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未来予想は「人口動態」を、現実の俯瞰的把握は「陰謀論」を参考にして「マン毛鏡写輪眼」を開眼せよ!


世の中全体が、キナ臭くなってきました。

欧米西側諸国は、ガザ地区の無差別殺戮に対して、肯定の姿勢で連帯しています。今までは、一応は、民間人巻き込む空爆などでも、欧米らしい人道主義の「建前」があったと思うのですが、もう建前すら用意しないつもりのようです。剥き出しの利害構造を隠さなくなってきたと感じます。

また、ウクライナはロシア国土内に進軍していますし、一線超えた戦況になってきていると思います。核を持つロシアに対するヤケクソに見える進軍は、非常に危うい結末を招きそうです。

中国も国内の不満をそらすために、台湾に進軍する可能性はあるでしょう。台湾が第二のウクライナ化するリスクは、低くはないと考えます。

また、アメリカ国内も、トランプよりも、ハリスの支持率が高い状況になっていて、もし、トランプが敗北したならば、国内内戦など、治安リスクが吹き上がるのではないでしょうか。

アメリカ国内には、重火器を持つ保守派の国民が沢山おり、中には警官や州軍の兵士なども含まれます。既に刑務所のキャパは溢れており、一度、内戦化すると鎮圧は困難でしょう。

なんというか、景気経済を超えて、リアルワールドのリスクが肥大化し過ぎているように感じるのです。

もし、近いうちに世界恐慌が起きるとするならば、AIバブルの崩壊に加えて、何らかのリアルワールドでの有事リスクが破裂するブラックスワンなのかもしれません。

私が決定的に感じたのは、長崎の被爆式典におけるイスラエル擁護の西側諸国の連帯です(左翼みたいな事いって、ごめんなさいね)

あれは、まさに西側諸国vs多極世界の構図の中で、西側諸国も、野蛮な多極世界の一部であることを自ら肯定したような意味を持つと考えています。

とてもマズイ事であり、ここまでポリコレに付き合わせておいて、皮一枚でも建前は貫いてもらわないと、世界の底が抜けてしまうわけです。

どうして我々が、世界全体で、ポリコレやら死ぬほど面倒な事を続けているかと言うと、究極的には、核兵器を持ってしまった人類が、全面戦争やらジェノサイトの暴発を起こさない「建前」を守るためです。

もう核兵器前の世界に戻れない。でも、逆に言うと、それを西側諸国が自ら破るならば、政治的なプロトコルに意味がない事になってしまう。

さて、今日は、このような「北斗修羅な21世紀」において、絶大な参考になる2つの要因をお話ししたいと思います。

それは「人口動態」と「陰謀論」です。

人口動態に関しては、何度も正拳突き道場のnoteで言及してきましたよね。

急に人口が増えたり、激減することは、核戦争などでもなければ起きないので、人口動態指標は、数少ない未来の予測指標となります。

例えば、20年後の介護医療は、どのような仕組みになっているかは分かりませんが、現状の仕組みのままなら、1学年80万人以下の20代が、1学年180万人近い要介護世代の介護をする事になります。

これはターミネーターでも量産配備されていない限りは、物理的に不可能なので、高い精度で、認知症で徘徊しながら、放置されている高齢者で溢れる未来が予想できます。

もう1つは「陰謀論」です。

実は、陰謀論こそ、私たちが生きる複雑で、様々な質的に異なるパラメーターが組み合わせる現実を、大まかに俯瞰認知するための究極の指標と言えるでしょう。

そもそも「陰謀論」とは何なのでしょうか?ただ頭の悪い人達が湧いているデマなのでしょうか?このような事実と異なる物語は、神話、民話、寓話、妖怪など、過去の文化でも存在しています。このようなミームには、意味が無いモノなのでしょうか?

今日は、この「陰謀論」について、人類学研究を元に、考えてみたいと思います。人口動態に勝るとも劣らぬ、重要なモノサシであることが分かるでしょう。

【目次】
・人類学者クロード・レヴィストロースの研究
・ディープステート(闇の政府)という陰謀論
・ワクチン5G接続が表象しているモノ
・チー牛という謎の隠喩
・修羅時代だからこそ、マン毛鏡写輪眼を開眼せよ

人類学者、クロード・レヴィ=ストロースの研究



クロード・レヴィ・ストロース

2009年に人類の偉大な知性が、100歳で亡くなりました。

その名は、クロード・レヴィ=ストロース(フランス人)。

20世紀最高の理系頭脳がアインシュタインであるならば、文系側の最高頭脳は、彼ではないかと個人的に考えています。

彼の偉業は、他の文系学者のような観念的な哲学のみを論じたわけではありません。ある重要な事を、数理的な実証研究を残した科学者なのです。

そして、彼の20世紀中盤に行った研究は、近年の数理シュミレーション研究でも実証されてきています。

レヴィ=ストロースの70年来の謎を進化シミュレーションで解明- 文化人類学の基礎「親族の構造」を数理モデルで生成(東京大学)

彼の実証した研究内容を簡単に説明するならば、以下です。

20世紀の半ばでも、まだ原始人のような恰好をした人達(未開部族)がいる。彼らは西欧的な論理的思考や文明を持たず、姿かたちだけ見ると、石器時代の原始人と見分けがつかない。

しかし、彼らには奇妙な「思考」の痕跡が存在した。
その1つとして、親族婚姻の「ルール」があげられる。同じ従妹同士の結婚でも、母親の兄弟の娘との交叉イトコ婚の選好と、父親の兄弟の娘な どとの並行イトコ婚の禁忌が現れる。これは、生物学的なデメリット「血が濃くなる」など、で説明する事も出来ない不思議な規則であり、この規則には、各地域の部族や文化を超えて、普遍的なルールがあると考えられた。

また、先住民族の「神話」の中にも、部族や文化を超えた普遍的な、ある種のパターンが垣間見えた。一見すると、各分野、部族ごとで、全く異なるように思われる。しかし、調べると、異なると感じた模様が、同じ模様の鏡映であったように、共通構造が現れるのであった。そして、その共通構造の青写真は、私たち近代文明を信じる西欧人の中にも存在するのである。

木田勉三(解説) 

このような文字すら持たない未開部族の中に存在する、不思議な「思考の痕跡」を発見したのが、彼(レヴィ・ストロース)なのです。

そして、近年の数理解析研究において、この婚姻規則などが、部族など閉じた集団の協力関係と競争関係の長期持続に不可欠な最適均衡状態を作り出す規則である事が分かってきているわけです。

科学どころか、文字すら持たない未開人たちが、互いに生活している中で、頭の良い人ですら導き出せない多変数かつ複雑な事象の数理的最適解を導き出して、自律的に文化や風習の規則として落とし込んでいたわけです。

現代人も含めた、我々人間は、意識化された個体の思考を超えた、無意識の集合知としての「ミーム的思考」を保有している事が分かりました。

これを彼は「野生の思考」と呼びました。

動物的な本能と、論理的な知性の狭間にある、人間の認知思考における個体を超えた、群間均衡領域を発見したことが、彼の偉業なのです。

天気予報など物理変数をもとに計算できる領域なら、精度の高いシュミレーション予想も可能でしょう。

しかし、西浦博氏のコロナ予想のお粗末さからも分かるように、少しでも質的に異なる変数が入ると、計算は不可能になり、大きく外れます。ヒトの心が影響する社会動向の予想などは、猶更なのです。不可能と言えるでしょう。

もし、複雑な社会動向を把握する為には、彼の発見した「野生の思考」の痕跡から、メタメッセージを読み解くしかないのです。

しかし、我々は、もう先住民ではありません。

だから「神話」を産み出す事はできません。

でも、現代人も同じ人間だから「ミーム」としての物語を生成することはできるはずです。

それは何なのか?

現代人の「陰謀論」が、未開人の「神話」に相当するはずです。

事実とは異なる「物語」「概念」をもとに、複雑すぎて、意識化できないけど、違和感や感覚的に分かるような、現実構造の「特徴」を抽出して、集団のミームとして表象共有している状態と言えるのです。

ただ、陰謀論は、言うまでもなく、事実ではありません。

だから、我々には、「陰謀論」自体は否定しつつも、「陰謀論」をメタ的に分析して、その中に存在するメッセージを読み解く、複雑な認知技術が求められるわけです。。


ディープ・ステート(闇の政府)、ワクチン5G接続、チー牛というミームを読み解く


例えば、有名な陰謀論にディープステート(闇の政府)があげられます。これは表の政府を裏で操る、陰の巨大権力組織の事です。

まずは、このディープステートという陰謀論からメタメッセージを読み取ってみたいと思います。

たしかに中央集権的な組織構造を持つ「闇の政府」は陰謀論かもしれませんが、現代の複雑かつ強かな権力ネットワークの特徴を抽出したミーム概念と言えるでしょう。


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