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流れて消える

いつも、朝イチでnoteを書いてるんだけど、今朝はまず今日アップする動画の編集に取り掛かってます。まあ、ネタがないということもありますがww

なんだか、ここ2週間くらい、やたらに日が経つのが早い気がします。体調が今イチなので昼寝をするからだろうか??すぐに水曜土曜がやってくる。水曜土曜は、自分で動画をアップすると決めている日です。アップする前には曲を録音し、歌詞テロップを入れ、ちょっとした解説を画像付きで挿入という作業が入る。これを一回の動画で3曲。

録音がなあ。。。ずーっと弾いてきた曲ではあるけれど、録画録音となると話は別だ。残るから、なるべくミスしたくないし、できれば「いい演奏」でありたい。体調整えてから~とぐずぐずしてると、あーーーっという間に土曜になっちゃいました。ぎりぎり昨夜撮ったので、朝イチ編集というわけ。

そういえば昔、店のお客様で歌が好きな方がいらして、その方に「ピアノ伴奏を録音してくれ」と、とてもしつこく頼まれたことがあったけ。私は一応、演奏や伴奏でお金を頂くことはしていたけど、よばれてその場で伴奏するのと、伴奏を録音してそのデータを渡すのはわけが違う。「これkibanaさんの演奏よ」と、どこで披露されるかわからない。現に(私じゃないけど)演奏の録音や動画が、ご本人の同意なしに勝手に流布されてたこともある。「プロなんだから、それだけ上手に弾けるんだから、録音されても平気でしょ?」といわんばかりのしつこさだったけど、お断りしました。

これ、私だけの話じゃないと思うけど(そうであることを願うけどww) 案外、生演奏ってプロでもミスってるんです。ノーミスで完璧なライブ演奏は、滅多にない。でも、その場のお客様は、よほど耳の肥えた方でなければ、ほとんど気づかない。ストリーミングだから。その場限り、流れて消えるものだから、です。

ミュージシャンなら、わかります。「あれ?今のコード違うよね~」「あら、間奏、アレンジしちゃったね~」

音のミスだけじゃなく、構成を間違えることもある。打ち合わせと違う進行しちゃって、それでもバンドのメンバーはプロだから、ついてきてくれて、あとで平謝り~みたいなことも多々ありました。ありがとう、Hちゃん(ピアニスト)

ジャズみたいに、アドリブが大半を占める場合は、テーマさえへんなことしなければ(お客様もマニアな方ばかりだから、さすがにテーマを間違えたらバレちゃう)あとは「ああ、ソロね、自由にね~」でOK。

歌詞がついていると、ちょっと厄介かな。有名な歌は歌詞を間違えるとさすがに素人のお客様でも「ん??」となる。私がお世話になったプロのシャンソン歌手のSさんは「歌詞を忘れた時はねえ、その場で作詞するのよ」って豪快に笑ってました。ときどきお客様にもバレてたみたいだけどww(シャンソンは、マニアな方や、自分でも歌う方が多い)

私が好きなアルゼンチンタンゴは、割とクラシックの音楽家も好んで演奏します。ピアソラなんかは、ピアノ用の2段のちゃんとした楽譜集もたくさん出回っている。ちゃんとした~というのは、クラシックのひとは、両手ともにきっちり書いていないと演奏できないから、2段ことこまかく記譜されてる。ポピュラーミュージシャンは1段譜(メロディだけ)にコードがついたもので、伴奏も入れて弾いてしまうので、2段書いてあると自由に弾けないし、こと細かく音符を目で追うのは面倒くさがる人が多い。

これは、バンドでやろう~となった時に、メンバー選びの大事なポイントなんです。なぜかといえば、タンゴをやろうよ~と誘っても、やったことない人がほとんどなので、私が譜面を用意しなければならない。クラシックの人を誘うと「譜面、ありますよね~」と言われ、2段譜のきっちりしたものを渡さないとならない。ジャズ系のミュージシャンは、一段譜を渡して「あとは音源を聴いておいてね~」と言えば、自分なりに必要な部分を拾って演奏してくれる。そう、私の手間が全然違う。ライブに向けて十数曲仕上げるので、クラシックの人には頼めません~

タンゴは楽譜集も出回っているけど、アレンジが古臭いし、なんといっても「アドリブソロも譜面になっている」・・・アドリブ(即興)じゃないじゃん。そして、なんと!「ミスまで採譜されてて」おまけにクラシックの人は、そのミスまでそのとおり弾かないと納得しないと言う律義さ!

「これ、どう考えてもバンドネオンさん間違ったんだよね~」「そうだよね、このとおりじゃなくてもいい?」「いいよ、好きに弾いて。コードさえあってればいいから~」

タンゴ(特にアルゼンチンタンゴ)は大衆音楽だから、ジャズに近くて、けっこう演奏者の裁量で多彩な展開OKの演奏も多い。さすがに大人数のバンドの時は、指揮者が細かく指示するらしいけど、場末の酒場でダンスの伴奏なんかの時は、楽器もいろいろだし、面白いアレンジだったりします。

これ、日本人あるあるなんだけど「タンゴやるなら、バンドネオンでしょう」と言われたことがあります。年配のタンゴファンの方でしたが。私もそうだよなあ~と思うところはあったので「そうですねえ、いずれ挑戦します~」って言ってたけど、日本では珍しいタンゴピアニストさんとお話しした時、「そんなこと言ってるのは、日本だけよ~自分の楽器で演奏すればいいのよ~」現地ではリコーダーで参加する人もいるとかwwそれをきいて、「そおか~アコーディオンでやっちゃえ~」と今に至っています。バンドネオンが「悪魔の楽器」と言われるほどややこしいこともありますが。

そういえば、クラシックの世界でも、国際コンクールの審査で、ひとつふたつのミスタッチが命取りになることはない~ときいたことがあります。それよりもパッションだろう~というわけです。日本でコンクールに出るほどピアノを弾いてきた人はノーミスが当たり前なんだけど、そんな日本人の演奏は「ミスしない譜面通りの完璧な演奏だけど・・・・」面白くないらしい。ここらへんの「日本でのクラシック音楽の特殊事情」については、また改めて書きます(ネタができたなww)

なんか、とりとめなくなっちゃった。

生演奏を、いい加減でいい~と言ってるわけじゃありませんよ。間違えないに越したことはない。でも生演奏には、ミスを凌駕するだけの魅力がある。ライブはライブでしか出せないグルーヴがあるから。その場でお客様やメンバーと空間を共有して演奏したら、そこでしか生まれないものがある。これ、生演奏の醍醐味です。

最近は、録画録音が手軽にできちゃうから、演奏始めるとスマホを向けられることもあるけど、その瞬間、ライブの良さを消してしまうと思った方がいいです。「この演奏が残る」と思った瞬間、プレーヤーは「守り」に入る。なるべくミスのない無難な演奏をしようとする。つまり「チャレンジ」できないんです。大コケするかもしれないけど、こんなのやっちゃいました~という面白さ、ある意味スリリングな演奏はできなくなっちゃう。

演奏者に無断で撮るのはもちろんご法度だけど、ライブはその場限りで聴いた方が断然面白い。プレーヤーの立場で、そう断言します。

というわけで、そろそろ編集の続きに戻ろう。

また明日。


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