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いやさ、おとみ!

昔の歌は、流行歌であっても、「文学」や「伝承」や「芸事」の素養と知識がないとわからない歌詞があります。

昨日アップした「お富さん」は歌舞伎の「与話情浮世横櫛」通称「切られ与三郎」をベースにして書かれた詞なので、その話を知っていないと「うーん、粋だねえ」と うなれないww

大ヒットした春日八郎の代表曲だから、「いきなくろべえ~」と口ずさむものの「粋で鯔背(いなせ)な黒兵衛というお兄さんが、神輿をかつぐお祭りの歌」だと思っていた私。のちに、「粋な黒塀 見越しの松に」と知りましたケド。

今回、画像を入れたり、曲のできた経緯を書くのに調べたら、まあ、面白いったら@@

まず、作詞者は歌舞伎をよく知らずに、レコード会社の「ちょっと復古調のものを」という依頼で書いたから、セリフの言い回しがかなり本家とチガウ。いっぱい引用してるのに。なので、歌舞伎界からクレームがついた。

作曲者は「歌舞伎なんて大嫌い」という人だったので、伝統なんてなんぼのもんじゃ、と、とっても調子のよい軽快な曲を書いた。たしかにノリノリの宴会ソングです、はい。

そして、あまりにもヒットして、子供まで意味もよくわからずに「あだなすがたの あらいがみぃ~」って歌うので、「これを子供に歌わせて良いものか」という討論番組まで組まれたって・・・わはは~ですわ。

で、4番まで歌詞をテロップ化したら・・・いやあ、粋だわあ~かっこいいじゃないの~ほれぼれしちゃうわ。

「片時もお富を忘れることのできなかった与三郎は、お富を見て驚くと同時に、またしても誰かの囲いものになったかと思うとなんとも肚が収まらない。」ここで恨みと恋路を並べ立てる名セリフ

イヤサこれお富、ひさしぶりだなア…

また明日。

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