リスティング広告の費用を計算する方法

GoogleやYahooなどの検索エンジンで、ユーザーの検索したタイミングに配信することが出来るリスティング広告は、WEB上の集客方法として有名です。


今回は、リスティング広告を始めようと思っている方へ、広告開始時の相場や、少ない費用でも成果を出すための運用ポイントについて解説します。


今回の記事は、次のような情報を知りたい人に適した内容になっています。


リスティング広告配信時に、どのくらいの費用が必要になるのか知りたい!

広告代理店に外注する場合の手数料について教えてほしい!

運用によって費用対効果を高めるための重要なポイントを知りたい!


この記事を読んでもらえれば、リスティング広告の予算を決めることができるようになり、効率よく成果を出すための運用のコツを知ることが出来ます。


リスティング広告の費用とは


リスティング広告の課金方式や、配信に関する費用について解説します。


広告配信に関わる費用の他にも、配信開始の準備に必要な費用なども合わせて解説します。


「想定よりも多くのコストが掛かってしまった・・。」とならないように、予習しておきましょう。



リスティング広告はクリック課金制


まずは、リスティング広告の配信そのものに必要な費用について説明します。


リスティング広告は、クリック課金制となっています。


クリック課金制とは、広告の配信時にクリックが発生した時のみ広告費用が発生する課金方式です。

WEB上の集客方法の中には、広告を表示させることに対して費用が発生する『インプレッション課金制』の広告メニューもあります。


広告の配信に対して課金が行われてしまう『インプレッション課金制』と比較すると『クリック課金制』は広告に興味を持ってくれたユーザーがクリックした時にだけ費用を支払う仕組みとなっているため、費用対効果が高くなりやすいのが特徴です。


さらにリスティング広告は、『情報を求めて検索を行ったユーザー』を広告の配信対象としています。


「まさに今!」情報を求めているユーザーへ広告配信を行うことが可能なため、売上に繋がりやすいという特徴もあります。


売上に繋がりやすいターゲットの中から、広告に興味を持った人がクリックした時にだけ費用が発生するリスティング広告は他の広告媒体と比較しても費用対効果が高い傾向にあります。


この広告がクリックされた際に発生する費用のことを、一般的に『クリック単価(またはCPC)』と呼びます。


オークション制について


クリック単価は、オークション制によって決まっています。


リスティング広告では配信機会が発生するたびに、その検索キーワードへ広告配信を希望している企業(正確には広告アカウント単位)で『広告配信の権利と広告掲載の順位』を争うオークションが行われます。


オークションでは各企業がキーワードごと設定している『入札価格』を使用し、より高い入札価格を設定している企業の広告は配信されやすくなります。


入札価格を高くすれば、配信されやすくなる一方で、クリック単価は高くなります。


また、同じキーワードへ入札している他の企業が高い水準で入札価格を設定している場合、自社の広告を配信するために他の企業の水準に近い入札価格を設定する必要があります。


よって、広告出稿を希望している企業数が多い場合や、各企業が設定している入札価格の水準が高くなる場合はクリック単価も高くなる傾向があります。

キーワードごとの平均クリック単価の水準を知りたい方は、GoogleやYahooが無料で提供しているツールを使うことで簡単に参考値を知ることが出来ます。


ツールの使い方や参考値の調べ方は、別の記事で紹介しているので確認にしてみてください。


クリック単価の調べ方・適正価格の決め方

配信の準備期間や、広告配信している時の費用


リスティング広告を配信開始するまでにかかる費用や、広告配信している時に必要となる費用について解説します。


広告のリンク先となるランディングページ


広告を配信する前に、広告のリンク先となるランディングページを準備する必要があります。


ランディングページには専用のページを新しく作る場合もあれば、自社サイトにある既存のページを使用する場合もあります。


専用ページが必要かどうかは、ケースバイケースです。


「専用のページが必要かどうか?」という事を判断する場合は、実際に商品やサービスを求めているユーザーになった気持ちでキーワードを検索してみましょう。


検索を行い、その検索キーワードに対してリスティング広告を配信している企業の広告に設定されているランディングページを確認します。


サイト内のページをライティングページとして使っている企業がほとんどであれば、広告を開始するタイミングでは専用のランディングページを用意する重要性は低い可能性があります。


一方で、どの企業でもデザイン性の高い専用のランディングページを設定しているのであれば、自社でリスティング広告を配信するときにも専用のランディングページを用意する重要性は高いと判断できます。


このような場合は、ランディングページの作成にかかる費用も、必要経費として把握しておく必要があります。


初期設定にかかる費用


リスティング広告を開始するためには初期設定を行う必要があります。


例えば商品やサービスに合わせてキーワードを選定したり、キーワードを管理して成果を高めていくためのアカウント構成を考えるなどです。


これらの対応には専門的な知識が必要になります。


ご自身で対応することで理解が深まるなどのメリットもありますが、忙しくて手が回らないという方は『初期設定』をまるごと依頼することも可能です。


初期設定では、キーワードの選定やアカウントの設計だけでなくコンバージョン計測に必要なタグの発行などを含めて行ってもらうことが出来ます。


当ブログの管理人である”木こり”も。リスティングの配信サポートサービスとして、初期設定を含めた外注依頼に対応しておりますので、サービス内容をご確認の上、ご希望の方はTwitterのDMにてご連絡ください。


運用にかかる費用


リスティング広告は配信した後も、広告文を変更したり成果を改善するために分析を行ったりと『継続的な運用』を行う必要があります。


運用にかかる費用も、リスティング広告を行う上では考慮しておく必要があります。


運用を自社で行うのであれば、運用業務を行う人の人件費が費用になります。


一方で、運用業務を外部の人に依頼する場合、外注のための費用が必要になります。


運用業務を任せる外注先としては、広告代理店が一般的です。


広告費用の相場と代理店の手数料


リスティング広告を始める企業が開始時に使っている費用の相場と、広告代理店に運用などを依頼する場合の手数料について解説します。


リスティング広告開始時の費用相場は20~30万円


リスティング広告を始める際の費用相場は、20~30万円程度です。


リスティング広告は1000円から始めることが出来ますが、分析するためのデータを一定数確保するために、20万円から30万円程度から始める企業が多くなっています。


この金額はあくまでも目安のため、広告配信するキーワードを極端に絞り、月数万円程度から始めることは全く問題ありません。


しかし、広告代理店に運用などを依頼する場合は、最低出稿金額が設けられていることが多いため、20~30万円程度の広告費用を用意することが必要となるケースが多いです。


用意する事ができる広告費によって、代理店に外注することができるのか、自社で運用する必要があるのかが決まります。


広告代理店の手数料は20%


広告代理店に運用など外注する場合は、手数料が発生します。


この手数料の相場は20%となっており、例えば100万円の広告費を使う場合の手数料は20万円になります。


手数料は広告費の金額に関係なく一定となっており、100万円でも1,000万円でも20%という比率は変わりません。

ここで、広告代理店の経験から、広告費によって代理店の対応がどのように変わるのかを簡単に補足します。
(個人の経験に基づく内容のため、全ての広告代理店が同じ対応をしているとは限りません。)


一般的な広告運用では、広告費が100万円のアカウントと1,000万円のアカウントで対応する内容は大きく変わりません。


広告費が増えると、実施できる分析が多くなったり、施策を回すスピードも早くすることが出来るため、作業時間としては多くなる傾向はあります。

しかし1,000万円のアカウントを運用するための工数が、100万円のアカウントの10倍か?と聞かれれば、そこまでではありません。


よって広告代理店から見ると、金額の大きな案件の方がより多くの利益を残せる傾向にあり、『これから広告費が増加していく企業様』には特に注力する傾向があります。

一方で広告費が少なくすぐに増額することが難しい企業様への注力度は下がってしまうため、時間をかけて分析を行い、数多くの施策を実施してくれる代理店を探すことは難しくなります。


こういった場合は広告開始からしばらくは自社で運用し、広告費を増額していくタイミングに合わせて広告代理店に相談してみるというのも1つの方法です。


「広告費が増額していきそう!」と広告代理店の方に思ってもらえれば、中長期的に売上を伸ばすためのプラスアルファの分析や施策を行ってもらえる可能性が高くなります。


このように広告代理店のモチベーションを上げる事ができれば、広告代理店の運用ノウハウや専門知識を使ってリスティング広告の成果を大きく伸ばすことができる可能性が高くなります。


広告費が少なく、成果が出るか判断が難しい時期は、広告代理店に外注するのではなく、成果を出せるような要素(例 キーワード選定、アカウント構成)に注力した方が、広告開始時の成果が安定しやすく、売上を徐々に拡大して行ける可能性も高くなります。


リスティング広告費用の概算方法


リスティング広告に用意するべき金額を計算する方法を、2つ紹介します。


目標とする利益と目標コンバージョン単価を使って計算する


1つ目は、目標とする利益と目標コンバージョン単価を使って計算する方法です。


具体的な計算例を紹介するために、リスティング広告を配信し、10万円の利益を得ることを目標としているケースで計算します。


まずは、『コンバージョン1件あたりの目標利益率』を考えます。


例えば、コンバージョンが発生した後に実際に商品を届けたりするための人件費などを考えると、コンバージョンを獲得する段階で25%の利益率が必要だとします。


そして、仮に1件あたりの売上を10,000円としましょう。


ここまでの情報を一度整理します。

リスティング広告で獲得する利益の目標額は10万円
コンバージョン1件あたりの利益率は25%
コンバージョン1件あたりの売上は10,000円
コンバージョン1件あたりで必要な利益は2,500円(※)

※コンバージョン1件あたりの利益は【10,000円×25%】で計算しています。


ではこれらの数値を使って、目標コンバージョン単価を計算します。


目標コンバージョン単価は、言い換えれば『利益を残すために使える費用(=販管費)』のため、【売上 ー 利益】で計算出来ます。


つまり【10,000円ー2,500円=7,500円】で計算することができ、7,500円が目標コンバージョン単価になります。

次に、広告費用を計算する必要があります。


広告費用は、【目標の利益 ÷ コンバージョン1件あたりの利益 × 目標コンバージョン単価】で計算することが出来ます。


つまり【100,000円÷2,500円×7,500円】で計算することが出来、300,000円となります。


整理すると、10万円の利益を得るためには30万円の広告費用が必要という結果になります。


ちなみに30万円を使った際の獲得売上は40万円(=売上1万円のコンバージョンが40件)のため、利益率25%であれば【40万円×25%=10万円】となり目標としている利益の10万円を獲得できる計算になります。


目標コンバージョン数をもとに計算する方法


目標としているコンバージョン数をベースに計算することも可能です。


100件のコンバージョンを獲得するというように、数を目標としている場合はこれから紹介する方法で広告費用を計算します。


広告費用は【コンバージョン数 × 目標コンバージョン単価】でも計算することが出来ます。


目標としているコンバージョン数が既にあり、更に1件あたりにかけることが出来るコンバージョン単価の目安があれば簡単に広告費用を計算する事ができます。


例えば100件のコンバージョンを、1件あたり2,000円で獲得したい場合の広告費用は【100件×2,000円=200,000円】となります。


非常に簡単に計算できる方法ですが、この計算式は『目標コンバージョン単価を高く設定するほど、多くのコンバージョンが獲得できる』というリスティング広告の特性を考慮していません。


獲得する事ができるコンバージョン件数は目標コンバージョン単価と強く関係しており、計算に使っているコンバージョン単価では目標としているコンバージョン数を獲得できないことがあります。


よって設定としているコンバージョン単価で目標とするコンバージョン数を獲得することが出来るかを計算式に含む場合、もう少し丁寧な計算が必要になります。




リスティング広告の費用対効果を改善するポイント


「最初は広告費を抑えつつ、高い成果を出したい・・。」と思われている方は多いのではないでしょうか?


ここでは、リスティング広告の費用対効果を高めるためのポイントについて解説します。


検索キーワード・広告文・ランディングページをすべてマッチさせる


費用対効果を高めるためには、商品を購入する可能性が高いユーザーを1人でも多く、ストレスなく購入まで誘導することが大切です。

そのために、リスティング広告では自社の商品を求めているユーザーが検索するキーワードを考え、可能な限り費用対効果を下げてしまうような検索キーワードへは広告を出稿しないようにすることが重要です。


そして、広告を配信するキーワードを絞った状態で、想定した商品を求めているユーザーが反応しそうな広告文と、購入する際の不安などを解消するランディングページへ誘導します。


このことがきちんとできていれば、リスティング広告の費用対効果を大きく改善することが出来ます。


多くの成果を出せていないリスティング広告では、自社の商品を求めてるユーザーが検索するキーワードを具体的にイメージ出来ておらず、広告文やランディングページでのコミュニケーションに問題があります。


広告費用が少ない場合は、狙うべきユーザーに絞り込むことが大切になるため、特にキーワード選定には時間をかけて、慎重に選定する事をおすすめします。


専門的な知識を学び、活用する


リスティング広告の運用では、対応するべき業務は非常に多いです。


そして、これらの業務を行うためには一定の専門的な知識が必要になります。


例えば、適切なアカウント構成の作成や調整、機械学習を使った自動入札機能の活用などです。


専門的な知識を学び、必要な対応を取ることができていれば、運用レベルを上げることが出来、成果が改善する可能性も高くなります。



まとめ


今回はリスティング広告運用に関する費用について解説しました。


リスティング広告の費用の計算方法も合わせて紹介させていただきましたので、実際にリスティング広告を始める際にどのくらいの予算が必要になりそうかイメージしていただけたかと思います。


ここまで読んでいただきありがとうございます!

この記事が皆様の素晴らしいアイデアを形にするサポートができれば幸いです!


それではまた別の記事で!

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