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【演劇】高校演劇小品発表会の感想3(金沢錦丘高校、金沢二水高校)

金沢錦丘高校『カフェでお茶でもしませんか?』(ネット台本)

・たまたま入ったカフェで男性が学生時代好きだった女性と再開する一幕劇。起承転結の転の部分で、実は女性は死んでいてカフェは成仏しきれない霊がやってくる場所だったと明かされる。男性は女性に告白して、実は両想いだったことがわかるけど、女性は死後の世界に行ってしまう。最後に一目会いたかったのだ。カフェの店員がその願いを叶えるために男性を呼んだのだった。男性は元の世界に戻っていって終わる。

・「死」を扱っているがコミカル芝居や上品な雰囲気があり、雰囲気がすごく良い作品だった。特に女性役は演技に透明感があった。

・いいテーブル使ってるなと思ったら自作だった。すごい。普通に売ってそうだった。美術・衣装・音響にこだわったという前口上の通りだった。

・脚本に会ったサイズ感の演技(大袈裟すぎない)をしていた。会話劇で喫茶店の設定なので幕を使って舞台を狭く使っていたが、ぜいたくを言えばもっと小さい会場で見たかった方が味わい深かったと思う。

金沢二水高校『意識革命』(生徒創作)

・僕の母校こと二水。夏の大会もオリジナル脚本でやりたいことを詰め込んでいて好印象だったが、今回は脚本を書くのが初めての生徒が書いた作品にも関わらずめちゃくちゃおもしろかった。

・内容は男子高校生の日常に、女の子がカットインしてくる話。家ではぐーたらしてる主人公だけど、公園ではダンス練習をがんばってる。そのがんばってる姿を見てた女の子に告白されるんだけど、二人のやり取りが全然かみ合わないのが、セリフと間の取り方でこんなにもおもしろくできるのか!と衝撃だった。

・説明すると、告白からその反応の「は?」という台詞までの間の時間が絶妙にタメが効いている。結構、反射的に「は?」を入れたくなりがちだが、待つことで本当に言葉の意味が通じてないんだなと伝わってきた。そんな間の取り方が他にもあった。タメは勇気がいる。演出のアイデアなのかわからないけど、平凡な作品になりそうなところを一気に傑作にしていた。女の子が告白したあとに家から電話がかかってきて、晩御飯が焼肉だと知って告白の返事も聞かずにすぐに帰るのもセンスある。

・石川県民はあんまり笑いのレベルがあまり高くないのではないかと絶望してたのだけど、なーんだ希望あるじゃん。

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