見出し画像

素人

YouTubeを始めた頃は、自分のやりたいことをやれていて、いろんな数字が気にならなかったのに、何かひとつが大当たりして、再生数も登録者も万の単位になってくると、それを維持しようとして、やりたいことができなくなる。それでフラストレーションがたまり、バッシングを覚悟の上に、有料化に踏み切り、そこで言いたいことを言う動画を公開する。万単位のファンがいるわけだから、全員が移行しなくてもいいし、お金を払ってでも、その人の発信するコンテンツを観たいファンは、多少専門的な話題にもついてくるだろうし。

最初は無料で集客し、あるラインから先は「料金払ってね」というのは、ゲームなんかでよくやる方式なのに、YouTubeというプラットフォームでは、コメント欄に批判が書き込まれる。それは、YouTubeが、基本的には素人が気軽に動画投稿できて、見る側も素人ということを承知で楽しむという「アマチュアの文化」だっただからなんだなあ。

それが、最近はプロが参入してきた。エンターティメントでは芸人さんが続々始めたし。だから、ビジネスのプロが、はじめは無料、でもここからは有料ね~ってやったからって、それに何を目くじら立てることあるんだろう?収益が見込めるとなれば、そっちに移行するでしょう、プロなんだも。

プロといえば、音楽のジャンルでは、本業がミュージシャンじゃなくても、すごいプレイをするアマチュアがけっこういて、下手するとアマチュアの方が集客できるという事態になりつつあった。私は、演奏の場を提供する店をやっていたし、また、演奏する側でもあったから、ナカナカ複雑な思いを抱いておりました。アマチュアが、仲間を集めて有料のライブをする~たまにしかしないから、けっこう集客できる。聴くほうも「アマチュア:と承知しているから、なかなか場の雰囲気もよかったりする。一方で、しょっちゅう演奏をするプロは、集客がキビシイ。先のアマチュアと同じ料金設定にしても、キビシイ。

それで何がまずいかといえば、「プロが食べていけなくなる」当たり前だけどね。今回のコロナで、かなりのプロミュージシャンが廃業するだろうなあ。そして、これは大問題、「レベルが下がる」ー演奏者自身のレベルではなくて、その土地のそのジャンルのレベルが下がる。アマチュアのアマチュアたる演奏なのに「プロ並みだねー」と感じてしまう聴き手は、すでにレベルが下がっている。聴き手のレベルが低いジャンルは、演奏者も育てない。

プロとアマチュアについては、そのうち、ちゃんと書きますが、音楽に関していえば、YouTubeに参入するプロミュージシャンは、最初から有料にしてる。これは、きっと日ごろから有料・無料については考えるところがあるからだろうし、視聴者もそれはすんなり受け入れている。プロに対する尊敬がちゃんとあるんだろうな。そのかわり、そこそこ地方あたりでプロになっているミュージシャンが何万人も登録者を集めているわけじゃない。だいたいが、ぽっと出た素人が100万人も登録者を集めること自体が、異常。新しいプラットフォームはそれがあるから面白いんだろうけど。

ビジネスのプロが、有料化移行でたたかれるっていうのは、視聴者がその人に対して「プロとしての尊敬」がない人が数多くいるということなんでしょう。そういう層込みの万単位の登録者ということだった。どのくらいの人が有料の方に移行したんだろうなあ。

とはいえ、素人の動画を楽しむの、私は割と好きですww ヒカキン君のファンだし。漫画の同人誌のノリ。そう承知して観る分には、ほのぼの楽しい。でも、どこの世界もそうだけど、プロになる人が現れたり、プロが参入してきたりーで、素人の集まりは変質していく。しょうがないことだろうけど、素人の分野は残ってほしい気もする。

また明日。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?