米でアルツハイマー新薬承認

 日本のエーザイは、米バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病治療薬について、米当局から医薬品としての使用を許可する迅速承認を得たと発表しました。
 高齢化は世界で進み、エーザイ内藤CEOは「新薬の対処患者は2030年に世界で約250万人にのぼる」と予想しています。
 今後、エーザイは米国に続き、日本、欧州、中国でも申請する方針で、23年度中の取得を目指すそうです。

 米食品医薬品局(FDA)は、6日、両社が開発した新薬「レカネマブ」を迅速承認しました。
 新薬は早期アルツハイマー病患者が対象で、原因物質の一つとされる「アミロイドベータ」を脳内から除去する効果が評価されています。

 エーザイ内藤CEOは、「米国ではかなりのシェアをとれる。中国やインドなどを含め、今後、世界で2030年には250万人が対処になる。また、新薬が普及すれば医療や介護の費用も削減され、米国だけで数兆円の価値がある」と予想。
 今後の販売拡大に意欲を示しているようです。

 ただ、課題も残っています。
・新薬の投与対象か判別する為の別途検査が高額で身体に負担がかかる
・まれに起こる重篤な脳出血などのリスクに対する専門員や施設の対応

 また、この分野では開発競争が激化しており、同じ仕組みで完成を狙う米イーライ・リリーなどの会社もあります。
その為、一日も早く完成させたい思惑があると思われます。

今後 
日本の製薬業界は、薬価の低下に伴い縮小傾向にあり、世界シェアの拡大を図る必要に迫られています。今回はエーザイの新薬が取り上げられましたが、業界トップの武田薬品やアステラス製薬をはじめ、他の企業も開発を進めており、今後の動向が注目されます。

補足)アルツハイマー病
認知症患者の6割を占める病気です。
病気が進行すると、脳が委縮し、最終的に日常生活が困難になります。
アルツハイマー病の患者は、世界で約3000万人の患者がいるとされており、2030年には5000万人弱に増加すると言われています。
現在もアルツハイマー病を直す薬はなく、2021年に両社が開発した「アデュカヌマブ」は臨床試験データが不十分だったうえ、薬価も効果で普及しませんでした。


https://www.eisai.co.jp/news/2023/news202304.html

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