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【演劇】高校演劇小品発表会の感想2(野々市明倫高校、小松高校・小松明峰高校の感想)

野々市明倫高校『ハロー・ハローシンデレラ』(卒業生創作)
【あらすじ】
シンデレラが王子に嫁いで2年、姉のドリゼラとアナスタシアは街ハズレのオンボロ家に住んでいる。そんなある日シンデレラから手紙が届いて……。

・オンボロ家にするでいる姉2人のもとに、シンデレラのマウンティングたっぷりの手紙が届いて遊びに来るという(今っぽい~)。姉2人はシンデレラをあの手この手で殺害しようとするが素直なシンデレラの前ではうまくいかない。

・良質なコメディだった。ボケ数が多く、音響、演技にも笑わせることへのこだわりを感じた。僕だけじゃなく、客席が一番盛り上がっていた作品だと思う。

・登場人物が客席に話しかけるメタ的な要素、姉が事前に毒を誤って食べていたというボケ→ワクチンできていて毒が効かないという伏線回収、最後に仲直りしたと見せかけて実はシンデレラは復讐に来たというどんでん返し(緞帳が少し降りて終わったと見せかけたところで明かされる演出!)が用意されていおり、美術・照明・音響もしっかりしていて完成度の高い作品だった。

小松高校・小松明峰高校『探し物を求めて』(生徒創作)
【あらすじ】
ある日、雨宿りに駆け込んだ建物で、小学生と中学生と高校生がであいました。どうやらそれぞれ訳ありのよう。3人が打ち明けた悩み事とは……。

・あんまり稽古できなかったというのが事前紹介にあったけど、芝居の設定が初対面の3人が話すなので、会話のぎこちなさは逆にリアルに感じた。

・スタッフワークの技術力は高く、照明と音響を使った導入は完成度が高く、主人公が雨の中飛び出していく心情がすっと入ってきた。

・雨宿りした先で、見知らぬ人同士が身の上話をするという設定は演劇っぽいが、話すきっかけが普通だったので違和感を感じた。

・日本人は知らない人と話す文化があまりないので(特に若い子は)、なにか雷で驚くとかびしょ濡れだとか状況を共有する要素があれば違和感がなく会話に移行できたと思う。

・重い自分語りとコミカルな会話が行ったり来たりする構成でコミカル部分にアニメの影響を感じるセリフ回しがあった。アニメっぽい言い回しは舞台上で成立させるのは難しそう。キャラが個性的である上で成立している言い回しだと思うので、衣装や髪形に特徴があった方がよかったかも。

・演技自体は各役者の個性が出ていて好印象だったが、細かいこと言うと語りのシーンは同じようなしゃべり方が続くと飽きてしまうので声色・音・テンポ・声量などを意識的に変えていく工夫すると内容が入って来やすかったと思う。

・若干辛目の感想になってしまいました。すみません。

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