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私はデザフェスであなたとハイタッチしたい

デザフェスに行ってきた
めちゃくちゃ久しぶりだ。前に行ったのはいつだったかちょっと思い出せない。友人がディーラー参加したときに手伝いで行ったのが最後だとすると、十年近く……嘘だろ。正気か????
確かにここ数年は、情勢やら他の趣味のことやらで飛び回っていたので、行ってなかったけど行け。過去の私に言いたい。行け。今の自分に迷っている、自己肯定感がない奴ほどデザフェスに行け。

デザフェス、正式にはデザインフェスタについては今更私が説明しなくてもいいだろうってくらい、ファッションやアートが好きな人ならおなじみのイベントだと思う。

デザインフェスタは、オリジナルであれば無審査でどなたでも参加できる国際的なアートイベント。魂を込めたアート作品や日常を彩る雑貨、アーティストとの交流、ライブパフォーマンスや世界各国のグルメなどをお楽しみください。

デザインフェスタ 公式サイト

デザフェスは、プロからアマチュアまでありとあらゆるジャンルのアーティストが集まっていろんなことしてるイベントだが、本当に、精神的な健康にめちゃくちゃいい。体力は削られまくるが、HPをMPに変換している感じがする。
まず広大な空間には「好き」しか存在しない。アクセサリーにしろ、雑貨にしろ、服にしろ、イラスト作品にしろ、いろんなものをいろんな人が「これが好き!!!!!」という感情を燃え上がらせてブースに並べている。
それを買いに来る人たちにも「これが好き!!!!!!!」を全身で表現しながら買い物をしている。それが理屈ではなくたーーーーーーのしーーーーーーー!!!!! という気分にさせてくれる。
もちろん「好きとかじゃなくて、ネガティブな感情を自己表現するために来ている」みたいな人もいると思う。でもプラスにしろマイナスにしろ、そこには誰かに伝えたい感情がある。清濁併せて渦巻いている熱気の中にいることがめちゃくちゃ心地いい。生きてる! 私今生きてる!! と感じる。大げさではなく。
そしてデザフェスは「好き」を否定されない空間だ。こんな派手な格好大丈夫かな……電車の中で超浮いてたな……と思っていたとしても、デザフェスの中ではまず浮かない。というか自分など圧倒的に地味なのである。
えーーーー全然大丈夫じゃん。むしろもっとやればよかった、と毎回思う。
多分、ごく普通の普段着を着て行っても否定されることはないだろうし、逆にめちゃくちゃ派手な格好をしていっても否定されない。そして自分の「好き」を全開でめかしこんでいけば、誰かが「可愛いですね」「かっこいいですね」「素敵ですね」と感じてくれる。運が良ければ直接そう声をかけてもらえる。そういう許容の空気がデザフェスにはある。行くたびに「私もっと自由でいいんだ」と思わせてくれる。
デザフェスにはエルフのお姉さんもいれば単眼ちゃんもいれば獣頭の性別不詳のイケメンもいる。そして全員が全員かっこよくて可愛くて素敵なのである。めちゃ楽しい。自分も他人も許容して肯定できる空間が、精神に悪いわけがない。私も獣頭マスクほしい。普段どこで使うんですか? ここで使うからいいんだよ!!!!

自問自答ガールズ的な視点で言うと、デザフェスは瞬間的な自問自答を繰り返す場所だと思う。
会場の中には本当に、あらゆる方向性のブースが無秩序に並んでいる。大体の作品傾向でざっくり分けられてはいるのだが、せいぜい「アクセサリー」とか「雑貨」くらいのジャンル分けなので、華奢で可憐なアクセサリーのブースの隣に、めちゃくちゃデコラティブでパンキッシュなブースが並んでいるとかザラにある。
その中で「思わず立ち止まった」ブースをつなげていくと、「自分は何が好きなのか」がわかってくるのだ。
買い物中は明確な言語化はできなくても(というか目の前に必死でそれどころではない)買ったものを並べると「私はこういうテイストが好きで、こういうモチーフが好きなんだな」が目の前に現れる。楽しい。

今回私が購入したもの。

今回一番の目当てだったブースで購入。
死んじゃいそうなほど可愛い。
現地でご縁があったいろいろ。
のたうち回るほど可愛い。

は~~~~~かわい~~~~~~~!!!
ボールド体で叫んじゃう。並べてると更にキュンキュンする。
ゴスでキッチュで悪い夢のようなアイテムたち。うーん。癖が強い。皆可愛い。これだけで私は「人体パーツ」「うさぎ」「デフォルメよりもリアルなタッチ」が好きなのだとわかる。好きです!

気になる、ならないの判断は本当に瞬間的だ。そこから手に取って購入するに至るものはさらに数が絞られてくる。
だからこそ、今手元にあるものは本当に気になって本当に欲しいと思ったものだけだ。
(大富豪なら気になったもの全部迷わず買ってた)
(財布の中身は悲しいかな有限だ。非課税で5兆円ほしい)
(しかし全部買えないからこそ「自分の好きなもの」が明確に見える)
普通のファッションビルではこうはならない。ある程度その土地の客層にあわせたテイストの店をそろえるので、どの店も最初から向いている方向がある程度一緒になるからだ。「気になるから足を止めた」という体験もここまで鮮烈ではないだろうし、「たくさん店はあるのに、どうして私はここで足を止めたんだろう」と考えることもしない気がする。
デザフェスという「あらゆるものが並列に並んでいる」場所だからこそ、隣あうまったく色の違うブースの片側で足を止め、どうして、と考える。その瞬間に考えなくても、自然に「自分が好きなもの」だけが最終的に手元に残るので、そうなってから考える。集まってきた要素から自分が見えてくる。触れられる妄想クローゼットだ。めちゃくちゃ楽しい。

本当はもっとじっくり、ゆっくり、時間をかけて、コンセプトとすり合わせて買い物をするのが望ましいんだろう。でも瞬間的な「好き」「そうでもない」の繰り返しは、自分のコンセプトの明確化に役立つと思う。
何より本当に「今自分がどんなスタイルをしていても肯定される」「もっと自由でいてもいい」という空気を肌で感じると自己肯定感が爆上がりする。
そんな小難しいこと考えなくても、ただひたすらウェーーーーーーイ! たのしーーーーーーー!!! という空間なので、行ったことない方はぜひ騙されたと思って足を運んでみてほしい。会場ですれ違ったらハイタッチしましょうね。自問自答する戦友に幸あれ。

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