【町家ハック】トイレットペーパーホルダ
しばらくの間トイレットペーパーホルダーについて思いを巡らせていた。家の中にあるモノで、デザインについて考えさせられるものは色々あるけれど、トイレットペーパーホルダーはその一つだ。
トイレットペーパーホルダーのあのフタが曲者なのだ。
まず、仮住まいのマンションにあるフタにはギザギザがついている。あれは一体どういう了見でつけたのだろう。そのギザギザで紙を切ると、紙の端っこは必ずちょうどフタに隠れてしまう。そうすると次に使う人は、紙の始まりが一体どこにあるのか、フタを上げてみたり、ペーパーをこっちの方向やあっちの方向にくるくる回したりして探す羽目になる。トイレの中の平安な時間が著しく乱されるのだ。つまり、フタの端で紙をちぎるのは良くないことだ。
ギザギザがなくても、フタを押さえながら、もしくは勢いをつけて、紙を法線の方向に引っ張って切れば同じ結果になる。これもペケだ。
紙のちぎり方の別の方法に、フタを押さえながら、紙を接線の方向に引っ張るというやり方がある。習熟が必要だが、フタから紙が少し出たあたりでうまく切ることができるようになる。問題は、覆い被さるようにフタが作ってあるので、下の方向に引っ張らなければならないことだ。あまり引っ張りやすい方向ではない。また、フタをきちんと押さえ損ねていると、フタの内側で切れてしまうことがあってこれはもう最低である。
考えるに、一体なんのためにフタはあるのだろう? 切る時に押さえるため? 紙を直接押さえてはダメだろうか? 直接押さえると、次の人が使う紙を触ることになる、という衛生的な配慮だろうか? いやいや、誰もが触ってそれが蓄積するフタの方がその点ではよほど劣る。
ホコリ除け? 一日に何回も新品になる表面に?
ならば、ロールの回転にブレーキをかけて、紙の出すぎるのを抑える役割があるのだろうか。これは納得できる。あのフタがなければ、ロールが慣性でくるくる回って、紙の無駄な消費が増えるだろう。ただ、ブレーキをかけるなら他にいくらでも方法がある。回転軸とロールの芯を固定して、回転軸の滑りを悪くしてもいい。
などと考えを巡らせていたのだが、先日あるホテルで素晴らしい回答を見つけた。壁から水平に L 字型の四角い棒が伸びているだけ。壁と平行な腕にペーパーが通してある。フタはない。隠れる部分がないので、紙の始まりがどこにあるか一目瞭然。ロールを上からちょんと押さえて紙を切る。どこで切れようと後で困らない。なんて使いやすい!これだ!
軸が四角いのでロールが慣性でくるくる回ったりしない。可動部分がないので故障のしようもない。掃除もごく簡単。こんな感じ:
https://www.wayfair.com/Delta-Vero-Wall-Mounted-Toilet-Paper-Holder-DLT5455.html
Toilet paper holder rectangle で検索すると色々出てくる。
facebook: https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10154493646201516
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