生が子どもたちひとりひとりに関わり、介添えしてきました。どんな風にシャツを着ればいいのか、トイレに行った後は何をするのかを教え、時には「次は何をするんだったかな?」と子どもたちに質問をしながら、丁寧に関わってきました。

今では、脱いだ後の裏返ったズボンを自分で直すことはもちろん、給食で使用したおしぼりを決められた場所にしまうこと、トイレ後は手を石鹸で洗い、水道の蛇口を自分でひねって水を止めること…
身の回りのほとんどのことを、先生の介添えなしに自分で終えることができるそうです。先生も子どもたちに指導することはほとんどなく、「子どもたちにゆだねています」と言います。

先日、こんな風景を見ました。

給食前のトイレタイムの出来事。
最後にトイレを終えた園児が手を洗い始めました。他の園児たちはもう給食が並べられているテーブルに向かって移動しています。
私は「早く向かわなくて大丈夫なのかな…」とソワソワ。
でもその園児は、手と、そして腕まで丁寧に石鹸を付け、水で流し、ペーパーナプキンで一粒の水滴も残らないように丁寧に丁寧にゆっくりと拭いています。
(日ごろから、きちんとした手洗いの仕方を教わっている様子が窺えます。)

他の園児たちはもう椅子に座り始めていました。その子は手を拭くと、特に慌てる様子もなく、みんなの後を追っていきました。

この間この園児は、「待ってー」と焦ったり不安な様子を一切見せることなく、また先生たちからも、「早く早く」とせかすような声は全くなく、その子が席に着くまで待っているようで、非常に穏やかな時間が流れていました。

子どもたちは指示を待つのではなく、次に何があるのか、何をしないといけないのかを自分で考え、そして先生たちもそういう子どもたちの行動を見守り、ゆだねている。先生と子どもたちの間で、揺らぎない信頼関係ができていることを感じ取れました。

乳児クラス(0歳~2歳)の子どもたちは、身の回りの「基本的なこと」「流れ」「型」を覚えるために、どうしても『教わる』ことが多くなります。でも教わるだけでなく、先生に「次はどうするんだったかな?」と質問されることで、自分で考えるようになります。その繰り返しによって、「自発的に考える」ことができるようになります。

先生と子どもたちはこんな関り方を一年通じてしてきたことで、子どもたちの「自立」が確立してきたんですね。

この手洗いの出来事から、そんな先生と子どもたちとの関わり方が垣間見れ、とっても温かい気持ちになりました。

さて、今年最後のたんぽぽワーク。今月のテーマは『思い出や記憶から造形する』です。
1回目は図形からイメージを膨らませて造形。

画像1

2回目は運動会や発表会などの行事を振り返り、印象に残っている思い出を切り取って形にしました。

画像2
そして特にご紹介したいのが3回目の内容。今年一年、たくさん遊んでくれたたんぽぽワークからの『お礼』として、子どもたちがたんぽぽワークの世界に入っちゃいます。
これまで何度も登場してきた、パクパクモンスターやビリビリモンスター、チョキチョキマン、クレヨンくんたちと一緒に遊ぼう、というテーマで、子どもたちひとりひとりの写真が貼ってあるワークシートにキャラクターを切って貼っていき、オリジナルの世界をつくりました。
今回は「ハサミ」「折り」「色を塗る」「ちぎる」と技法ごとのコーナーが登場!子どもたちが制作技法を自由に選べるようにという先生のアイデアによるものです。
子どもたちは各キャラクターがどんな制作内容だったかをしっかりと覚えていて、道具のお約束を意識しながら楽しく『自分の世界』をつくっていきます。

ワーク最後

「これまでのたんぽぽワークを楽しんでくれていたことがわかり嬉しく思いました。そしてその楽しかった記憶が、技術や自信として子どもたちの中に根付いてることを実感できました。」と先生たちはしみじみ語ってくれました。
進級してばら・ライラック組になると自由制作(テーマを設定され、作り方は子どもたちの発想に任せて自由に制作する時間)が増えます。たんぽぽワークではそれを見越して、子どもたちが段階を踏んで技法を学べるように組み立ててききました。
型にはまらない自由な発想が表現された作品を見ると、先生たちのこの想いが子どもたちにしっかりと届いているように感じます。
その豊かな発想を表現する術を知り得えた子どもたち。次のクラスでものびのびと活動する姿が楽しみです。

さて、たんぽぽ組最後の遠出は、狸小路商店街までのお散歩。ジャンバーを着ながら、「たぬきさん、いるかな?」とキラキラした表情で話す子どもたち。行く前からワクワクが止まりません。大通公園を過ぎたあたりで市電が見えると、「電車だ電車だ~」と喜ぶ子がいたり、「線路はどこにあるの?」「道路の真ん中に線があるでしょう?あれが線路だよ」と先生に教えてもらう子がいたり、普段のお散歩ではなかなか見られない景色を楽しんでいました。

画像4

市電の興奮冷めやらぬ間に狸小路商店街に到着。狸の絵が描かれた看板を見て、「たぬき、いた!!」「あ、あっちにも見えたよ」と次々に発見していきます。狸小路商店街の守護神、『本陣狸大明神社』では、狸水かけ地蔵を触るとご利益がある!という情報から、一人ずつ順番に太鼓腹をなでましたよ。

狸小路

画像6
*その後、太鼓腹を触ると「安産になり、育児がうまくいく」というご利益があるとわかり、一同大笑い。「将来は安産だね 笑」「頭を触ればよかった~!」と先生方も大盛り上がりしていました。
ところで、狸水かけ地蔵に触ると、8つの徳があると言われています。ぜひお近くを通られた際は触ってみてください。
(引用:ウィキペディア)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AC%E9%99%A3%E7%8B%B8%E5%A4%A7%E6%98%8E%E7%A5%9E%E7%A4%BE

独特の色合い・デザインの看板がひしめく狸小路商店街をお散歩して、たくさんの狸に出合い、地域の方々にも元気にあいさつをして、最後のお散歩を楽しんできました。お天気も良く、汗ばむほどの陽気で、とても楽しい活動でした。
実はたんぽぽ組の今年一年のテーマが、『みつけて さわって たのしんで』だったのはご存知でしょうか?
「この戸外活動がまさに今年のたんぽぽ組を表している活動になりました。たんぽぽ組最後の活動として、本当にふさわしいものだったように思います」と先生たちも感慨深い表情を見せていました。

来週からはばら・ライラック組に進級ですね。
子どもたちひとりひとりの個性はどんな風に輝いていくのでしょうか。また新しい成長をしていく子どもたちの姿が楽しみです。

【お知らせ】
6月から行ってきた「毎月の保育の狙い・活動内容配信」は、3月をもって終了とさせていただきます。新年度からは、当園HPの「あれこれコラム」やfacebookにて、各クラスの活動の狙いなどを不定期で掲載していく予定ですので、ぜひご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?