EVの今後について
三菱自動車工業とDeNAが、商用EV(電気自動車)の本格普及に向けた
協業の検討を開始した、との記事が出ました。
先日、本田とソニーがEVの合弁会社を作る、という話もありましたし、
現在のEVを取り巻く状況を勉強の為に整理してみます。
背景
三菱自動車工業とDeNAが商用EVの本格普及に向けた協業の検討を開始
するそうです。
引用)ヤフーニュース
今後、EV化に切り替わる事は世間のニュースから想定できますが、いつ、どのように移行していくのでしょうか。
EV市場
現在のEV市場は、まだまだ小さいと言われています。
2020年の新車販売率は、日本は約0.6%、米国1.8%、中国4.4%、欧州5.6%と内燃機関車と比較しても小さい数字です。
ただし、世界の販売台数の約30%を占める中国では、EV普及率が向上しており、2021年12月の新車販売率でEVは20%を超えているようです。
引用)EVeryone
また、別のレポートでは2027年には、EV市場は2兆4954億米ドルまで到達する、とも言われています。
現状の車産業が400兆円と言われている為、約75%をEVが占有する、という事になります。
※為替120円で試算。
他の産業も巻き込み、より大きな市場に変化する可能性もある為、単純な割合比較は出来ませんが、大きな数字です。
引用)アスエネメディア
メーカー
日本が誇るトヨタが発表している内容です。
2030年までに電動化投資として8兆円(約1兆円未満/年)を充てると発表済みです。
※うちEVには4兆円、車載電池には2兆円を振り分けます。
(毎年の設備投資・試験研究費は1.2兆円前後。この費用と別、ではないと思いますが、試験研究費率を上げる事になると思われます。)
2030年の電気自動車(BEV)は、30種類を投入して350万台の販売を見込みます。
(2021年の販売台数は755.3万台。比率として46%です。仮に2019年の898.5万台の場合は39%)
バッテリーの生産数は280GWh。(BZ4X 71.4kWhとして約390万台分)
また、2020年台後半にはバッテリーのコストを半減させる計画です。
※これによりEV自体のコストダウンを図り、EVを大衆化させる狙いと思われます。
現在、世界シェアの10%を握るトヨタですが、EVに関しても現状以上の
シェアを確保するように開発・設備投資を進めていくものと考えられます。
他のメーカーとして、日産・ルノー・三菱連合や、GMなどもそれぞれ
同様に計画を発表しています。
いずれも2030年を目安としての発表が多いようです。
EVに関する設備
EV化に伴い、充電などの設備も必要になります。
アメリカでは、2030年までに50万台の充電ステーションを実現するとして、50億ドルを投資して、50マイル(約80km)ごとに電気自動車用の急速充電器を4つ設置する、などの計画が発表されています。
・充電容量:150kWh
・充電規格:北米市場で一般的に普及しているCCSタイプ1
中国では、2025年までの第14次5カ年計画で、EVも含めた次世代インフラに170兆円を投入すると宣言しています。
日本では、2030年までに普通12万基、急速3万基を設置する成長戦略を
たてています。
・充電容量:特に指定はないようですが、90kWhと言われています。
・充電規格:チャデモという独自規格でしたが、今後の世界標準を
考慮すると、変更される可能性があります。
それでも米中と比較すると、投資金額は少ないと言われています。
引用)ニュース
今後について
国内ですが、従来の車メーカーや、充電などの設備メーカーも動いていますが、ソニーなど従来とは異なるメーカーの動きも気になります。
また、EV化に伴うインフラ変更に対応する為、エネオスなど既存のインフラ業者も活発的に動いていますし、佐川急便やヤマトなど配送業者も積極的にEV化に向けて動いています。
引き続き、動きを注視していきたいと思います。
海外については、これまで日本に取られていた主導権を取り戻す為に、
米中欧ともに、EV化を前提とした新たな車社会の構築に向けて積極的に
大きな投資を続けています。
中国など新車の5台に1台がEVという事実は、衝撃的な数字です。
メーカーではアップルや鴻海など、スマホなど半導体やソフトメーカーの参入も噂されています。
今後は、メーカー努力だけでなく、国の政策も巻き込んだ活動がEV社会の明暗を分ける気がしています。
引き続き、EVや自動運転についても調べていきたいと思います。
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