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横断歩道に佇む

みなさんは、全く車の通っていない道路にある小さな横断歩道の信号は必ず守っていますか。私は、どんなに車が通っていなくても、どんなに小さな横断歩道でも、信号は守ることにしています。(法律上は当然なのですが。)以前は、車が通っていないときに、信号が青になるまで待っている人を見つつ、「なんで渡らないんだ」などと思っていた時期がありました。でも、今は違います。その理由は、万一事故になった場合は保険が出ないから。みんなが渡らないから。などということではないのです。私は、信号が赤の時は、待つのでなく、佇む感覚になっているのだと思っています。

何を言っているのか?と思われるかもしれません。最近思うのですが、せかせかと目的地に向かうことが疲れてしまったのかもしれませんが、今の自分には、信号が赤の時は、「神様が休めと言っている」位の感覚になっています。車がない横断歩道の前で立つのは、特に外国の方から見ると、滑稽にお見えるのか、日本人は法律を守る国なのだ、と思っているかもしれません。少なくとも、私は、横断歩道の前で佇んでいるのです。

考えてみてください。車の通っていない横断歩道で、ポツンと佇み、建物や人の行き来、雲の流れなど眺めている時間。これは、私が住む都内のサラリーマンにとっては、休息の時間なんです。合法的に、道の前で、佇むことができる貴重な時間なのだ。「何と贅沢な時間だ」と思っています。混雑した道中で歩くのをやめると、人に迷惑がられます。でも、赤信号の横断歩道の前だと、ぼっと立っていてOKなのです。

周りの人が車の来ない赤信号で止まっていて、自分が青信号になるのをイライラ待っていた昔の自分が、歯痒くて仕方がない。あの時間、ゆっくり考え事をしていたら、もっと気持ちに余裕を持っていたならば、もう少しいい仕事ができたいたのかも。と思うほどです。赤信号の間、横断歩道に佇む感覚。お試しあれ。

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