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【うらみちお兄さん】情緒不安定な体操のお兄さんと大人の闇を覗いちゃおう!

みなさんこんにちは、インターン中のアズサです!9月に入り少しずつ厳しい暑さが和らいできた気がします。この夏私が印象に残ったニュースとして、NHK教育番組で人気の「いないないばぁ」のうーたんの卒業が話題になりました。私の世代ドンピシャな教育番組であり、リアルタイムで見ていたのでちょっぴり悲しかったです😢
さて、その「教育番組」でふと思い出したのが、2年前の2021年夏に放送された『うらみちお兄さん』です!教育番組の体操のお兄さんというあまり見たことのない設定のアニメですが、衝撃と共感を誘う鋭いコメディアニメです!今回はこちらを紹介していきます〜!


1.子どもたちに笑顔を届ける!でも大人の闇も見せちゃう!?

INTRODUCTION
教育番組「ママンとトゥギャザー」の
体操のお兄さん、表田裏道。
通称“うらみちお兄さん”は
子どもたちに笑顔を振りまく優しいお兄さん。
でも、ときどき垣間見えちゃう“裏”の顔。
しんどい、辛い、何もしたくない。
不安定なメンタルからポロッと漏れる大人の闇に、
子どもたちもドン引き気味……!?
それでも大人は前を向く。
世の中に希望はなくても、
社会の仕組みに絶望しても……!
『教育番組のお兄さんとして、その期待に……応えたい』
大人になったよい子に贈る、
“後ろ向き”の人生讃歌。

TVアニメ「うらみちお兄さん」公式サイトより

2017年5月からPixivコミック内のWEBコミック配信サイト、一迅社「comic POOL」で連載されているマンガ作品で、「第3回 次にくるマンガ大賞」“Webマンガ部門”第1位、「WEBマンガ総選挙」“インディーズ部門”第1位を獲得しています。連載開始前、作者の久世岳さんのTwitterでこの漫画が投稿され話題となりました。主人公が体操のお兄さんという珍しい設定の中、大人ならではのブラックな部分がギャグとなっているのがこの作品の面白い点です。

教育番組「ママンとトゥギャザー」の体操のお兄さん、表田裏道は爽やかな笑顔を子どもたちと一緒にカメラの前で振りまきます。しかし時々、夢いっぱいのセリフや子どもたちからの純粋な質問に対して顔つきが変わり…「大人」「社会」の闇に包まれた不安定なメンタルを見せているようです。そんな姿を見た子どもたちもドン引きしてしまいます。撮影中に闇を見せてしまう程ですから、撮影が終わり、大人たちの世界に戻ると情緒はさらに不安定に。また、苦悩を見せる大人はどうやら体操のお兄さんだけではないようです。歌のお兄さん・お姉さん、マスコットキャラクターのウサオ君、クマオ君、さらには商品開発や企画スタッフまでも…!!個性強めな大人たちが闇を抱えながら、日々子どもたちへ笑顔を届けるという、少し皮肉めいていてなんともブラックなユーモア溢れる作品です(笑)

ただ、そのリアルな大人たちの苦悩やブラックさは、読者の大人たちにも共感と笑いを呼ぶのがこの作品の魅力です!そして、ただ単に面白いギャグストーリーというわけではなく、闇を抱えながらもなんだかんだ仕事を精一杯こなそうとする大人たちの姿を見て、「それでも前を向いて行こう」と思わされるような作品にもなっています。

2.ブラックだけれどもなんだか背中を押される!笑いある人生讃歌!

この作品は、ファンタジー性は強くなく、いわゆる日常系のコメディアニメになります。しかし単なる日常コメディといったわけでもないのが魅力的なポイントです。この作品のギャグ要素の特徴としては、そのなんとも言えないブラックさでしょう。大人という世知辛い世界で仕事をする中で、傷つき、疲弊して生まれてしまう闇の部分、隠しきれない生々しい大人の本音をコミカルに描いています。例えば、なんとも言えない微妙な番組の新コーナーで誰が見てもダサすぎる衣装を着なくてはいけなかったり、真冬なのに夏用のミュージックビデオを撮影しなければならなかったり、参加を強いられる慰安旅行があったり…などなど、上からの指示には抗えないといった大人の不条理さが描かれています。そこで見せる登場人物たちの隠しきれない悲哀の表情がとても魅力的です(笑)。

それをより引き立てているのが、教育番組に携わり子供たちに笑顔を届ける仕事である、という環境でしょう。大人の闇を見せてはいけない、けれど隠しきれない!といった苦悩やギャップがかなり皮肉っぽく、笑っていいのかはわからないけれどついつい笑いを誘われてしまいます!

そんな苦悩ある日々の中、それでも諦めず耐えながら生きていく大人たちを見ていると、なんだか「自分も頑張るかぁ」といった気持ちにさせられます。また作中の所々で主人公の表田裏道が放つ、子供にとってはブラックなセリフも、見ている大人の視聴者には刺さる、世の中を生き抜くために大切な名言も印象的です。奮い立たせてくれるようなものではありませんが、ちょっぴりかわいそうなキャラクターたちと一緒にため息をしながらも頑張ろう、という感覚で背中を押されるようなアニメ作品です!

3.「声優の無駄遣い」と言われるほどの豪華なキャスト陣

アニメ作品が注目される要因のひとつとして、豪華な声優陣というのは他の作品でもかなり大きいものとなっているでしょう。この『うらみちお兄さん』でもそのパワーは健在です!視聴者から「声優の無駄遣い」と言われてしまうほど人気声優が多く起用されています。登場人物は少ないですが、その全員が一度は必ず名前を聞いたことのある有名な声優たちが担当しています。

主人公の表田裏道を担当するのは、幾度となく声優アワードで賞を受賞し、殿堂入りも果たしている“神谷浩史”。『夏目友人帳』夏目貴志や『うる星やつら』諸星あたるなどの主人公、また『進撃の巨人』リヴァイ兵長や『ONE PIECE』トラファルガー・ローといった作品の重要キーパーソンなどを多く演じています。子どもたちの前では元気で爽やかなお兄さん、しかし情緒不安定で大人のブラック闇を見せるという、二極化されたキャラクター性を演じ分けており、そのギャップはやはり神谷さんだからこそ表現できる面白さや悲哀感が感じられます!

また歌のお兄さんは“宮野真守”歌のお姉さんは“水樹奈々”が担当しており、キャラクターの個性も強いですが、子供達向けの歌やアニメのオープニング、エンディングもこの2人が歌を担当しており、その歌唱力まで楽しむことができます!

そしてマスコットキャラクターのウサオ君を“杉田智和”クマオ君を“中村悠一”という声優界の仲良しコンビが担当しており、ふたりの掛け合いを楽しみに視聴していた方もきっと少なくはないはずです!他の登場キャラクターでも“木村良平”、“鈴村健一”、“小野大輔”といったファンを多く抱える有名声優ばかりです!声優好きの私もこのキャスト起用には感服いたしました…。『うらみちお兄さん』のキャストを決めていただいたスタッフさん、担当してくださった声優さんたち、本当にありがとうございます……!!(笑)

4.かつてよい子だった大人たちに刺さる、ブラックコメディ

子どもと大人、そんな違いをほろ苦く感じながらも笑ってしまう、だけれども前を向いて行こうと思えてしまう、何とも独特な栄養が摂取できるアニメだと私は思っています(笑)。まさにINTRODUCTIONの中にもあるような、「“後ろ向き”の人生讃歌」という言葉がぴったりの作品です!現在、U-NEXTやHulu、Amazonプライムビデオ、Netflix、dTVなどの各種動画配信サブスクリプションで視聴可能となっています。日々疲労の繰り返しの中で、大人たちならではの共感と面白さをぜひ味わってみてはいかがでしょうか?

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