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先輩にインタビュー⑤


 5 人目のインタビューは、6 期生でキャプテンを務めた西出優月さんです。現在、ダイハツ工業の陸上部で3000m 障害、 5000m、駅伝をメインに活躍されています。得意とする 3000m障害では、大学4 年時の日本学生陸上個人選手権で優勝、実業団では 2022 年日本選手権で2 位という成績を収められています。関西外大通信「THE GAIDAI」318号と3 年前に実施した取り組み「関西外大まるっと図鑑」でも紹介されていますので、そちらも併せてご覧ください。

https://www.kansaigaidai.ac.jp/news/detail/?id=2314 (関西外大通信)


●成長するきっかけとなった大会
 競技人生の中で、良い結果で記憶に残っている大会は、2022 年の日本選手権3000m 障害です。
 社会人 1 年目でしたが、自己ベストを 15 秒以上更新し、大会記録で 2 位になりました。今までのレースで一番集中して力を出し切れたレースでした。初めて日本選手権の表彰台に立てたことで、オリンピックや世界陸上に出たい気持ちが一層強くなり、今はそれが一番の目標になっています。 
 逆に悔しかった結果として記憶に残っている大会は大学 4 年時の関西学生女子駅伝です。
 不調時のレースとなりました。 1、 2 区と良い流れでタスキをつないでくれましたが、3 区で良い走りができませんでした。ですが、チームのみんなに助けてもらい、全日本大学女子駅伝へ進むことができました。次は私がチームを引っ張る、貢献できるよう頑張ろう、という気持ちになれました。


●西出さんの競技人生
 大学時代から数々の成績を収めている西出さんですが、まだ殻を破れたとは思っていないそうです。もっともっと目指しているところがある、と常に上を見ていることが伝わりました。同時に西出さんは競技を楽しむ事も大事にされています。自己ベストを出したときや目標を叶えた時の達成感、人との出会いが陸上の魅力であり、これからも楽しみながら結果を出していきたいと話してくださりました。

●強さの秘密
 外大史上初の全国タイトルも手にしている西出さん。そこで彼女の強さの秘密に迫ります。
 当初は、大学卒業後に実業団で競技を続ける気はありませんでした。しかし、高校時代の 1 学年下の後輩(愛媛銀行 山中柚乃選手)が実業団で活躍している姿を見て興味を持ち始めました。そこから、3000m 障害で 9 分台、5000m で 15 分台を自分で設定し、クリアしたら実業団で続けることを視野に入れました。そして、大学 3 年時の秋に 3000m 障害において、9 分台が現実的になり、12 月に出せて続けようと決意を固めました。それを達成しているからこそ、今があるのですね。また、競技をしている上で、一つ一つの目標をクリアする意識を大切にしているそうです。レースごと、現在の実力ごとに目標を変え、学生
時代から現在まで、「関西インカレ」⇨「日本インカレ」⇨「日本選手権」⇨「日本記録」⇨「オ
リンピック標準記録」と徐々に目標を大きくしているそうです。また、とても強く後悔している経験もないそうで、「後悔しないために毎日頑張る!」と過ごしています。これらのことから「目標がぶれず、達成しようとする意志の強さ、覚悟」が彼女の強さにつながっていると分かります。


●学生時代と今
 目標をコツコツクリアしたい、楽しんで走りたいという気持ちは学生時代からあります。当時から、1500m、3000m障害をメインとしていました。大学のメニューは、5000m向けが多かったので、自分でスピード練習を入れたり、障害練習を手伝ってもらったりしながらやっていました。先生や同期、先輩後輩にも恵まれて本当に充実した 4 年間を過ごしました。実業団で走っている今、お金と会社からのたくさんのサポートを頂いているからこそ目に見える結果でしか返せません。中途半端な気持ちではできない覚悟で取り組んでいます。今年は怪我の影響で、長い間思うように走れませんでした。春のレースでは悔しい思いをし、さらに怪我もしました。日本選手権に必死に間に合わせましたが、結果は良くありませんでした。それでも、目標に向けてやってきたことは少しでも力になっていると信じて、今後につなげていきたいです。学生時代の時ほど競技を楽しめてはいませんが、楽しみながら結果を出したい、結果で恩返ししたいという思いは学生時代より強いです。

●後輩へのメッセージ
 今後の目標として、 2025 年に3000m障害で日本記録更新、 2028 年ロス五輪出場を掲げている西出さんに後輩へメッセージをいただきました。

 大学での 4 年間は振り返るとあっという間です。学業、競技、遊びなど何事にも全力で取り組み、全力で楽しみ、後悔のないような大学生活を送ってほしいです。そして、人との出会いを大切にしてほしいです。私は卒業後に大学での友人がいろいろな場所で頑張っている姿を見て、刺激を受けています。皆さんの活躍を応援しています。

●編集後記 (4 年 三輪南菜子・2 年 林那優)
 インタビューを通して、世界という目標に向けて現状に満足しない西出さんがとても印象的でした。私たちも怪我で苦しむことが多く、レースに向けて合わせていく大変さは強く共感しました。ですが、その状況でも目標に向かって取り組む西出さんの姿勢に勇気づけられました。学生時代から自分に必要なことを考えて取り入れる自主性が強さにつながっていると実感し、私たちも西出さんのように自ら行動していこうと思いました。西出さんの明るさと強さで、楽しみながら目標を達成してほしいと思います。西出さんのご活躍を心から応援しております。

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